最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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399 俺は女誑しじゃねぇわ!!……をカジに証明してやる

公開日時: 2022年3月12日(土) 00:21
更新日時: 2022年12月28日(水) 16:14
文字数:4,120

●前回のおさらい●


 倉津君の『ロクデモナイ失敗談』が冒頭で語られただけです(笑)

 さてさて、今日は、前回から1日経ったので、文化祭の前日。


なので校内は、昨日同様……いや、明らかに昨日以上に、人が入り乱れて『オマエ等、全員やかましいわ!!』って言いたくなるぐらい、学校内が騒然としている。


故に、どこに行くにも混雑していて、身動きも取り難い。


だが、俺はだな。

それらを全て押し退けて、ある場所に向かって歩いて行く。


勿論『ある場所』とワザワザ公言したんだから、教室には向かう筈もなく。

そのある場所へ向かって行く訳だ。


そぅ、第二音楽室こそが、俺の言う『ある場所』だ。


『では、何故、この忙しい文化祭前日に、教室に向わないのか?』って言うとだな。


実はだな。

昨日の時点で、ウチのクラスに集中して職人が来てくれたもんだから、出し物である『メイド喫茶』の準備が、ほぼ全て整っており。

俺が行った所で、恐らくは邪魔になるだけで、殆どする事が無いからなんだよな。


って言うかな。

今、教室で行われてる事と言えばだな。

明日の文化祭本番の為に、女子達には徹底的に『メイド作法』と『ある事』の最終チェックをして貰ってる感じなんですわ。


故に俺はだな。

教室に行っても、必至に頑張ってる女子達の邪魔に成るだけなので、行かないって訳だ。

(昨日の真上さんの件があって、顔を出し難いのでは無いので……あしからず)


……ってな訳でだ。

此処は、敢えて、そんな慌ただしい状態の教室には行かず。

音楽室に行き、重点的にカジ&グチと優勝を目指す為に『バンドの最終調整』をするのが賢明だと思ったんだよな。


だから、イキナリ第二音楽室を目指してる訳だ。


勿論の事だがな。

この『バンド強化作戦』は、昨晩の間にカジ&グチに電話で通達しているので準備は周到だ。


和製クルーグマンっと言われる俺に、そんな間抜けな抜かりは無い。


***


 ちゅ~事でだ。

俺は、第二音楽室に到着と同時に、扉を開けて中に入って行く。



「おぃ~~~~っす。お疲れさ~~~ん。なんだか今日も、ダリィ1日の始まりだな」

「う~~わっ。入って来て、いきなり最低の挨拶だな。この人、全くヤル気無しだよ」


おっ!!グチの奴は、どうやらまだ来てない様だな。


俺の言葉に反応したカジしか居ねぇ。



「いやいや、心配しなくても、ヤル気は充実してるんだぞ。ただちょっと、普段より疲れてるだけだ」

「うん?『疲れる?』……そんなに疲れる様な事を、昨日なにかやったのか?」

「ぐっ!!」


……そうですな。

確かに『違う意味で疲れる事』を、タップリとやりますたなぁ。


けどなぁ、それについては、ある意味、大いに満足感は有ったんだがな。

どちらかと言えば、そのせいで、精神的に多大な罪悪感と、肉体的に疲労度が蓄積しておりますじゃ。


悲しいかな、これだけは間違いないッスな。



「オイオイ、クラッさん、解り易いな。なんだよ、なんだよ。昨晩は、彼女とご機嫌な夜でも過ごしたのかよ?」

「違ぇよ。前にも言ったがな。俺の彼女は多忙を極めてんだよ。俺なんぞに、そんなそんな構ってる暇はねぇの」

「ほぉ。じゃあ、他所の女か?」


殺すぞオマエ!!


あぁ、これも違う意味だがな。

『正解』だよ!!

まごう事無き『ピッタシ・カンカン』だよ。


コンチクショイが!!


……ってか、オマエなぁ。

天然で、そんなに人の嫌がる様な心理をズバズバ読んでたらなぁ。

仕舞には『仲居間ニュータイプ部隊』に配属すんぞ!!


あそこに配属されたら最後。

強化人間としてしか扱われず。

ニュータイプ専用機MSに乗せられて、生きては帰って来れない戦場に放り出されるんだぞ。


それでも良いってんなら、その人の心理を読む行動を続けろ。


但し、続けるなら『ラビアン・ローズ』か『アクシズ』で見事な戦死を演じて来い!!


宇宙の藻屑になれ。



「アホかテメェは?他所に女なんぞ居ねぇつぅの!!オマエ、俺を、一体なんだと思ってやがるんだ?」

「ただの女誑しじゃねぇのか?樫田先輩も、仲居間さんも、そうハッキリ言ってたぜ」


うん。

アイツ等さぁ、どっかの外宇宙で、早く野垂れ死んだら良いのにな。


なんで生きてるんだろうな?


俺にとっては、この上ない害悪に成り得てる存在だから、早くこの世から去れ!!


散れ!!失せろ!!2人揃って、宇宙の藻屑になれ!!



「信用するなつぅの!!アイツ等の言う事なんぞ『世界戯言辞典』に掲載されても、おかしくないぐらい馬鹿な事しか言わねぇ連中だぞ。そんな奴等の言葉を信じるなんて、オマエ、頭がどうかしてるのか?」

「いやいや、俺も、クラッさんが、そんな奴だとは信じたくはねぇんだがな。完全な証拠が有るんだから、信じるしかねぇだろ」

「なんだよ、その証拠って?」

「ネットだよネット。ネットの、とあるホームページに、そう言う証拠があるんだよ」


あぁ……あのワザと誰かを槍玉に挙げて、誹謗中傷をしまくる連中のホームページの事だな。


それだったら、俺なんかが、そう言う顰蹙を買ってもおかしくはないな。

『バンドマン』とか『不良』って『女誑しのイメージ』強いからな。


けどよぉカジ。

ダチなんだからよぉ、少しは俺の事も信用しろっての。

そんな出所もハッキリしてない怪しげな情報を、簡単に信じてんじゃねぇぞ。


父ちゃん、情けなくて涙出てくらぁ!!



「はぁ?また恒例のネットかよ。……っで、今度は、なにが有ったって言うんだよ?」

「いや、クラッさんのファンの子が作ったホームページがあんだろ。あそこにさぁ。海岸で数人の女の子に囲まれてるクラッさんの写真が掲載されてるじゃん。どう見ても、あれじゃあ『女誑し説』を信じるしかねぇだろうに」


にゃに?

その意見からして、理子さんが作ったホームページって、まだネット上で継続されてんのか?


俺はテッキリ、理子さん達が芸能活動を初めたから、封鎖されたもんだと思っていたぞ。


これは意外な落とし穴だったな。


……にしても理子さん、忙しいのに、まだやってくれてたのな。


ありがたや。



「待て待て待て待て。あれはだな。知り合いの『Fish-Queen』の面々が、遊びでやってる、俺をからかう為だけのサイトだ。信じちゃイケネェよ」

「けど、現に写真が残ってるじゃんかよ。しかもクラッさんが、海辺で思いっ切り『勃起』かましてる写真がさぁ。それを『信じるな』って言われてもなぁ」


確かにな。

そりゃあ、あの時は悪人面も晒したし、公然なのにも関わらず水着の下で勃起も晒したもんさ。


けどよぉ、あれは明らかに『Fish-Queen』の悪フザケって解る写真じゃんかよ。


そんな写真を信じて踊らされる方が、どうかしてるぞ。


それによぉ……



「じゃあなにか?オマエは、あの写真が全てだって言うのか?」

「まぁ、全てとまでは言わねぇけど、誑しの証拠ではあるな」

「あ~~~っそ。じゃあ、千尋が、俺のセフレと言う可能性があっても良いって言うんだな?オマエの理屈なら、自然とそうなるぞ」

「ぐっ!!……確かに、そう言われれば、そうだな。それは、かなり嫌だな」

「ほれ、みろ、言わんこっちゃねぇ。あの人達に、見事なまでに騙されてんじゃねぇかよ。大体なぁ、あんな写真を信じる人間の方が、どうかしてるんだぞ。真実は常に1つ……バンド仲間の俺を信じろ!!」


うん!!決まった!!


正に、エクセレントな解答だ!!



「胡散臭ッ!!クラッさんの話も、大概、胡散臭いな」

「なんでぇ?」

「だってよぉ。普通、自分から『信じろ』って奴の話は、一番信じられないのが鉄則だろ」

「おぉ……確かにそうだな。俺も、そんな奴は、絶対に信じねぇな」

「認めんのかよ!!」


ほぉ。

これはまた、山中バリに見事なタイミングのツッコミだな。


なので今のツッコミには100点中64点を与えようじゃあないか!!


但し、もっと高得点が欲しければ、これからも精進するんじゃぞ。


いや、まぁ、それはそれとしてだな。

これは確かに、オマエの言い分が正しいと思うぞ。


自分から全面的に『信じろ』じゃ、誰が聞いても信じねぇわな。


そらそうだ。



「まぁ、認めざるを得んな。……ただ、あれだぞ。俺が『他所で女なんか作らねぇ』ってのと『彼女に一途』だってのは併せて嘘じゃねぇぞ」

「まぁなぁ、以前からの話を聞いてると、それだけは、なんかホントっぽいよな」

「だろ」

「けどよぉ。そこまでクラッさんに言い切らせるって事は、クラッさんの彼女って、相当、良い女なんだな。どんな子なんだよ?」

「まぁよ。それに関しては、正に完璧だ。器量は良いし、料理も上手い。それに性格も良いんだから、非の打ち所がねぇな。……まぁちょっと、俺の身長と比べると、身長が小さ過ぎるがな」


こんな感じですよ。


奈緒さんは、まさにパーフェクト!!


ただ奈緒さん、偶にイラン事もするけどな。

それもまた俺達にとっては愛情表現の1つだし、コミュニケーションと言う物なのだよ、カジ君。


わかったかね?



「なぁ、クラッさん。それってさぁ、ひょっとして……」

「いや、敢えて、そこは聞くな。触れるな。興味を持つな。の3拍子が揃ってる。想像に任せるよ」

「なるほど、じゃあ、触れねぇ……つぅか、怖くて触れれねぇ」

「賢明だよ。まぁ一応、警告の為に言って置くがな。想像だけで変な噂を立てんなよ。もし立てたら、オマエと樫田の件を、全校生徒にバラすからな。……良いな、絶対だぞ」


お互いが『弱み』を握ってる状態だからよぉ。

カジも、おいそれとは、変な噂は立てられねぇとは思うんだがな。


これは、中々呈の良い保険だな。



「それって、脅しか?」

「いいや、脅しじゃねぇよ。これは、オマエを信用してるからこその『警告』だ」

「はいはい。んじゃあ、その警告とやらをキッチリ心に留めて置くよ」

「賢明だ」


―――倉津組・総合保険組合よりのお知らせ―――


当保険会社とのご契約ありがとうございました。

アナタが裏切らない限り、当保険会社は、一切アナタの弱みは公言いたしませんので、ご安心下さい。


この契約が、お互いにとって、より良い契約であった事を、心から望みます。


担当:倉津真琴。


うむ、なんと言う、満足の行く結果だ。


って言うかな。

好きな人の邪魔をしない事もまた、1つの叶えるべき夢だからな。


っと、その契約が成立した瞬間『ガラッ!!』っと扉が開き。

タイミング良く、遅刻したグチが、なにやら荷物を抱えて現れた。


なんだ、その荷物は?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


今回の『夢』の部分は。

本編でも言いました様に『好きな人の邪魔をしない事も、また叶えるべき自身の夢』って感じですかね(笑)


まぁ、なんとも解り難いお話だったとは思うのですが。

自身が好意を寄せる相手の邪魔をする様では、それはその相手に対して愛情がないと表現しているのも同然。


こう言う部分をお互い考えて尊重しあえるからこそ『愛情が育まれていく』っと言う物だと思いますです♪


さてさて、そんな中、ちょっと遅めには成りましたが。

イケメンコンビの片割れである『グチ君』が、なにやら箱を持って登場したようですが……この箱は一体何なのでしょうね?


そこはまた次回の講釈なのですが。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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