最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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551 慣れないトイレ後の奈緒さんとの攻防

公開日時: 2022年8月11日(木) 00:21
更新日時: 2023年1月11日(水) 14:39
文字数:3,344

●前回のおさらい●


 どんな姿に成っても、倉津君の将来を第一に考えてくれる奈緒さん。

そんな彼女の姿に感動し、此処からはXX眞子に協力を仰ぐのではなく、自身の力だけで現状を乗り越え様と固く誓う倉津君でした。

「あっ、はい。じゃあ、今から俺、奈緒さんの前以外では、一切、男言葉を使わないんで、シッカリ見てて下さいね。そんで『清らかな乙女』って奴も、必ずやり切って見せますよ」

「あら、やけにヤル気になってくれたんだね。じゃあ、スタートしてみよっか。もし男言葉使ったら、この寒空の中、スクール水着で買い物に行って貰うからね」

「あっ、はい、わかりました。頑張ります」


そんな手には引っ掛りませんよ。


大体、スク水で外歩くなんて、どんな羞恥プレイですか?

寧ろ、ただの変態じゃないですか。


あっ、だから罰ゲームか……納得。



「あぁ、イキナリ可愛いんだ。凄いよクラ。さっきより断然良いよ」

「からかわないで下さいよぉ……もぉ」

「う~~わっ、なになにこの子、フェロモン全開じゃん。……流石、私の嫁だよ。もっとやってみ」

「クスッ……もぉ、奈緒さんなんか知りません。私、おトイレ行きますからね」

「ははっ……完璧だよ、クラ」


正直、死ぬ程恥ずかしい。


もぉ、なんかな。

心の中じゃ『なに言っとんじゃ俺』って感じだよ。


また、こうやって『新しく女性としての大切ななにか得て』『男性としての大切な何かを失った』様な気がする……


あぁけど、あれだな……やろうと思ってやれば、意外となんとかなるもんだな。

この調子で真上さんをモチーフにして、丁寧に可愛く喋ってりゃ、スゲェ完成度高い『清らかな乙女』になるんじゃねぇの。

そこに+α、俺の好きなアニメとかを組み込めば、男の理想を脳内で作り易いしな。


ふふふ……そうかそうか。

俺は、なにを馬鹿な勘違いしてたんだ。


奈緒さんの反応からして、此処まで成功してりゃ、寧ろ、恥ずかしがる必要なんて何所にもねぇんだよ。

俺は性転換をしたのが丸解りのオカマじゃなくて、誰がどう見ても、正真正銘の美少女にしか見えないんだからな。


女言葉を使っても、なにもおかしくない事が認識出来たぞ。

(↑奈緒さんは最初からそう言ってるのに、今頃認識した間抜けな俺)



あぁ……でも、油断は禁物だな。

まずにして、まだまだやれる事は一杯ある筈だからな。


此処で変に満足しちゃいけない。


それに、やってる内にボロが出るかも知れないから、調子にも乗っちゃいけない。

それを踏まえた上で、奈緒さんの期待に、もっと応えれる様に頑張ろ。


……にしても、奈緒さんが言う程、本当に、そんなに可愛かったもんなんだろうか?


気になるから、トイレの後、洗面所で確認しよ。

(↑ナルシスト)


***


 トイレの仕方と、女子の嗜みを、奈緒さんから伝授して貰っていたので。

彼女のマニュアルに従いながら、意味も無く、そして、少し照れながらも小用を済ませる。


んで、此処で気付いた事なんだがな。

女の子のアソコ拭く時って、かなりソッと拭かなきゃいけないんだな。


いや、なんて言うか、男と比べてデリケートつぅか、なんつぅか。

男自体が小便程度の後じゃあ、紙なんかで拭かねぇから解んなかったんだが、女のアソコって妙に敏感なんだよ。


だからな、拭く時にしたって、男の時みたいに適当に荒っぽく拭くんじゃなくて、優しくソッと触れる様にしなきゃいけないみたいなんだ。


あぁそれとな。

女の体って、男みたいに突起物が無いだろ。

だから、洋式の便所の場合、最後の最後でションベンが『ツゥ~~~』って尻の方まで伝って行くんだよ。


ほんで、この『ツゥ~~~』ってのがな、中々厄介でな。

こんな事、男じゃ有り得ないから、そうなった瞬間、体が『ビクッ』ってなっちまったよ。


俺、女になっちまって初めてのションベンだったから、これはまさに驚きの感覚だった。


んでまぁ、借り物のパンツだから汚しちゃいけないと思って、その辺もソッと綺麗に拭き取ったと。


でだ、此処までは、ほぼ奈緒さんに教えて貰った事なんだけどな。

(↑今の2点は、体感的なものだから除外)

このまま終わったんじゃ、言われたままの事をするだけで、他の気遣いが、なにも出来てない様な気がしたので。

だからまず、女子の後にトイレに入った時、男とは、なにが違うかを検証してみたんだ。


するとな、それが『トイレット・ペーパー』だって事に、ふと気付いたんだよ。


ほらほら、女子のトイレを使った後って、必ずと言って良い程、トイレット・ペーパーを『三角』に折ってねぇか?

まぁそれが、本当に女子の仕業なのか、どうかまでは不明瞭のままなんだが、取り敢えず、気付いたのでやっておく。

後、入った時、便器の蓋が閉まっていたので、これも閉めて置く。


……っで、後は、これと言って気付いた点が無かったので、トイレから出る事にした。


『ガチャ』


全くの無防備な状態で扉を開くと、奈緒さんが少し笑いながら扉の前で待っていた。


この表情……また、良からぬ事を考えてなきゃ良いけどな。



「奈緒さんも、おトイレですか?」

「うん。君のチェックがてらにね」


ヤッパリだ。



「意地悪なんですね」

「ふふっ、嘘、嘘。私の嫁は、そんな心配しなくても大丈夫だも~ん。ちょっとからかっただけ」

「もぉ、奈緒さん!!」


意地悪されたんで、奈緒さんお得意の『ぷぅ』って頬を膨らませる奴をやってやった。


お気に入りの奈緒さんの仕草をパクッたった。


こんなん、どないでっしゃろ?



「あらま、また可愛い事してくれちゃって……そんな事バッカリしてると、仕舞いに襲っちゃうぞ」

「じゃあ、それは、みんなが帰った後、2人になってからの、お楽しみで……寝かせないですよ」


奈緒さんの耳元で、そっと、そう囁く。



「へっ?」

「ふふっ、冗談ですよ。心配しなくても、奈緒さんになんか、そう簡単には襲われませんよぉ~だ」


からかったった。

これも奈緒さんが良くやるパターンなんだけど、そのやり方で、からかったった。


立場が逆転すると、おもしれ。



「ちょ!!クラ!!」

「奈緒さん。クラじゃなくて眞子ですよ。そう呼ばないとバレちゃいますよ」


言うと同時に、威圧の意味を兼ねて、これでもかって程の真顔で、奈緒さんの顔に、自分の顔を思いっ切り近づけてみた。


この人は、これぐらい威圧しないとリベンジしかねなんだよな。

兎に角、奈緒さんは、世界基準の超特A級危険人物だから、保険は大切だ。



「あっ……うん、そうだったね。眞子だね」


『チュ』


俺の威圧に嵌った奈緒さんに、不意打ちでキスしたった。


これは、女になってからのファーストキスなんだが。

俺が男の時は、不意に奈緒さんにファーストキスを奪われたから、その時の仕返し。


つぅか、俺のファーストキスは、両方とも奈緒さん。


……にしても、あれだな。

女の立場なら、相手が不用意になるから、結構、簡単に不意打ち出来るもんなんだな。


なんか、妙な理屈が解った様な気がする。


けど……これって『知らなくても良い』様な気がするのは何故だ?


『なにかを失った』分『なにかを得てる』様で怖ぇぇ~~~!!


でも、からかったる。



「うん。ちゃんと名前で呼んでくれて、ありがとう奈緒さん。……世界一大好きだよ」

「君ねぇ……」

「ふふっ、それじゃあ奈緒さん、先に部屋に行って待ってますね。寂しいから、早く戻って来て下さいね」


よっしゃあ!!

奈緒さんが唖然としてるから、これはきっとしてやったりな筈だ!!


それに、此処まで奈緒さんを翻弄出来るなら、女言葉も面白くなってきたな。


だってよぉ、最初は、スゲェ女言葉を使うのが恥ずかしいと思ってたんだけどな。

実は女言葉って言っても、男で喋ってた言葉を『丁寧』に『可愛く』言うだけの事だから、そんな大層な話じゃないんだよな。


自分が納得出来る『証明』と『踏ん切り』さえつけば、意外と気にならない。

付け加えて言えば、自分の今の容姿さえ、頭の中にキッチリ認識させて置けば、更に気にもなんねぇもんだぞ。


まぁ、そうは言っても、なにか捨て去らなきゃいけないものが有るのは否めねぇけどな。


そこは、自分の容姿の女の子が喋ってると、脳内変換すればOKだ。



……あぁけど、此処まで簡単に成功するって事はだな。

ヤッパリ『魔性の女と呼ばれてる真上さん』をベースにしたのが正解だったみたいだな。


ダメですよ、奈緒さん……ってか!!


……なんて言って遊んでる場合じゃねぇな。

奈緒さんが持ち直して、リベンジされる前に逃げろぃ~~~!!



「ちょ、クラ!!それ、女子力MAX過ぎだよ。『真性の小悪魔』か、君は……」


へっ?なんか言いましたか?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ちょっと意地悪な物言いであったにせよ、奈緒さんの励ましがあり。

今の現状をなんとかして受け入れようとして、必死に頑張る倉津君。


傍から見れば、女性の物真似をしている様な滑稽な姿に見えるかもしれませんが。

これが倉津君也に必死に考えた『奈緒さんからの貰った愛情への答え』なのかもしれませんね。


どんな状態に成っても【2人の絆は永遠である】と言う証明をする為に、彼女が願い、求める『完璧な女性を演じようとしている』訳ですし♪


まぁ、ただ一点だけ気になる事があるすれば。

そのベースに選んだのが『真上さん』っと言う事ですかね。


どうなっても知りませんよ(笑)


さてさて、そんな中。

この後、再び素直ちゃんとの会話になるのですが。

宣言通り倉津君は、協力者であるXX眞子の力を借りずに、その場を乗り切る事が出来るのか?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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