最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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161 不良さん、追試の途中経過

公開日時: 2021年7月17日(土) 00:21
更新日時: 2022年11月28日(月) 16:28
文字数:2,903

●前回までのあらすじ●


 学校に到着した俺達アホ2人組み。


さてさて、追試の開始の時は来た!!

 そこに運命のチャイムが鳴り、1人の先公が入ってきた。



「(´Д`)ハァ…」


それを見た瞬間、俺はイキナリのテンションダウンと共に、深い溜息をついた。


勿論、溜息の理由は言うまでもない。

この追試の担当が、あのピィピィ直ぐに泣く島田千夜、その人だったからだ。


しかしまぁ、学校側も、もぉ少し人選を考慮してみたら、どうなんだろうな?

コイツなんかが追試の担当なんてしたら、この不良の溜まり場みたいな場所を制御出来無い事ぐらい、普通に考えても解りそうなもんなのにな。


……救いの無いアホなのか?


案の定、A組のゼンが、楽しそうに、雛鳥をからかい始める。



「よぅよぅ、千夜ちゃん。昨日、頼んだ事やって来てくれた?」

「昨日?」

「惚けんなよ。今回のテストを、俺等の用に、ちゃんと『小学生の問題に変えてくれたか?』って聞いてんだよ。アンタが、そこを、ちゃんとしてくれねぇと、俺等、100%50点なんて高得点は取れねぇぞ」

「テッ、テストは、この間の範囲と同じだから大丈夫。頑張れば、善井君も50点ぐらいなら取れるよ」

「んなもん、どうやっても取れねぇつぅ~の。一体、どうやって取れって言うんだよ?なぁみんなぁ、そうだろ?そうだよなぁ?」

「「「ブゥ~ブゥ~、ふざけんなよ千夜ちゃん!!俺等、どうやっても、そんな点取れねぇぞ」」」

「私に、そんな事を言われても……」


……ハァ、もぉ面倒臭ぇな。

不良共に一斉に文句を言われた雛鳥は、早くもピィピィ泣き出しそうだ。


でもまぁ確かに、コイツ等の言い分も解らんでもないんだが。

ゴチャゴチャ言っても、やんなきゃいけねぇのは、なんも変わんねぇだろうに……

(↑妙に余裕が有る俺)


それにだ、この雛鳥泣かせたら、ピィピィ鳴いて、テストが、いつまで経っても始まんねぇだろうに。


どうしたもんだ、こりゃあ……


・・・・・・・


……ッたく、もぉしょうがねぇなぁ。


俺は、徐に『ガンッ!!』と机を蹴った。

その音は、教室に響き渡り、一瞬にして教室が凍り付く。



「ゴチャゴチャうるせぇぞ、ゼン。俺ぁ滅茶苦茶眠てぇんだ。ちっとは静かに出来ねぇのかよ」

「けっ、けどよぉ、マコッちゃん。このままだったら、俺等全員、テストで点数なんて取れねぇじゃんかよぉ~。また、赤点追試だぞ」


いや、それ、オマエの話だから。


俺は、多分、50点なら取れるし……


けど、このままじゃ収まりつかねぇか。

さっさと始める為にも、屁理屈でも言ってやるか。



「あぁ?んな事ぁ重々わかってんだよ。だからよぉ。せめて、この糞くだらねぇテストだけでも、さっさと終わらせて。今日だけでも、ちゃちゃと家に帰った方が『お利口さん』ってもんじゃねぇのか?俺はなぁ、面倒臭ぇのが一番大嫌いなんだよ。……だからテメェ等、これ以上ツマンネェ事を言ったらマジで殺すぞ。オラ!!文句言ってねぇで、さっさと座れつぅ~の。マジ、面倒臭ぇんだよ」

「あっ……倉津君、ありがとぉ」


オイオイ島田、キラキラした目で、俺を見てんじゃねぇつぅ~の。


良いか?

なにを思っての事かはシラネェが、此処で変な誤解をしてんじゃねぇぞ。


俺はなぁ、バンドの事を思えばこそ、テメェの味方をしてやったに過ぎないだぞ。

どこをどう転んでも、100%テメェの為じゃねぇんだからな。


そこんとこ勘違いするなよ、雛鳥女。


少しでも勘違いしたら、即座にウチの組が経営するソープ行きに決定だからな。



「あぁもぉ、どうでも良いから。テメェも、さっさと始めやがれ!!トロ臭ぇ」

「うん。じゃあ始めるね」


だから『うん』じゃねぇって。


何回言えばわかんだよ、この馬鹿女。

もうちょっと威厳ってもんが付けれねぇのか?


テメェと居たら、ホント疲れんだよ。

さっさとプリント配って、その辺で座ってろ、この雛鳥!!


そんな俺の思惑通り、島田は、即座にプリントを配って、テスト開始の合図を出す。



さて、これで、茶番は終わりだ。

此処からが真剣勝負の本番だな。


***


 数学・現国・英語・古文・現社・歴史・と、40分テストで10分休憩をし。

昼食は20分で、7時間ぶっ続けの耐久テストは、最終テストの理科を残し終了した。


故に9:00から始まったテストは、約6時間経過。

今の時間は14:00過ぎだ。


―――なので、この時点で既に、ライブ開始までは、後、たった4時間しかない。

だが、この時点で、このライブの邪魔をする様な間抜けな問題が発生している。


その問題とは『この追試にのみ発動された変なシステム』だ。


普通なら、テストが終われば、此処に用はない。

最後の理科を終わらせさえすれば、直ぐにでもライブ会場に向かえば良いんだが……実は、此処に問題がある。


勿論、終了後の『校長の長い話』とか、そんなクダラナイモノではない。

もっと現実的に困った問題だ。


『このテストの採点が、早くもなされている』と言う事実だ。


一見、この話だけを聞けば、なんの問題も無い様に聞こえるかも知れないが、その実、これは大変な問題だ。


まず、理解すべきは『採点が早くもなされている』と言う点。

この言葉を=関係にすれば……1時間目にしたテストを、2時間目のテスト中直ぐに、島田の雛鳥が採点。

同じ様に2時間目にしたテストを、3時間目のテスト中直ぐに島田の雛鳥が採点。

と言う様に、テストと、採点が、この時点で同時に行われている事になる。


……って事はだ。

テスト終了後に『採点の為の一時間のロスタイム』が発生する。


普通なら諦めるんだが、今日は厳しい。

ライブ前の一時間は、俺と、山中にとっては、かなり貴重な時間だからだ。


恐らく、こう言うシステムを取った校長は、直ぐにでも、俺達の実力を指し示したかったのだろうが。

俺と、山中にとっては、この期に及んで、これ以上無い位、傍迷惑なシステムだ。


故に、このシステムを受け入れてたのでは、時間が幾ら有っても足りない。


下手しなくても、ライブのリハーサルが出来なくなってしまい。

バンドの解散が賭かったライブにも拘らず、ぶっつけ本番で、ライブに挑まなければならないなんて愚かしい事になってしまう。


幾ら俺に根性が有ると言っても、流石に、そこまでのド根性は俺にも存在しない。


故にだ。

此処で無い知恵を絞って、一計を案じる事にした。


テストの最終教科である理科が、出来ようと、出来まいと。

1度最後までやったら、直ぐに、その場で島田に提出して、速攻で採点して貰う。


こうすれば、ほんの少しの時間と、一時間のロスタイムが防げる。

但し、そのテストが50点以下だったら、なにもかもが終了。


その場でドボンだがな。


だが、今はもぉ、これに賭けるしかないのも明白。

山中と2人で、最後の休憩時間に、そう打ち合わせをして、約束を交わした。



因みにだが、今までのテスト結果は、こんな感じだ。


    俺   山中

数学・82点 52点

現国・61点 63点

英語・71点 75点

古文・51点 61点

現社・55点 73点

歴史・80点 77点

理科・――― ―――


見ての通り俺のテストは、古文が、かなりやばかったが、他の教科は、思ったより簡単に点数が取れている。


って言うかな。

実際の話で言えば、寧ろ、朝一の仮テストの方が、よっぽど難しかった様に思える……

(そう言えば、あのテストって誰が作ったんだ?嶋田さんか?)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


2人共、勉強の成果が出ていますね(*'ω'*)


まぁアホの一夜漬けで、ちゃんと勉強さえすれば。

中間、期末テストぐらいなら、なんとかなると言う話ですね。


さてさて、これで残す所は1教科。

2人共、予定通りに行くのか、どうかは……次回の講釈。


また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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