最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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478 それぞれの心境の変化

公開日時: 2022年5月30日(月) 00:21
更新日時: 2023年1月5日(木) 14:25
文字数:3,188

●前回のおさらい●


 自身がやった苛め以上の恐怖を体感させられた青山さん達一行。

だが真上さんの登場により、その報復措置は止められたものの、倉津君に対する恐怖は消えない。


それを感じた真上さんは、トンデモナイ提案を口にする。

『お互いに誤解がある様ですから、一度、このメンバーで遊びに行きませんか?』っと。


さて、この発言に対して、青山さん達の反応は!!

「いえ、あのですね。皆さん、なにか、お互いに誤解がある様なんで『その蟠りを取り除きたいな』って思いまして……お嫌でしょうか?」


出たよ……この人、この期に及んでも他人の心配をしだしたよ。

自分の体がボロボロの状態なのに、よくもまぁ、そんな事を思い付くもんだ。


ホント、どういう神経をしてんだよ?

マジで神の化身とかなんじゃねぇの?


けどなぁ、幾ら、神の化身のお告げとは言え、流石に、この話は無茶だろ。

例え俺が、この件を了承してもだな。

こんな酷い事をされた後の青山さん達一行が、このお告げを簡単に了承するとは思えない。


度台、無理じゃね?



「いや……俺は、全然OKなんッスけど。青山さん達が嫌っしょ」

「そうでしょうか?」

「あっ……あの、倉津さん」

「あぁっと、なんだよ?」

「私なら……別に良いよ」

「へっ?」


えっ?


なんで?



「「ちょ、ちょっと千秋、正気なの?相手はヤクザだよ」」

「うん。勿論、正気。……私ね、ヤクザ云々より、倉津さんの行動で、ちょっと感動しちゃったんだよね」

「はぁ?なにが?あんな怖い目に遭って、なんの感動があるん?」

「そりゃあね。怖い目に遭ったのは嫌な経験だけど。これって、結局の所、自業自得な訳でしょ。それを倉津さんが、自分を悪人に仕立ててまで、私達に色々教えてくれたんだから、これは、お礼をしなきゃいけない事だと思うのね。だから、一緒に遊びに行っても良いかなって思ったの。……って言うか。廊下で逢った時点で、遊びに行く約束してたし……」

「いやいやいやいや、眼の前で、おしっこ漏らさせられたのに?そんな発想?」

「うっ?えっ?それは言わないで……それとも、それもワザとなの?」

「あぁっと悪ぃ。そう言う意味じゃないんだぞ。心配しなくても、俺はそっちの気は無いからな。変なマニアじゃねぇぞ」


いやいや、冷静に見て、これって必死に言い訳してるみたいにしか聞こえねぇよな。


って事はだな、俺、青山さん達から見たら、ただの変態じゃん。


『ヤクザ』で『スカトロマニア』って、嫌過ぎるコンボの成立だな……



「あぁっと、そんな事よりですね。青山さん達に着替えをして頂くのが先決でしたね。急に変な事言って、ごめんなさい」


うわっ……なんかこれって、聞き様によっちゃあ、真上さんにまで、そんな風に見られてるって事だよな?


哀しいです……



「ごめん、真上……悪いんだけど。着替えるのも、此処に居るのも、私は、もぉ御免。こんな目に遭ったのに、一緒に遊びに行くなんて有り得ないし」

「なんで?」

「千秋、私もごめん……無理」

「えっ?ちょっと待って下さい。倉津さん、悪い人じゃないんですよ」

「そうなんだろうけどさぁ。ヤッパリ、倉津さんってヤクザなんでしょ。私、そう言う人と、あんまり関係持ちたくないし」

「だよね。……私もそう言うのは、ちょっと無理。関わりたくない」


まぁ、彼女達の言い分は、間違いなく正しいよな。

一般人なら、ヤクザなんかと関わり合いなんて、普通は持ちたくないからな。

今まで仲良くしてくれてる友達が、そう言うの気にしなさ過ぎてたから、此処では少なからずダメージを受けたな。


つってもだ。

所詮は、その程度の小さなダメージ。

実際の処は、こう言う場面にも、結構、慣れっこな面が多いからな。


やっぱ、ちょっと痛ぇが。



「いや、わかる、わかる。アンタ等の意見は正しいよ。ヤクザなんかと関わって良い事なんてなにも無いもんな」

「ごめんね、倉津さん。倉津さん個人は嫌いじゃないんだけど……私、行くね」

「あぁ、じゃあ私も」

「おぉ、じゃあな。もぅ悪さすんなよ」


謝りながらも、急いで、この場を逃げる様に去って行った。


これも至って、普通の反応だよな。


けど、こうなると、みんなが残ると踏んでいた青山さんが可哀想だよな。

少しフォローしてやるか。



「あぁっと、青山さんも無理しなくて良いんだぞ」

「私、無理なんかしてない。倉津さんの事、本気で感動したから、あぁ言ったの。……これだけは勘違いじゃない」

「いやいや、つってもさぁ。ヤクザの知り合いとか居たら、世間体が悪いぞ。辞めとけって」

「嫌だ。そんな事を言っても、絶対行かない。ヤクザだって、スカトロマニアだって良い人は居る筈だもん」

「うぉ~~~い、ちょっと待て!!ヤクザなのは半分は認めても良いが、俺はスカトロマニアじゃねぇぞ!!そこだけは勘違いしてくれるな!!」


いやぁあぁぁ~~~!!

この年で、その称号だけは、絶対に嫌だあぁぁ~~~!!


……あぁけど、俺、奈緒さんのトイレ覗いて、芳香剤を顔面に投げつけられた事があるな……


ダメだな俺……



「ほら、やっぱりそうだ」

「だ~か~ら~、スカトロマニアじゃねぇっての……もぉ勘弁してくれよ」

「ふふっ、そうじゃなくてさ。普通さぁ、そんな事を言われたら、滅茶苦茶怒るもんだよ。けど、倉津さん、怒りもしないじゃない。そんな人が悪い人な訳ないよ」

「いや、そうじゃなくてよぉ。ムキになって怒ったら、余計そう聞こえねぇか?」

「あぁ……かも。でも、怒らなかったら、怒らなかったで、そうかと思っちゃうかもよ」


おしっこ漏らして、パンツがビチャビチャのクセに、酷い事を言うんじゃありませんよ。


まだオィちゃんは、そう言うのじゃないの!!


現にな。

奈緒さんのトイレ覗いた時『勃起』しなかったもんよ。


大丈夫だからな。



「思うな」

「ふふっ、だよね。心配しなくても、マニアだなんて微塵も思ってないよ」


そう言って青山さんは、可愛らしく微笑むんだけどな。


あっ!!ほらほら、見ろ見ろ。

青山さんって、こんなに良い笑顔で笑えるんじゃん!!


ほらな、ほらな、俺の予想通り、ヤッパリ、根は良い子じゃんかよ。


こう言う柔らかい表情を見るとだな。

虐めをしてる悪いイメージだけで、嫌な解決方法を行使しなくて、本当に良かったと心から思える。

(↑大概だけどな)


いやいや、良い子だ良い子。



「あの、青山さん。そろそろ下着を履き替えませんか?おなかを冷やすと、風邪引いちゃいますよ」

「くすっ、ホントだね。真上、貸してくれる?」

「あっ、はい、良いですよ。倉津さんに買って来て頂いた新品の物が有りますので、そちらをお使い下さい」

「ありがと真上」

「あっ、はい」


あぁ……此処の蟠りは、完全に無くなったな。

いや、寧ろ、元来、真上さんと青山さんて、こんな感じだったんじゃないか?


って事はだな。

つまり、この一見は、心変わりをした岡田が全部悪いって事だよな。


アイツは、男だから容赦なく死刑だな。


うん、決定。



「じゃあ、病室の方へどうぞ」

「ありがとう。……それとさぁ、今更なんだけど、もぅ一回言うね。本当に、ごめんね真上」

「うぅん。元より、なにも無かったんですよ。謝らなくて良いんですよ、青山さん」

「あのさぁ、真上」

「あっ、はい、なんですか?」

「本当に、私の事を許してくれるんだったら……千秋で良いよ。青山さんなんて言われたら、堅苦しいだけだもん」

「あっ、はい、じゃあ、千秋さん」

「えっ?あっ、あっ、そっか。そうきちゃうか。ははっ……ヤッパリ、真上って、天然なんだ」

「えっ?私、天然なんですか?」


はい、真上さんは、迷う事無き天然ですよ。


みんな知ってますよ。


けど、そこが誤解されるから、困りもんなんだよな、この人は。


ってな訳でだ。

虐めの話が一段落した所で青山さんは、真上さんにパンツと着替えを借りるべく、病室に入って行く訳なんだがな。


……これってさぁ、なんかエロくね?


いやいや……先に言って置くが、変な意味じゃねぇんだぞ。

ほらほら、あの声フェチのにぃちゃんが居ただろ。

アイツだったら『この状況を、物凄くエロく感じるのかな?』って思ったからこそ、疑問形で聞いただけなんだぞ。


他意は無いからな。

(↑人のせいにする俺)


それはそうと、青山さんのパンツって、どうするんだろうな?


もしゴミ箱に捨てるなら、なんか、途轍もなく勿体無い気もするな。

(↑矢張りクズで、マニア)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


青山さんは『自身を悪人にしてまで、自分を救ってくれようとした倉津君の行動』の意味に気付き、その場に残る事を決断。

他の2人も、青山さんの言葉で、その事に気付きはしたものの、矢張りヤクザの息子と言う壁は厚く、この場を去って行きましたね。


でも、倉津君の言葉じゃないですが『これは当然の事』なのかもしれません。

一般人が、ヤクザな人間と関係を持つ事は、それ程までに難しい事ですからね。


ですが、こんな状況であっても倉津君の意志だけは伝わった。


それだけでも今回の倉津君は満足なのかもしれませんね(笑)


さてさて、そんな中。

青山さんのパンツの行方の謎と共に、時間は過ぎていく訳ですが。

この後も、この問題が終わった訳ではありませんので、次回も引き続き、倉津君には、この問題に取り組んで行って貰いたいと思いますので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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