●前回のおさらい●

　箪笥から出てくる商品が、あまりにも全部、若い子向けのものだったので。

これはお婆さんの所持品ではなく、孫娘の所持品ではないかと考え始めた倉津君。

それを確かめるべく、最後の５段目に手を掛けたのだが……

『ガラッ!!』

「おりゃあ!!……って、あれ？なんもねぇな」

決死の覚悟かつ、目一杯の気合を入れて、一気に箪笥の引き出しを開けた!!

……って言うのに。

特にこれと言ったものが、なにも見当たらなかった。

えぇ……此処で、なんも無しって、アンタ。

……なんて一瞬思ったんだが。

此処まで来て、流石にそれはないだろうと判断した俺は。

現状を受け入れられなくて、５段目の引き出しの奥の方を覗いてみた。

するとな。

「うん？なんじゃありゃあ？」

引き出しの一番奥の方に、なにか小さな物を発見する。

なので取り敢えずは、取り出してみたら……

「……これ、鍵だな？しかしまぁ、なんの鍵だ、これ？」

出て来た物と言えば、ファンシーな子瓶に入った『小さな鍵』が一個出て来ただけ。

なんと言う拍子抜けで、お粗末な結末。

どうせクダラナイ物が出て来るなら。

そりゃあもぉ眼を覆いたくなる様なトンデモナイ物が出て来れた方が、これなら幾分もマッシってもんだぞ。

それが小瓶と、鍵一個だけって……結局は、飛んだ期待外れのスカタンじゃねぇかよ!!

・・・・・・

いやいや、でも、ちょっと待てよ。

こんな風に『鍵』が在るって事は、これで開けられる物が此処には存在するって事だよな。

これって考え様に拠っちゃあ、漸く、本物の『お宝探し』ッポク成って来たって事なんじゃねぇの？

しかもな。

この鍵……どこかで見た様な気がするんだよなぁ。

これ、確か、俺も、似た様な鍵を持ってる様な気がするんだが……なんだっけなぁ？

・・・・・・

……( ﾟдﾟ)ﾊｯ!

これって、ひょっとしてアレじゃね？

弦楽器のハードケースに付いてる鍵じゃねぇのか!!

……って事はなにか？

この鍵の持ち主が、これら全ての持ち主って事に成るって可能性が飛躍的に高くなるって事だよな？

この鍵に合うギターか、ベースのケースさえ見つかれば。

これ等の全ての持ち物の謎が、あの姉ちゃんの私物だと断定出来て、一気に謎が解き明かされるって事なんじゃねぇの!!

流石にババァは、ソリッドギターで演奏なんかしない筈だもんな。

そしてもし、この鍵が忘れ物を預かってるだけじゃなきゃ、楽器は、必ず、この家の何所かに存在する筈。

なら、それ＝これら全ての物が、あの姉ちゃんの物だと確定しても問題ねぇ。

ヤルゥ俺!!

(↑だからと言っても、レコード以外は全部捨てるけどな……姉ちゃんブスだったし)

・・・・・・

……な～～～んてな。

そんなもんが、今更、この家の中に有る訳ねぇじゃん。

もし、そんなものが有ったとしてもだな。

遠の昔に、誰かに発見されて持ち去られてるつぅの。

大体にして、今まで、この家を家捜しして、この箪笥以外の物がなにも無かったんだから、楽器なんぞが有る訳がない。

期待して損した。

( ﾟдﾟ)ﾊｯ!

……いやいや、でも、ちょっと待てよ。

これだけ露骨に置いてあって、誰も、この品物に手を出さなかったって事は。

俺同様、ババァの物か、孫娘の物か断定出来なかったからこそ、この場に放置されてる可能性もあるよな。

だってよぉ。

もし仮に、これ等の物が孫娘の物だと断定出来れば。

ウチの馬鹿エロ組員共は、姉ちゃんがブスだと言う事は知らない筈だから、こんな綺麗な状態で残ってる筈がないもんな。

あの、お下劣な連中なら、必ずパンツの１つもパクって行く筈だからな。

……なら、楽器が残ってる可能性もあるんじゃないか？

そして、もし在るとすれば、この鍵に合う楽器のケースは、何所にあるんだ？

当時の若い子が考えそうな、身近な隠し場所って、一体、何所なんだ？

・・・・・・

この状況から考えたら……屋根裏か？

そうだ!!

この箪笥以外なにもない状況から考えうる可能性があるとすれば、屋根裏なんじゃねぇか!!

一見、部屋を見渡しただけでは見えない部分だからこそ、物を隠すには一番最適な場所。

だったら、その可能性も飛躍的に高いんじゃねぇの？

いや、でも、冷静に考えたら違うな。

それは余りにも、安易過ぎる発想かもしれん。

例え、そんな所に隠したとしても、この家に購入した際。

一度は業者が入ってる筈だから、一瞬にして見付かっちまう可能性が高いもんな。

けど、この部屋に残されて居る物と言えば。

さっきも言ったが、箪笥が一個残されてるだけで、他にはなにも見当たらない。

なら此処で、考えうる可能性としては。

業者も一度は親父に報告はしたが、特に楽器なんかに興味のない親父は、それを無視して、完全に忘れてた。

なんと言っても、この家自体が税金対策に買った様な物件だからな。

あの糞親父なら、それ以外には興味を示さない筈だ。

もし仮にそうだったとしたら。

お宝は、身近に置いて置ける場所を前提にしなきゃイケネェから。

ヤッパリ、この『屋根裏』と言う選択肢か、無理に考えて『箪笥の裏』って選択肢しかなくなってしまう。

でも『箪笥の裏』つぅっても、此処は、どこまで行ってもババァの家。

持ち主でもない、あの姉ちゃんが、勝手に家の壁に穴を開ける、なんて言う暴挙に出る筈もないよなぁ。

……っとなるとだな。

そんな風に選択肢がない以上、矢張り、自然と屋根裏の線が濃くなってしまうか。

しかも、孫娘だった場合。

不良臭い姉ちゃんだったとは言え、若い女の子には違いないから、なにかにつけて汚れる事は極端に嫌う筈。

だったら、屋根裏とは言え、直ぐに手の届く、近場に有る可能性が飛躍的に高いよな。

まぁまぁ、此処まで来たら１人で推理してても始まらねぇ。

論より証拠、押入れから屋根裏を覗いて見るのが一番だな。

どうせ、もぉ服もドロドロに成ってる事だしよ。

汚れ序だ序。

(↑宝探しに夢中な俺)

……でもよぉ。

もし仮に、屋根裏に楽器があったとしても、なんで、そこまでして隠す必要が有るんだろうな？

なにか、そこには理由でもあるのかの？

そこだけは、未だに謎のままだな。

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>

パンドラの箱同様、最初は悪夢の様な代物ばかり出てきましたが。

どうやら最後の最後に、なにやら「希望の光」に成る様な品物が出て来たみたいですね♪

まぁ、どこまで行っても、そんなものがあればの話ですが(笑)

さてさて、そんな感じなので。

この謎の箪笥の正体についても、いよいよクライマックス!!

果たして倉津君は、屋根裏で何かを発見する事が出来るのか？

次回は、そこら辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ～～～(੭ु´･ω･`)੭ु⁾⁾