●前回のおさらい●
自身がやった苛め以上の恐怖を体感させられた青山さん達一行。
だが真上さんの登場により、その報復措置は止められたものの、倉津君に対する恐怖は消えない。
それを感じた真上さんは、トンデモナイ提案を口にする。
『お互いに誤解がある様ですから、一度、このメンバーで遊びに行きませんか?』っと。
さて、この発言に対して、青山さん達の反応は!!
「いえ、あのですね。皆さん、なにか、お互いに誤解がある様なんで『その蟠りを取り除きたいな』って思いまして……お嫌でしょうか?」
出たよ……この人、この期に及んでも他人の心配をしだしたよ。
自分の体がボロボロの状態なのに、よくもまぁ、そんな事を思い付くもんだ。
ホント、どういう神経をしてんだよ?
マジで神の化身とかなんじゃねぇの?
けどなぁ、幾ら、神の化身のお告げとは言え、流石に、この話は無茶だろ。
例え俺が、この件を了承してもだな。
こんな酷い事をされた後の青山さん達一行が、このお告げを簡単に了承するとは思えない。
度台、無理じゃね?
「いや……俺は、全然OKなんッスけど。青山さん達が嫌っしょ」
「そうでしょうか?」
「あっ……あの、倉津さん」
「あぁっと、なんだよ?」
「私なら……別に良いよ」
「へっ?」
えっ?
なんで?
「「ちょ、ちょっと千秋、正気なの?相手はヤクザだよ」」
「うん。勿論、正気。……私ね、ヤクザ云々より、倉津さんの行動で、ちょっと感動しちゃったんだよね」
「はぁ?なにが?あんな怖い目に遭って、なんの感動があるん?」
「そりゃあね。怖い目に遭ったのは嫌な経験だけど。これって、結局の所、自業自得な訳でしょ。それを倉津さんが、自分を悪人に仕立ててまで、私達に色々教えてくれたんだから、これは、お礼をしなきゃいけない事だと思うのね。だから、一緒に遊びに行っても良いかなって思ったの。……って言うか。廊下で逢った時点で、遊びに行く約束してたし……」
「いやいやいやいや、眼の前で、おしっこ漏らさせられたのに?そんな発想?」
「うっ?えっ?それは言わないで……それとも、それもワザとなの?」
「あぁっと悪ぃ。そう言う意味じゃないんだぞ。心配しなくても、俺はそっちの気は無いからな。変なマニアじゃねぇぞ」
いやいや、冷静に見て、これって必死に言い訳してるみたいにしか聞こえねぇよな。
って事はだな、俺、青山さん達から見たら、ただの変態じゃん。
『ヤクザ』で『スカトロマニア』って、嫌過ぎるコンボの成立だな……
「あぁっと、そんな事よりですね。青山さん達に着替えをして頂くのが先決でしたね。急に変な事言って、ごめんなさい」
うわっ……なんかこれって、聞き様によっちゃあ、真上さんにまで、そんな風に見られてるって事だよな?
哀しいです……
「ごめん、真上……悪いんだけど。着替えるのも、此処に居るのも、私は、もぉ御免。こんな目に遭ったのに、一緒に遊びに行くなんて有り得ないし」
「なんで?」
「千秋、私もごめん……無理」
「えっ?ちょっと待って下さい。倉津さん、悪い人じゃないんですよ」
「そうなんだろうけどさぁ。ヤッパリ、倉津さんってヤクザなんでしょ。私、そう言う人と、あんまり関係持ちたくないし」
「だよね。……私もそう言うのは、ちょっと無理。関わりたくない」
まぁ、彼女達の言い分は、間違いなく正しいよな。
一般人なら、ヤクザなんかと関わり合いなんて、普通は持ちたくないからな。
今まで仲良くしてくれてる友達が、そう言うの気にしなさ過ぎてたから、此処では少なからずダメージを受けたな。
つってもだ。
所詮は、その程度の小さなダメージ。
実際の処は、こう言う場面にも、結構、慣れっこな面が多いからな。
やっぱ、ちょっと痛ぇが。
「いや、わかる、わかる。アンタ等の意見は正しいよ。ヤクザなんかと関わって良い事なんてなにも無いもんな」
「ごめんね、倉津さん。倉津さん個人は嫌いじゃないんだけど……私、行くね」
「あぁ、じゃあ私も」
「おぉ、じゃあな。もぅ悪さすんなよ」
謝りながらも、急いで、この場を逃げる様に去って行った。
これも至って、普通の反応だよな。
けど、こうなると、みんなが残ると踏んでいた青山さんが可哀想だよな。
少しフォローしてやるか。
「あぁっと、青山さんも無理しなくて良いんだぞ」
「私、無理なんかしてない。倉津さんの事、本気で感動したから、あぁ言ったの。……これだけは勘違いじゃない」
「いやいや、つってもさぁ。ヤクザの知り合いとか居たら、世間体が悪いぞ。辞めとけって」
「嫌だ。そんな事を言っても、絶対行かない。ヤクザだって、スカトロマニアだって良い人は居る筈だもん」
「うぉ~~~い、ちょっと待て!!ヤクザなのは半分は認めても良いが、俺はスカトロマニアじゃねぇぞ!!そこだけは勘違いしてくれるな!!」
いやぁあぁぁ~~~!!
この年で、その称号だけは、絶対に嫌だあぁぁ~~~!!
……あぁけど、俺、奈緒さんのトイレ覗いて、芳香剤を顔面に投げつけられた事があるな……
ダメだな俺……
「ほら、やっぱりそうだ」
「だ~か~ら~、スカトロマニアじゃねぇっての……もぉ勘弁してくれよ」
「ふふっ、そうじゃなくてさ。普通さぁ、そんな事を言われたら、滅茶苦茶怒るもんだよ。けど、倉津さん、怒りもしないじゃない。そんな人が悪い人な訳ないよ」
「いや、そうじゃなくてよぉ。ムキになって怒ったら、余計そう聞こえねぇか?」
「あぁ……かも。でも、怒らなかったら、怒らなかったで、そうかと思っちゃうかもよ」
おしっこ漏らして、パンツがビチャビチャのクセに、酷い事を言うんじゃありませんよ。
まだオィちゃんは、そう言うのじゃないの!!
現にな。
奈緒さんのトイレ覗いた時『勃起』しなかったもんよ。
大丈夫だからな。
「思うな」
「ふふっ、だよね。心配しなくても、マニアだなんて微塵も思ってないよ」
そう言って青山さんは、可愛らしく微笑むんだけどな。
あっ!!ほらほら、見ろ見ろ。
青山さんって、こんなに良い笑顔で笑えるんじゃん!!
ほらな、ほらな、俺の予想通り、ヤッパリ、根は良い子じゃんかよ。
こう言う柔らかい表情を見るとだな。
虐めをしてる悪いイメージだけで、嫌な解決方法を行使しなくて、本当に良かったと心から思える。
(↑大概だけどな)
いやいや、良い子だ良い子。
「あの、青山さん。そろそろ下着を履き替えませんか?おなかを冷やすと、風邪引いちゃいますよ」
「くすっ、ホントだね。真上、貸してくれる?」
「あっ、はい、良いですよ。倉津さんに買って来て頂いた新品の物が有りますので、そちらをお使い下さい」
「ありがと真上」
「あっ、はい」
あぁ……此処の蟠りは、完全に無くなったな。
いや、寧ろ、元来、真上さんと青山さんて、こんな感じだったんじゃないか?
って事はだな。
つまり、この一見は、心変わりをした岡田が全部悪いって事だよな。
アイツは、男だから容赦なく死刑だな。
うん、決定。
「じゃあ、病室の方へどうぞ」
「ありがとう。……それとさぁ、今更なんだけど、もぅ一回言うね。本当に、ごめんね真上」
「うぅん。元より、なにも無かったんですよ。謝らなくて良いんですよ、青山さん」
「あのさぁ、真上」
「あっ、はい、なんですか?」
「本当に、私の事を許してくれるんだったら……千秋で良いよ。青山さんなんて言われたら、堅苦しいだけだもん」
「あっ、はい、じゃあ、千秋さん」
「えっ?あっ、あっ、そっか。そうきちゃうか。ははっ……ヤッパリ、真上って、天然なんだ」
「えっ?私、天然なんですか?」
はい、真上さんは、迷う事無き天然ですよ。
みんな知ってますよ。
けど、そこが誤解されるから、困りもんなんだよな、この人は。
ってな訳でだ。
虐めの話が一段落した所で青山さんは、真上さんにパンツと着替えを借りるべく、病室に入って行く訳なんだがな。
……これってさぁ、なんかエロくね?
いやいや……先に言って置くが、変な意味じゃねぇんだぞ。
ほらほら、あの声フェチのにぃちゃんが居ただろ。
アイツだったら『この状況を、物凄くエロく感じるのかな?』って思ったからこそ、疑問形で聞いただけなんだぞ。
他意は無いからな。
(↑人のせいにする俺)
それはそうと、青山さんのパンツって、どうするんだろうな?
もしゴミ箱に捨てるなら、なんか、途轍もなく勿体無い気もするな。
(↑矢張りクズで、マニア)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
青山さんは『自身を悪人にしてまで、自分を救ってくれようとした倉津君の行動』の意味に気付き、その場に残る事を決断。
他の2人も、青山さんの言葉で、その事に気付きはしたものの、矢張りヤクザの息子と言う壁は厚く、この場を去って行きましたね。
でも、倉津君の言葉じゃないですが『これは当然の事』なのかもしれません。
一般人が、ヤクザな人間と関係を持つ事は、それ程までに難しい事ですからね。
ですが、こんな状況であっても倉津君の意志だけは伝わった。
それだけでも今回の倉津君は満足なのかもしれませんね(笑)
さてさて、そんな中。
青山さんのパンツの行方の謎と共に、時間は過ぎていく訳ですが。
この後も、この問題が終わった訳ではありませんので、次回も引き続き、倉津君には、この問題に取り組んで行って貰いたいと思いますので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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