●前回のおさらい●
急いで帰宅したら、家の前で眞子と遭遇。
そこで昨晩の出来事を話し、直ぐに納得して貰えたので。
家に入ってから直ぐに向うべきは、当然、自室で待ってくれてるであろう奈緒さんの元。
一応、沙那ちゃんの親父さんが来る前に着替えをして、簡単な身嗜みぐらいは整えて置きたい所だしな。
それで、もしまだそれでも少し時間に余裕があれば。
奈緒さんには、今回の事の顛末も説明しておきたい。
今回の話って、さっきの眞子との会話での前例を考慮すれば分かる事なんだが。
奈緒さんにも簡単な説明で済むであろうから、沙那ちゃんが一緒に居ても、なんの問題にもならないだろうしな。
故にだ。
少しでも早く、今回の経緯を話す為に、急いで自室に向って行く。
そう思いながらも『ピシャッ!!』っと勢い良く障子を開けてみたんだが……
……あれ?
何故か2人の姿が、どこにも見当たらない。
どうやらこの様子からして、2人して何所かに出掛けたらしい。
普段なら此処で『どこに行ったんだろうな?』っと焦る所なんだが、今回に関しては大丈夫だ。
俺には、2人の行き先が、大凡見当が付いてるからな。
だから、そこに向って、そ~~れ、急げぇい!!
あっ……折角、自室に戻って来たのに着替えるのを忘れた。
まぁ良いっか。
***
さて、俺が、そうやって2人の居場所を予想して向った先なんだが。
ズバリ!!
あの2人の事だから『地下のカラオケルーム』しかないと踏んでいる!!
音楽好きの沙那ちゃんが一番喜びそうな場所だし。
奈緒さんとの共通項を考えれば、アソコである確率が一番高いからな。
恐らく、此処で間違ってねぇ筈だ。
……って訳で、カラオケルームの扉を『ガチャ!!』
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪-----♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪--♪……
「ふぉ!!」
扉を開けた瞬間。
地下に降りる階段まで、一気に吹き飛ばされそうな大音響。
なっ、なんちゅう大音量で演奏してるんッスか!!
一瞬にして鼓膜が破れるかと思っちまいましたよ。
此処の部屋が防音が効いてるとは言え。
ライブハウスじゃないんだから、そういうのは辞めて下さいよ!!
しかしまぁ、なんだな。
この2人、ヤッパ、夢の中で逢ったヒナの演奏とは、根本的な部分からしてレベルが違うな。
しかも、大音量で演奏してるだけに大迫力だしな。
パネェ。
まっ、まぁ兎に角だ。
そんな事よりも、まずは2人が見つかったからシメシメって感じだな。
「奈♪♪♪--さん!!♪♪♪--緒さ♪♪♪--ん!!」
「うん?……あぁ、クラ、お帰り」
「あっ!!おにぃちゃんだ!!お帰り!!わ~~~い♪」
話しかけた所、最初は奈緒さんと沙那ちゃんが出す爆音に遮られたが。
なんとか2人にも気付いて貰えた様子だ。
そして俺の存在に気付いたと同時に……
おっ、おっ、沙那ちゃんが走って来た、走って来た。
キッチリとギターを置いてから、そのままコッチにテポテポと走って来たな。
なら、沙那ちゃんの脇を持ち。
そのまま抱え上げて、クルクルクルクルクルクル……
……って、なにやっとんじゃ俺は!!
「わっ!!わっ!!わっ!!凄い凄い!!楽しい楽しい!!」
あぁっと、回されてる本人が楽しそうにしてるから、まぁ良いか。
……にしても軽いなぁ。
「ちょっと、そこのお父さんみたいな人。遊んでるのは結構なんだけど。なんか用事あったんじゃないの?」
「あぁっと、そうッスね。すんません。……沙那ちゃん、ゴメン、お仕舞いな」
っと言いながら。
チョンっと地上に下ろすと……
「うぅ……お仕舞い」
凄く悲しい顔をされた。
そこまでの事なのか?
「あぁっと、後でな。後で、またクルクルしような」
「ホント?おにぃちゃん、またクルクルしてくれる?」
しかしまぁ、なんだな。
こんな程度の事が、そんなに楽しかったのか?
・・・・・・
あぁ、けど、そうかぁ。
考えてもみたら、沙那ちゃんの親父さんは、こう言う『如何にも親子です』って感じのコミニュケーションを取る様なタイプじゃないもんなぁ。
まずにして腕力無さそうだし。
それ故に沙那ちゃん自身が、こう言う体験が少ないからこそ、此処まで、はしゃいじゃった訳だろうしな。
だったら、あれだな。
奈緒さんとの話がキッチリと終わったら、満足行くまでタップリと沙那ちゃんとは遊んでやるべきだな。
うんうん、間違いない。
「おぅ、思う存分、幾らでもクルクル回してやるぞ」
「やったぁ~~~♪」
「但し、奈緒お姉ちゃんと、親父さんとの話が終わってからな。それまで待ってられるか?」
「うんうん、解った。待ってる、待ってる」
「そっか。そんじゃま早速、ちょっとの間だけ、奈緒お姉ちゃんと話をさせて貰って良いか?」
「うん、良いよ。じゃあ、沙那は邪魔に成らない様に向こうでギター弾いてるね」
そう言った後、自主的にテポテポとギターの置いてある方に走って行く。
……小動物。
……萌える。
イカンイカン。
沙那ちゃんに萌えを感じて、見惚れとる場合じゃなかったな。
折角、自主的にギターを弾いて待ってくれてるんだから。
これはもぉ、少しでも早く奈緒さんとの話をして、またクルクル回して遊んでやらんといかんしな。
……っと、その前にだ。
1つだけ、演奏するにあたっての注意をしておこう。
「ちゃんと音量落すか、ヘッドホーンをしてから演奏するんだぞ」
流石に、さっきみたいな音量で演奏されたら、奈緒さんとの話が出来ねぇしな。
それになにより、なんかの用事で組員が此処に来た時。
さっきの俺みたいに、大音量で、地下に下りる階段までふっとなされても困るしな(笑)
「は~~~い」
おぉ、返事をしながら手を上げとる、手を上げとる。
もぉマジで可愛いのぉ。
(↑結局、直ぐに沙那ちゃんに嵌る俺)
されど、これでなんとか第二関門は突破だな!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
倉津君は、本当に沙那ちゃんに弱いですね。
少しでも可愛いと思ったら最後、直ぐに甘やかそうとしますからね(笑)
まぁでも、沙那ちゃんは子供らしく素直で可愛いし。
その上、倉津君と出会ってからと言うもの、かなり聞き分けが良い子にも成ってるので、こりゃあ、倉津君がそうなっても仕方がないってもんですね。
さてさて、そんな中。
今度は奈緒さんに、昨晩の内容を話す機会に成った訳なのですが。
此処も倉津君の思惑通り、上手くクリアー出来るのか?
そろそろ沙那ちゃんの親父さんが来ても、おかしくはない状態なので、是非、頑張って欲しい所ですね。
……ってな感じのお話を、次回は書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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