最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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702 これは新手の苛めですか?

公開日時: 2023年1月9日(月) 00:21
更新日時: 2023年1月23日(月) 14:29
文字数:2,025

●前回のおさらい●


 ホランドさんに言った言葉が、丸々返って来て大ピンチな眞子。


この試練、乗り越えられるか?(笑)

「へぇ~~~っ、そうなんだ。じゃあ仲居間さんも纏めて、ライバルって事ですね」

「いや、そうじゃない。眞子は、仲居間さんに片想いしてるに過ぎ無い。だが、コチラを見て貰うには『仲居間さん越え』が条件だそうだ」

「へぇへぇ~~~っ、それは良いですね。そうでなくっちゃ面白くない。イースさんが仲居間さん越えを果たすのか?それとも鞍馬が、仲居間さんのハートを射止めるのが早いのか?はたまた僕が、仲居間さんを超えるのが早いのか?これは良い勝負が出来そうだ」


あの……本気なんですか?


いや、それ以前に、その対象に成ってる私を、よく見て下さいよ。

そりゃあ見た目はソコソコ良いとは思いますが『中身は半腐れ』ですよ。

しかもトドメに、取り扱い注意の危険人物ですよ。


自分で言うのもなんですが、是非ヤメタ方が、お薦めなんですが……


こんな危険な物体、危険処理のエキスパートである奈緒さんか、崇秀にしか処理出来ませんから。



「ふ~~~ん。熱いねぇ。でも、此処にもぉ1人、良い女が居るんだけどなぁ。……見えないのかな?」

「よく言うよ。ミナは、僕をふった上に、もう結婚してるじゃないか。それを今更注目しろだなんて、ちょっと酷なんじゃないのぉ」

「まぁね。それを言われると、結構キツイわね」

「まぁまぁ、終わった恋は、いつまでも綺麗な思い出にしておくもんさ」

「ふふっ、上手い事言う」

「散々、ミナに鍛えられたからね」


あぁ……ミナさんって結婚してるんだ。


でも、これだけの器量や才能が有るんだから、相当、良い男性に巡り会ってるんだろうな。


ミナさん、やるぅ~~!!



「さて。こんな事を、いつまでも喋っていても仕方が無い。そろそろリハをしたいんだが、どうだね?」

「ですね。イースさんには、僕の実力を見せ付けてあげますよ」

「楽しみにしている。それが眞子の為になるんだからな。寧ろ、手抜きは許さない」

「ひゅ~♪良い感じ。そうこなくっちゃね!!」


うわっ!!エディさんって、意外と軽い感じなんだ。


なんか、本当に子供っぽい。


でもでも、こう言うタイプの人って『母性本能』ってのを擽るんだろうね。


……って事なんで、エディさんは、エロに決定しました。


おめでとう♪



「ふふっ、お2人さん。あんまり、リハから飛ばし過ぎない様にね。……どこかの誰かさんみたいに、ライブ中に倒れるよ」


ご迷惑お掛けしました。


……って言いたい所だけど。

意外と意地の悪い事を、平然と言うんですね。


良いじゃないですか……ちょっとぐらい、倒れたって……これでも必至なんだから!!



「その心配には及ばない。眞子が見ている以上、私は全力をキープ出来るからな」

「まぁ、それが順当な回答だね。ホント、楽しくなりそうなバンドだ」

「ふふっ、じゃあ、早速リハ行ってみますか。……鞍馬行くよ」

「あっ、あぁ、はい」


なんか有耶無耶にされた。


まぁ良いか。


***


 ……この恐ろしい様なバンドのリハが始まって一時間。


楽器音響の調整には、スタッフとの意見が中々合わず。

音に異常なまでの拘りがある約二名は、凄く時間が掛かったんだけど。

全員が音を出した瞬間から30分余り、此処に居る全ての人間が、時間が凍った様にその場に足を止め。

誰もが、ステージから目を離せないぐらい、彼等の演奏に釘付けになっていた。


それもその筈、ホランドさん、エディさん、ミナさん。

この3人から奏でられる音楽は、普通のバンドじゃ、絶対に表現出来ない様な強烈な演奏をしているんだから、それがそうなっても、なにもおかしくは無い。


早い話、この人達の出す音は尋常じゃない。

それがスピーカーから流れ続けているのだから、誰も彼もが目の離し様が無いってもんですよ。


その具体的な例として挙げるとするならね。

ホランドさんは、以前マイアミで出した音の、数倍出来の良い優しい音を奏で。

エディさんは、その見た目からは想像も付かない様なワイルドな音を出し。

ミナさんはミナさんで、会場全体に響き渡る様な大声量かつ、とても繊細で綺麗な声で他を圧倒する。


一見、なんの協調性の無い音に聞こえるかも知れないけど、そこは楽器や歌唱のエキスパート。

それらのバラバラの音でさえ全ての音が同調し合って、奏でられる音楽自体が綺麗に纏まってる。


でも……その全てが理解の域を超え過ぎており、何故そうなるのかは、リハの最後まで私には理解出来なかった。


ただ、そんな中でも唯一解った事が有るとすれば。

これ等の『優しい』『ワイルド』『綺麗な声』が上手くコンボとして成立し、まるで『大自然の海』を現す様な音になっていた事だけは間違いないと思う。


兎に角、この音は『大自然を彩る様な凄い音だった』の1言に尽きる。


でも、私は、いつも通りの演奏をしてるだけなので……このお3人さんに比べると、ただの雑魚でしかない。


……って事は、ヤッパリ、これはアメリカ流の新人虐めなんじゃないの、これ!!

だって、どう考えたって、既に、私が居る事自体が『場違い』の域なんだもん。


やっぱ、新人苛めだよ(´Д⊂グスン


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


矢張り熟練者が集まると、自然と壮大な音に成ってしまう物ですね。

しかも、ホランドさん、エディさん、ミナさんと言ったGUILDでも屈指の奏者ともなると、それは桁違い。


眞子が、これを苛めと称する気持ちも解らなくないですね(笑)


さてさて、そんな中。

次回は、そんな眞子の心境に気付いてか、この3人から『ちょっとしたアドバイス』みたいなものが飛び出しますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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