最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
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1545 消えた2人の行方

公開日時: 2025年4月28日(月) 00:21
文字数:2,264

●前回のおさらい●


 急いで帰宅したら、家の前で眞子と遭遇。

そこで昨晩の出来事を話し、直ぐに納得して貰えたので。

 家に入ってから直ぐに向うべきは、当然、自室で待ってくれてるであろう奈緒さんの元。

一応、沙那ちゃんの親父さんが来る前に着替えをして、簡単な身嗜みぐらいは整えて置きたい所だしな。


それで、もしまだそれでも少し時間に余裕があれば。

奈緒さんには、今回の事の顛末も説明しておきたい。


今回の話って、さっきの眞子との会話での前例を考慮すれば分かる事なんだが。

奈緒さんにも簡単な説明で済むであろうから、沙那ちゃんが一緒に居ても、なんの問題にもならないだろうしな。


故にだ。

少しでも早く、今回の経緯を話す為に、急いで自室に向って行く。


そう思いながらも『ピシャッ!!』っと勢い良く障子を開けてみたんだが……


……あれ?

何故か2人の姿が、どこにも見当たらない。

どうやらこの様子からして、2人して何所かに出掛けたらしい。


普段なら此処で『どこに行ったんだろうな?』っと焦る所なんだが、今回に関しては大丈夫だ。


俺には、2人の行き先が、大凡見当が付いてるからな。


だから、そこに向って、そ~~れ、急げぇい!!


あっ……折角、自室に戻って来たのに着替えるのを忘れた。


まぁ良いっか。


***


 さて、俺が、そうやって2人の居場所を予想して向った先なんだが。


ズバリ!!

あの2人の事だから『地下のカラオケルーム』しかないと踏んでいる!!


音楽好きの沙那ちゃんが一番喜びそうな場所だし。

奈緒さんとの共通項を考えれば、アソコである確率が一番高いからな。


恐らく、此処で間違ってねぇ筈だ。


……って訳で、カラオケルームの扉を『ガチャ!!』


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪-----♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪……


「ふぉ!!」


扉を開けた瞬間。

地下に降りる階段まで、一気に吹き飛ばされそうな大音響。


なっ、なんちゅう大音量で演奏してるんッスか!!


一瞬にして鼓膜が破れるかと思っちまいましたよ。


此処の部屋が防音が効いてるとは言え。

ライブハウスじゃないんだから、そういうのは辞めて下さいよ!!


しかしまぁ、なんだな。

この2人、ヤッパ、夢の中で逢ったヒナの演奏とは、根本的な部分からしてレベルが違うな。


しかも、大音量で演奏してるだけに大迫力だしな。


パネェ。


まっ、まぁ兎に角だ。

そんな事よりも、まずは2人が見つかったからシメシメって感じだな。



「奈♪♪♪--さん!!♪♪♪--緒さ♪♪♪--ん!!」

「うん?……あぁ、クラ、お帰り」

「あっ!!おにぃちゃんだ!!お帰り!!わ~~~い♪」


話しかけた所、最初は奈緒さんと沙那ちゃんが出す爆音に遮られたが。

なんとか2人にも気付いて貰えた様子だ。


そして俺の存在に気付いたと同時に……


おっ、おっ、沙那ちゃんが走って来た、走って来た。

キッチリとギターを置いてから、そのままコッチにテポテポと走って来たな。


なら、沙那ちゃんの脇を持ち。

そのまま抱え上げて、クルクルクルクルクルクル……


……って、なにやっとんじゃ俺は!!



「わっ!!わっ!!わっ!!凄い凄い!!楽しい楽しい!!」


あぁっと、回されてる本人が楽しそうにしてるから、まぁ良いか。


……にしても軽いなぁ。



「ちょっと、そこのお父さんみたいな人。遊んでるのは結構なんだけど。なんか用事あったんじゃないの?」

「あぁっと、そうッスね。すんません。……沙那ちゃん、ゴメン、お仕舞いな」


っと言いながら。

チョンっと地上に下ろすと……



「うぅ……お仕舞い」


凄く悲しい顔をされた。


そこまでの事なのか?



「あぁっと、後でな。後で、またクルクルしような」

「ホント?おにぃちゃん、またクルクルしてくれる?」


しかしまぁ、なんだな。

こんな程度の事が、そんなに楽しかったのか?


・・・・・・


あぁ、けど、そうかぁ。

考えてもみたら、沙那ちゃんの親父さんは、こう言う『如何にも親子です』って感じのコミニュケーションを取る様なタイプじゃないもんなぁ。


まずにして腕力無さそうだし。


それ故に沙那ちゃん自身が、こう言う体験が少ないからこそ、此処まで、はしゃいじゃった訳だろうしな。


だったら、あれだな。

奈緒さんとの話がキッチリと終わったら、満足行くまでタップリと沙那ちゃんとは遊んでやるべきだな。


うんうん、間違いない。



「おぅ、思う存分、幾らでもクルクル回してやるぞ」

「やったぁ~~~♪」

「但し、奈緒お姉ちゃんと、親父さんとの話が終わってからな。それまで待ってられるか?」

「うんうん、解った。待ってる、待ってる」

「そっか。そんじゃま早速、ちょっとの間だけ、奈緒お姉ちゃんと話をさせて貰って良いか?」

「うん、良いよ。じゃあ、沙那は邪魔に成らない様に向こうでギター弾いてるね」


そう言った後、自主的にテポテポとギターの置いてある方に走って行く。


……小動物。


……萌える。


イカンイカン。

沙那ちゃんに萌えを感じて、見惚れとる場合じゃなかったな。


折角、自主的にギターを弾いて待ってくれてるんだから。

これはもぉ、少しでも早く奈緒さんとの話をして、またクルクル回して遊んでやらんといかんしな。


……っと、その前にだ。

1つだけ、演奏するにあたっての注意をしておこう。



「ちゃんと音量落すか、ヘッドホーンをしてから演奏するんだぞ」


流石に、さっきみたいな音量で演奏されたら、奈緒さんとの話が出来ねぇしな。

それになにより、なんかの用事で組員が此処に来た時。

さっきの俺みたいに、大音量で、地下に下りる階段までふっとなされても困るしな(笑)



「は~~~い」


おぉ、返事をしながら手を上げとる、手を上げとる。


もぉマジで可愛いのぉ。

(↑結局、直ぐに沙那ちゃんに嵌る俺)


されど、これでなんとか第二関門は突破だな!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


倉津君は、本当に沙那ちゃんに弱いですね。

少しでも可愛いと思ったら最後、直ぐに甘やかそうとしますからね(笑)


まぁでも、沙那ちゃんは子供らしく素直で可愛いし。

その上、倉津君と出会ってからと言うもの、かなり聞き分けが良い子にも成ってるので、こりゃあ、倉津君がそうなっても仕方がないってもんですね。


さてさて、そんな中。

今度は奈緒さんに、昨晩の内容を話す機会に成った訳なのですが。


此処も倉津君の思惑通り、上手くクリアー出来るのか?

そろそろ沙那ちゃんの親父さんが来ても、おかしくはない状態なので、是非、頑張って欲しい所ですね。


……ってな感じのお話を、次回は書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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