第8話スタートです(*'ω'*)ノ 頑張るぞぉ!!
008【不良さんの横浜事変】
奈緒さんとモスでライスバーガーを食いながら、自分のアホさ加減にウンザリしていた。
理由は簡単。
当初の目的であった『奈緒さんを誘うライブの件が、未だに言えていない事に気付いた』からだ。
彼女との楽しい2人の時間にカマケテ。
今の今まで、この一番しなきゃいけない重要な話が、頭の中からスッポリ抜け落ちていた。
この計画を実行する為だけに、ワザワザ学校を昼からサボってまで奈緒さんの学校の前で待ち伏せまでしてたクセに、この行為は余りにも間抜けにも程が有る。
故に俺はだな。
未だ、それが実行されていない現状に、自分でも呆れるを通り越してウンザリしている訳だ。
ホント、自分でも思うんだが、俺って、河豚の脳味噌以下の記憶力だな。
せめて、三歩歩いて物を忘れる鳥類程度の記憶力には、早くレベルアップしたいものだ。
そんな訳で、飯を喰ってる割には、味もヘッタクレも解らない。
……っとまぁ、時間も時間だし、自分の間抜けさもソコソコ反省した。
それにこのまま、ズッと日和ってる訳にもいかないので、意を決して、奈緒さんに用事を伝え始める事にした。
「あっ……」
けどな。
そうやって意を決して、話を丁度振ろうとした矢先。
まぁ、話をする為に奈緒さん本人を、直接見る訳なんだが……
彼女は、そんな時に限って、カップをテーブルに置き。
両肘を付いたまま、可愛らしくオレンジジュ-スをチューって飲む訳だあぁな。
これがまた……もぅ言わなくても解るよな。
死ぬ程、可愛い訳だ。
そんで、そんな奈緒さんに見蕩れた俺は、アホみたいにニヤニヤしながら呆ける。
『ハイ、この時点で終了!!』
ってな感じで、終了の音が鳴り。
俺の決意は終了するんだな……これが。
まぁ、そうやって奈緒さんの天然的妨害にあってだな、また何も言えないまま、アッサリ好機を無くす。
―――俺って、どこまで意志弱いんだよ!!
此処で、再びウンザリする。
んで、ウンザリした所で最初に戻る(↑)
さっきから、ズッと、これを繰り返してるって寸法だ。
因みにだが、彼女の一挙手一動足に目を奪われ、惑わされ続けているのは、もぉ言うまでもない事実だ。
しかも、それに惑わされているのは、奈緒さんの飲んでる姿だけとも、誰も言ってない。
奈緒さんに見蕩れてしまう仕草のバージョンは幾らでもある。
例えば…………
…………だろ。
…………だろ。
…………だろ。
…………だろ。
後…………だろ。
(↑もぉ俺自身、何を言ってるのか解らないが、奈緒さんについて何かを語ってる)
っとまぁ、そんな訳なので。
取り敢えず、時が来るのを待って、その時にでも、機会を見て話そうって寸法だ。
それまでは、奈緒さんを見ながら呆けるのが一番だって事だな。
……しかしまぁ、俺は、いつから、こんなダメ人間になってしまったんだ……
「んっ?なに?……どうかした?」
奈緒さんの顔をジッと見ていた俺に気付いたのか、声を掛けられた。
「奈緒さんに癒されてるんッス」
「もぉ、また、直ぐにそう言う事を言って、私をからかうでしょ」
「いやいや、からかってなんかないッスよ。マジもマジの大マジっすよ」
「ふ~~ん……ねぇクラ。ちょっと、気になる事があるんだけど」
「はぁ、なんッスか?」
「君、ひょっとしてさぁ……凄い女誑しなんじゃない?」
えっ?
えぇえぇえぇ~~~~!!
いやいやいやいや、その言葉の代名詞は、我が最高の悪友『仲居間崇秀』であって、決して、俺なんかが頂いて良い称号じゃありませんよ。
代名詞を差し置いて、そんな恐れ多い言葉は要りません。
にしても、この言葉……ホント、他人に言われるとヤナ言葉だな。
これからは、崇秀に使う時も、ほんのちょっとだけは気を使ってやろう。
マジ嫌だ。
「ちょ……なんで急に、そんな事を思ったんッスか?」
「んっ?なに?聞きたいの?」
「ッス」
ちょっと意地悪な目をしてるな。
これはまた、なんか思いついたみたいだな。
「いや、実はね。この間、学校で咲と話してたんだけどね」
「ふんふん」
「恥ずかしいセリフを、恥ずかしがらずに平然と言う男ってナルシストか、女誑しじゃないかって話をしたんだよね……っで、今のクラって、それに全部当て嵌まってるよ」
「ちょ!!おっ、俺、恥ずかしい事なんて、なにっも言ってないッスよ。現に俺の言ってる事だって、間違いなく、全部事実じゃないっスか事実!!」
「あぁ、そうなんだぁ。じゃあクラって天然なんだ」
「へっ!!ちょ、違ッ……」
「ふふ~~~ん……この軟派虫」
「えぇえぇえぇぇぇ~~~!!」
「あぁあぁ、もぉクラにはガッカリだよ……格好悪ッ」
キツイ。
これはマジでキツイぞ。
硬派に生きて来たつもりだったが、俺の今の言動は、どうやらそうじゃないらしい。
でも確かに、さっきの楽器屋でも奈緒さんには甘えた声を出したり、歯が浮く様な事も平気で言ってる様な気がする。
これじゃあまるで、馬鹿秀じゃねぇか……
ダメだダメだ。
マジで、このままじゃ、アイツみたいなダメ人間になっちまうぞ。
あぁそれと……今の話には関係ないが、奈緒さんって、人をからかう時『~虫』って言うのな。
また新発見だ!!
(↑これがダメだと気づいてない俺)
「ちょ……ちょっと待って下さいよ。俺、奈緒さん以外に、そんな歯の浮く様なセリフ、一度も言った事無いッスよ」
「ふ~ん……っで?」
「っで?って言われても」
「なにか言いたい事はないの?」
意地悪いな。
「だから……前にも言ったッスけど。奈緒さんは、俺にとって特別なんだって」
「うん。やっぱり、それ、良いね♪何回聞いても、クラの口から聞けば安心する」
「ちょ……」
マジ、なに言ってんッスか?
聞いてるコッチの方が、恥ずかしくなるじゃないですか。
って言うか、奈緒さんの方が恥ずかしい事を平気で言ってますよ。
でも、女の子が言えば『可愛い』の一言で済んじゃうんだよな。
ほんと、この人はズルイ人だ。
「結局、それを言わせたかっただけって事ッスか?」
「そうだよ」
「なんでまた、ワザワザこんな所で」
「こんな所だから聞きたかったんだけどな……ダメ……だった?」
100%俺をからかってるな。
ってか!!
なにが『……ダメ……だった?』だよ!!
そんなもん……良いに……決まってる。
どこだって奈緒さんが求めるなら、俺はその言葉を言いますよ。
それが例え『世界の中心』であっても、何処かの主人公みたいに全力で叫んで見せますよ。
……って、あぁ、まただよ。
また簡単に許した上に、彼女の望みを叶え様としてるよ。
どこまでダメなんだよ、俺は……マ・ジ・で、ダメだ、こりゃあ。
まぁ、こうなったら、後は、死ぬ気で落ちる所まで落ちれば良いか。
落ち続ければ、その内、地表に着くだろうし、落ちきれば楽になれる。
「全然……良いですよ。奈緒さんが不安で、それを求めるなら、俺は……その……どこでも、いつでも、どんな時でも安心……させます」
ハイ!!こんな悪臭塗れのクッサイ台詞を吐いた俺の株は、急速落下!!
但し、歯だけは浮いてドンドン急速上昇!!
そして、奈緒さんドン引き……ハイ、終わったぁ!!
笑えねぇ……
「ありがと。クラ、優しいね」
けど、予想に反して、言葉通り彼女はニッコリ笑った。
そんな彼女の口からは、小さな八重歯が少しだけ見えた。
あぁ、笑えねぇ……って、さっき言った奴、嘘の方向で。
ヤッパ、俺も笑えます。
奈緒さんのその笑顔を見れるなら、どんな道化でも演じてみせますよ。
っと、どこまでも奈緒さんの犬な俺。
けど今は、それで、取り敢えずは良しとしよう。
「あぁそうだ……」
こう言えば奈緒さんは、きっと『なに?』って聞き返す筈だ。
なら、この雰囲気だ。
此処で崇秀のライブへのお誘いも、簡単に出来るってもんだ。
「なぁなぁガキ。こんな所で、こんな美人なおねぇタマ相手にラブコメとは羨ましいねぇ。あんま見せ付けんなよ……楽しいオママゴトをよぉ」
そぅそぅ。
こうやって、ドスの利いた声で奈緒さんが『なぁなぁガキ……』って言って。
俺が、この後、その言葉に従って『殺すぞ』って言う……
これは、なかなか良い流れだな。
ってオイ!!それは、流石に違うだろ。
なんでそんな何処かの若手漫才みたいなベタなネタを、此処でせにゃならんのだ!!
アホか!!
(↑重度の後天性山中病感染者)
はぁ……それにしてもだ。
俺の馬鹿な1人乗り突っ込みは、何処かに置いておくとしてもだな。
人が幸せな時間に浸ってる時に限って、必ず漫画だと、そう言う輩を言う奴が現れるよな。
なんなんだよ、このクスリとも笑えないシュチュエーションは……
しかも今回は、絡んできた奴が、無駄に4人も居やがるよ……もぉ。
確かに俺の人生は、漫画みたいなもんだが。
此処まで、ベタな展開にしなくても良いんじゃねぇか?
まったくよぉ。
人が予定してる事と、全然違う方向性の事が起こってんじゃねぇよ。
つぅか、俺に絡んできてるみたいだけど、誰だよ、テメェ等?
言っておくがな。
俺が怒ったら、マジ怖ぇんだぞ。
乳首引っこ抜いて、プレステのXボタンにすんだぞ。
最後までお付き合いありがとうございました<(_ _)>
8話早々、奈緒さんには『女誑し』と、からかわれ。
その上、ベタに別の不良さん達にも絡まれてしまいましたね。
まさにベタな漫画の様な展開です(笑)
さて、そんな状況の中。
不良さんは、このピンチ(?)をどう切り抜けるのか?
そして別の不良さん達の乳首は『プレステのXボタン』に成ってしまうのか?(笑)
それはまた、次回の講釈です。
また明日も投稿するぞぉ~~~!!頑張るぞぉ!!(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!