最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1424 コイツは……マジでイカレテやがる

公開日時: 2024年12月28日(土) 00:21
文字数:2,251

●前回のおさらい●


 倉津君の『人を魅了する才能』を高く評価している細川君。

それ故に、GUILDに対抗する組織を作る為の人材として欲しいっと感じているのか、破格の交渉を持ち掛けてくるのだが……倉津君はと言うと(笑)

「だったら、その出逢いの運を、自らの手で、もっと広げれば、旦那のコネは、仲居間をアッサリ凌駕する事も可能なんじゃないかい?」

「いや、けどよぉ。そんなもんは所詮偶発的なモノでしかないんだから、どうやっても故意的なものには成らないんじゃねぇか?」

「成らなきゃ成らないで、それで問題ないさな。今までの出逢いだけでも、アイツとなら十分に渡り合えるからな」

「なんでだよ?なんでそうなるんだよ?」


ダメじゃね?

俺の唯一の才能であるらしき『人に出逢う運』が全然発動しないなら、まさに俺は木偶の坊。

そんな状態の中、仮に組織を立ち上げたとしても『役立たずの烙印』をケツにでも押された家畜同然の立場に成っちまうだけなんじゃねぇの?


ブヒッ。


嫌だぁ~~~!!



「旦那……そんな間の抜けた質問をする前に、少しは自分の周りを良く見てみなよ」

「あん?」

「此処に居る全員が、旦那の知り合いなんじゃないのかい?これだけ優秀な人材が集まってるんなら、なにかをヒックリ返すぐらいは、そんなに難しい事じゃないんじゃないかい?」

「まぁなぁ。そうかもしんねぇけどよぉ。今現在じゃあ、全員が全員、崇秀の息が掛かってる人間ばかりじゃねぇかよ。だから、俺に味方してくれるとも限らないじゃね?」

「違うね。例え仲居間の息が掛かってるにしても。それは仲居間が、旦那の人柄を上手く利用してただけに過ぎない。だから、交渉さえ上手く持って行けば、皆が、旦那サイドに付いてくれる筈だぜ」

「いやいや、そんな事ねぇって。あの馬鹿が必至に繋いだからこそ、上手く行ってるだけだってばよ。俺は、なにもやってねぇし」


いや、ホントな。

俺は特に変わった事なんかはなにもせず。

みんなとは、普段通りに接してただけなんだからよぉ。


だから、どうやっても俺自身が、そう言う良い方向に向くとは認識出来無いんだよな。



「そうでもないさな。現に仲居間は、人の敵愾心を煽るのは得意だが、本当の絆を作るのは余り上手くない。旦那や、眞子助と言う仲介役が居てこそ、初めて成立してる部分が多い。だからみんなが、旦那側に付くのは明白だ」

「そうかぁ?本当にそうか?」

「まぁ、信じる、信じないは、旦那次第さな。俺の判断では、そう成ってるけどな」


むむむ……なんか納得出来ない様な意見ではあるんだが。

別に、これと言って、これ以上否定する理由もねぇから、それならそれで良いか。


じゃないと、このまま話が堂々巡りに成りそうな雰囲気だしな。

話を続けるなら続けるで、もっと建設的な部分の話を進めていかないといけない部分もあるんだろうし。



「あぁそぉ。じゃあ、そう思ってくれてるなら、別にそれはそれで良いけどよぉ。その敵対組織とやらを立ち上げる資金は、どこから湧いてくるんだよ?俺に金が有るつっても、所詮、親父の金だぞ」


敵対組織を作るにしても、アイディアだけがあっても出来るもんじゃないからな。

確かにアイディアや、コネ、人材も重要なんだが……それにも増して必要に成って来るのが資金面だ。


世知辛いかもしれないが、此処がないと何も始まらねぇ。


……っで、そんな感じなのに俺はと言うとだな。

まぁ、貯金が全然ない訳ではないんだが。

今現在頑張っても、銀行に預けてる金が1000万ぐらい。

そんで、タンス貯金してる分で300万あるかないかぐらいの貯金しかない訳だ。


ブッチャケ、この程度の資金では。

小さい町工場を回すぐらいなら、なんとか出来るかも知れないが。

GUILDに敵対する様な大きな組織を作ろうとするなら、全然足りてねぇ。


しかも組織が出来たとしても、運転資金がないと、これまた組織がデカイだけに自転車操業にもならねぇ。


モジャは、その辺を、どう考えてるのかなぁって思ってよ。

話の転換期に、資金の話を、まずしてみた訳だ。



そんで、その回答と言うのが、これまたトンデモナイもので……



「なぁ~に、金に関してはなんも心配しなさんなっての」

「はぁ?なんでだよ?資金面が潤沢じゃなきゃ、敵対組織なんて作れたもんじゃねぇぞ」

「まぁ、そう思うわな。けど、それに関しては、俺が全額負担してやるから安心しな。まぁ要するにだ。アイツは、自分の与えた金で、自分の首を絞める羽目になる訳だな」


はい?



「はっ、はぁ?なに言ってんだオマエ?正気か?」

「当たり前さな。GUILDで荒稼ぎした泡銭がたっぷり有るからな。だからこんな程度の問題は、それを全額投資しちまえば万事解決しちまうってだけの話なのさな。そんな程度の事に、なにを、そんなに眼を見開いて驚く必要が有るんだい?」


……馬鹿かコイツ?

いや、究極の馬鹿だわコイツ。

GUILDで稼いだ金を、全額投資するだと?


いやまぁ、コイツの事だから、今までにGUILDで、どれ程の金額を稼いで来たのかは想像出来なくもないんだがな。

そんな大金を、まるで子供がお小遣いを貰ってお菓子でも買いに行く様な感覚で、この企画に全額ぶち込もうとするなんて、もぉ『正気の沙汰じゃねぇのレベル』なんかを完全に超えちまってるぞ。


マジでコイツだけはイカレテやがる。


……って言うかな。

まぁ、モジャの提案はGUILDと敵対しようとしてるものな訳だから、その意気込みは解らなくもねぇんだが。

組織を作る資金を全額負担して貰えるほど『運しかない様な平凡な俺』なんかに、そこまで入れ込む必要性があるんだろうか?


俺と組む程度の事で、そこまでする必要なくね?


しかも、全額負担なんかされたら、俺の立場もねぇしよ。


そりゃあ、幾ら金を持ってても、共同経営を考えてるなら、流石にアカン提案やろ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


『人は宝』そして勿論『人材も宝』

それを得られるのであれば『お金なんて、別に幾ら払っても問題ない』って思考をモジャさんは持っています。


そんで、その上でモジャさんは、GUILDの裏方として経営を任されていた面が大きいので『倉津君の価値』を誰よりも理解してる部分が高く、倉津君を物凄く高く評価しています。


実際、眞子を含めて、裏方から見れば、倉津君のGUILDへの貢献度と言うのは計り知れないものがありますからね。


まぁ、倉津君本人は、いつも無自覚ですが(笑)


さてさて、そんな中。

モジャさんとの交渉は、まだまだ続いて行く訳なのですが。

この全額負担に関して、倉津君は、どういった反論を繰り出すのでしょうか?


そしてモジャさんは、その反論に対して、どの様に言い包めようとしてくるのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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