●前回までのあらすじ●
入院中の倉津君。
お見舞いに来てくれた素直ちゃんにはブーメランを喰らい。
そして見知らぬ女の子には、罵詈雑言の嵐を喰らう。
だが、それで終わりではなかった(笑)
『コンッコンッ……ガラっ!!』
「HEY!!コチラ、倉津サンノ オ部屋カ?」
オイオイ……今度は、あのクソアマどころか。
希望の人物とは性別まで違う、訳の解らないデカイ白人が入って来やがった。
なんなんだよ?
次から次へと、変なもんバッカリ見舞いに来やがって……どうなってんだよ、この病院?
「あぁ?誰だよテメェは?」
「OH、おまえサンガ、倉津真琴之助様カ?」
「あぁ確かに、俺が倉津だが。決して、オマエの言う真琴之助ではないぞ。……っで、テメェは、一体誰だよ?俺は、テメェなんぞ、全く知らねぇぞ」
「OH!!コレハコレハ申シ遅レタ。私ハ、ジョニー=ミラー言イマス。おまえサンノ友達、仲居間サンニ伝言頼マレテ、私、此処来タ。You under-stand」
「崇秀からの伝言だと……」
あぁそう言えば……あの馬鹿、結局、あのライブには一度も顔を出してなかったな。
そんな奴が、今更なんの伝言があって、こんな訳の解らない白人を送り込んで来やがったんだ?
オイオイ、まさかとは思うが……イキナリ『解散通知』とかを、この白人に持たせてるとか言わないよな。
「ソウデス。私、貴方ニ伝言持ッテ来マシタ……ケド、アンマ日本語上手クナイ。おまえサン、すてら、何所行ッタカ知ラナイカ?アノ女、急ニ、何所カ行キヤガリマシタ」
「ステラだと……悪いが、シラネェな。聞いた事もない名前だ」
「OH……口カラ罵詈雑言シカ吐カナイ女デスヨ。何所カデ知ラナイカ?」
……あぁ、さっきのクソアマの事か。
……にしても崇秀の奴、こりゃあ、一体、どう言う了見だ?
何の用かは知らねぇがな。
なんで、こんなウザッたい連中を、わざわざ2人も送りつけてやがんだ。
今、此処に居る白いのは、ロクに日本語を喋れないし、なんか無駄にムカツク。
そんで、もう1人の先に入って来たクソアマは、口を開けば、丁寧な言葉で罵詈雑言しか吐かない。
病人相手に、なんの嫌がらせだよ!!
「あぁそいつなら、さっきまで、此処居たが帰ったぞ」
「OH!!アノ糞ビッチ、何所、行キヤリマシタカ?」
「知らねぇよ。散々、俺の悪口言って、部屋から出て行きやがったよ」
「何を言っておられるのですか?先程、私は、在りのままの事実は述べましたが、アナタの悪口なんて一言も言ってませんよ。誤解も良い所です。それとジミーさん。私は、アナタに糞ビッチなんて言われる覚えはありません。ビッチで低脳なのは、寧ろ、アナタの方じゃないんですか?」
うわっ!!また出やがったよ!!
けど、コイツは『1つ反抗の言葉を言ったら、10最悪な悪口が帰って来るから』イラネェ事は言わねぇで置こう。
さっき、それで散々な目に遭ったからな。
それを知ってか、知らずしてか。
ステラとか言う最高に口の悪い女は、妙に済ました顔をして、俺の顔をジッと見てやがる。
ダメだ。
コイツに見られてるだけなのにも関わらず、なんか、この女だけは、マジでムカツク!!
その表情……俺の事を嘲笑ってるだろ!!
(↑完全な被害妄想……一応自覚有りな俺)
「テメェ!!何所から湧いて来やがった!!俺には二度と逢わねぇって、さっき言った所じゃなかったのかよ!!」
「人が湧く?おかしな事を言うんですね。その調子だと、人が自然に発生しない事も解らない程、アナタは低脳なんですね。それに、貴方に逢わない訳には行かないから、わざわざアナタなんかの所に戻って来てあげたんですよ。それすらも解らなかったんですか?本当にアナタは低脳なんですね」
あぁ……ヤッパ、辞めときゃ良かった。
この女の口の悪さは、そんじょそこいらの者とは比べ物にならない。
天下一品だ。
多分、喋る言葉が全てが『嫌味』になる様な仕掛けが、口の中にでも入ってるんだろう。
とんでもねぇ口の悪さだ。
「コラッ、すてら、ソンナ事言ウ良クナイヨ。真琴之助サンガ、機嫌悪クシタラ面倒臭ソウナンダヨ」
「面倒臭い?アナタも、おかしな事を言うんですね、ジミーさん。この方は、元々人語を理解されてませんので、最初から面倒臭い人なんですよ」
「ケド、ソレ、すてらガ続ケタラ、モット面倒臭クナルヨ」
「あぁ……それは困りましたね。ただでさえ理解力が乏しい方なのに、これ以上の低脳な方になられては、流石の私も、対処の仕様がありませんね。……では仕方がありません。此処は、私が折れて差し上げます」
オマエ等なぁ!!
ホント、好き勝手言いたい放題だな。
俺の事をよく知りもしない癖に『面倒臭い』とか、何回も言ってんじゃねぇぞ!!
けどな。
そんな風に怒りたいのは山々なんだが。
実際、俺も病み上がりなんで、そこまで無駄な元気はない。
それに第一、此処で少しでも反抗したら、数百倍の悪口が帰って来る。
つぅか、これじゃあ、面倒臭いのは俺じゃなくて、どちらかと言えばオマエ等の方なんじゃねぇか?
脳がそう言う解答を導き出したので、俺は妥協する事にした。
これ以上の面倒は、ごめん被りたいからだ。
因みにだがな。
今、俺の脳内では、こんな事を考えられている。
①『もぅ頼むから、用件だけ言って、さっさと帰ってくれ』
②『このままだと、俺の怒りが心頭して、ナイフの怪我から再度血が噴出しそうだしよぉ』
③『はよ用件言って、2人して、さっさと帰ってくれ。いやマジで』
これが、俺が望む全てだ。
つぅ~事で、マジ帰れ!!
「っで……結局、オマエ等は、俺になんの用件があって此処に来たんだよ?簡潔に言ってくれ」
「アナタ。……まさか、まだ私達の用件が解ってないんですか?どうすれば、そんなに低脳な考えになれるんですか?アナタ、一体、何所の星から来たんですか?」
「あぁそうッスか、そうッスね。俺は、低脳な上に地球外生命体なんで、アンタが考える様な事はわかんねぇよ……良かったら教えて頂けますかね」
「ハァ……そこまでの低脳では仕方がありませんね。では、まずコチラをご覧になって下さい」
そう言って、漸く、崇秀の用件とやらが動き出した。
だが、安心するのは、まだ早かった。
イキナリ、何かが大量に入った封筒らしきものを渡される。
これには、イヤな予感しかしない……
いや、それ以前にだな。
病み上がりの人間に、こんな分厚い資料みたいなものを渡して、どうするつもりだ?
大体、誰がこんな不必要な見舞いの品を貰って、喜んで読むんだよ!!
少しは俺の置かれている事情ってもんを考えろ、ボンクラ!!
そんな風に、心で、あの馬鹿の文句を言いながら、一応、封筒らしき物を開いてみると……中に入っていたのは、何やら訳の解らない集計表や、アンケート用紙。
それに付随して、俺達バンドの評価点などが書き示された書類が300枚程入っていた。
まぁ流石に、これを見たら、これが何か位は想像はつく。
……が、ヤッパリ、病み上がりの人間に持ってくるもんじゃねぇよな。
因みにだが、内容はこんな感じだ。
Live-oN 1997/7/21 総合評価表
(評価は最高10.0で表示)
●バンド評価●
総合テクニック:6.5
パフォーマンス:7.2
盛り上がり度 :6.6
――――――――――
総合評価 :6.7
●個人評価●
(ヴォーカルA有野素直・ベースA倉津真琴・ヴォーカルB&ベースB向井奈緒・ギター嶋田浩輔・ドラム山中寛和)
楽器 評価 コメント
ヴォーカルA :5.3……前回に比べ声の質が向上、10曲目より何もしていなかったのはマイナス要素にせざるを得ない。精神面を鍛えないと使い物にならない。
ヴォーカルB :6.9……安定感があり、攻撃的且つ繊細に曲を唄っている。パフォーマンスも上手くこなしていたので、特に問題は無し。
ベースA :5.6……技術の向上は著しいが、少しパフォーマンスに問題あり。
ベースB :6.7……歌を唄いながら演奏して居たのにも拘らず、安定した演奏をしていた。但し、安定しているだけに面白味には欠けている。
ギター :8.2……高評価に付き問題なし。
ドラム :7.6……高評価に付き問題なし。
●総合アンケート●
GOOD
①全体的に見ていて面白い。ビックリ箱みたいなバンド。
②パフォーマンスが飛び抜けている。血を流しながらの演奏は圧巻。
③パソコンの動画で見るより、ズッと迫力があって演奏も上手い。
④根拠は無いが……売れる予感しかしない。
⑤早弾きが多いのは、高感度が持てる。
etc……
BAD
①バンドとしてのバランスがイマイチ。上手い人と下手な奴の差が大き過ぎる。
②色々試しているのは解るが、音楽の方向性がよく見えない。何所に行きたいんだろうか?
③早弾きが多いのは良いが、そこに頼り切っている傾向がある。
④ライブ中に、なにもしないメンバーが居るのが意味不。
⑤パフォーマンスに、やり過ぎの傾向が見受けられる……グロイ。
etc……
っとまぁ要約すると、こんな感じだ。
しかしまぁ、相も変わらず、あのアホンダラァだけはマメだねぇ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
どうやら、ステラさんと、ジミーさんは、崇秀の使者の様ですね。
そして下された、ライブでの評価。
バンドは継続出来るのか?それとも解散か?
その辺の事情を、次回はお伝えしたいと思います。
でわでわ、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!