●前回までのあらすじ●
学校に到着した俺達アホ2人組み。
さてさて、追試の開始の時は来た!!
そこに運命のチャイムが鳴り、1人の先公が入ってきた。
「(´Д`)ハァ…」
それを見た瞬間、俺はイキナリのテンションダウンと共に、深い溜息をついた。
勿論、溜息の理由は言うまでもない。
この追試の担当が、あのピィピィ直ぐに泣く島田千夜、その人だったからだ。
しかしまぁ、学校側も、もぉ少し人選を考慮してみたら、どうなんだろうな?
コイツなんかが追試の担当なんてしたら、この不良の溜まり場みたいな場所を制御出来無い事ぐらい、普通に考えても解りそうなもんなのにな。
……救いの無いアホなのか?
案の定、A組のゼンが、楽しそうに、雛鳥をからかい始める。
「よぅよぅ、千夜ちゃん。昨日、頼んだ事やって来てくれた?」
「昨日?」
「惚けんなよ。今回のテストを、俺等の用に、ちゃんと『小学生の問題に変えてくれたか?』って聞いてんだよ。アンタが、そこを、ちゃんとしてくれねぇと、俺等、100%50点なんて高得点は取れねぇぞ」
「テッ、テストは、この間の範囲と同じだから大丈夫。頑張れば、善井君も50点ぐらいなら取れるよ」
「んなもん、どうやっても取れねぇつぅ~の。一体、どうやって取れって言うんだよ?なぁみんなぁ、そうだろ?そうだよなぁ?」
「「「ブゥ~ブゥ~、ふざけんなよ千夜ちゃん!!俺等、どうやっても、そんな点取れねぇぞ」」」
「私に、そんな事を言われても……」
……ハァ、もぉ面倒臭ぇな。
不良共に一斉に文句を言われた雛鳥は、早くもピィピィ泣き出しそうだ。
でもまぁ確かに、コイツ等の言い分も解らんでもないんだが。
ゴチャゴチャ言っても、やんなきゃいけねぇのは、なんも変わんねぇだろうに……
(↑妙に余裕が有る俺)
それにだ、この雛鳥泣かせたら、ピィピィ鳴いて、テストが、いつまで経っても始まんねぇだろうに。
どうしたもんだ、こりゃあ……
・・・・・・・
……ッたく、もぉしょうがねぇなぁ。
俺は、徐に『ガンッ!!』と机を蹴った。
その音は、教室に響き渡り、一瞬にして教室が凍り付く。
「ゴチャゴチャうるせぇぞ、ゼン。俺ぁ滅茶苦茶眠てぇんだ。ちっとは静かに出来ねぇのかよ」
「けっ、けどよぉ、マコッちゃん。このままだったら、俺等全員、テストで点数なんて取れねぇじゃんかよぉ~。また、赤点追試だぞ」
いや、それ、オマエの話だから。
俺は、多分、50点なら取れるし……
けど、このままじゃ収まりつかねぇか。
さっさと始める為にも、屁理屈でも言ってやるか。
「あぁ?んな事ぁ重々わかってんだよ。だからよぉ。せめて、この糞くだらねぇテストだけでも、さっさと終わらせて。今日だけでも、ちゃちゃと家に帰った方が『お利口さん』ってもんじゃねぇのか?俺はなぁ、面倒臭ぇのが一番大嫌いなんだよ。……だからテメェ等、これ以上ツマンネェ事を言ったらマジで殺すぞ。オラ!!文句言ってねぇで、さっさと座れつぅ~の。マジ、面倒臭ぇんだよ」
「あっ……倉津君、ありがとぉ」
オイオイ島田、キラキラした目で、俺を見てんじゃねぇつぅ~の。
良いか?
なにを思っての事かはシラネェが、此処で変な誤解をしてんじゃねぇぞ。
俺はなぁ、バンドの事を思えばこそ、テメェの味方をしてやったに過ぎないだぞ。
どこをどう転んでも、100%テメェの為じゃねぇんだからな。
そこんとこ勘違いするなよ、雛鳥女。
少しでも勘違いしたら、即座にウチの組が経営するソープ行きに決定だからな。
「あぁもぉ、どうでも良いから。テメェも、さっさと始めやがれ!!トロ臭ぇ」
「うん。じゃあ始めるね」
だから『うん』じゃねぇって。
何回言えばわかんだよ、この馬鹿女。
もうちょっと威厳ってもんが付けれねぇのか?
テメェと居たら、ホント疲れんだよ。
さっさとプリント配って、その辺で座ってろ、この雛鳥!!
そんな俺の思惑通り、島田は、即座にプリントを配って、テスト開始の合図を出す。
さて、これで、茶番は終わりだ。
此処からが真剣勝負の本番だな。
***
数学・現国・英語・古文・現社・歴史・と、40分テストで10分休憩をし。
昼食は20分で、7時間ぶっ続けの耐久テストは、最終テストの理科を残し終了した。
故に9:00から始まったテストは、約6時間経過。
今の時間は14:00過ぎだ。
―――なので、この時点で既に、ライブ開始までは、後、たった4時間しかない。
だが、この時点で、このライブの邪魔をする様な間抜けな問題が発生している。
その問題とは『この追試にのみ発動された変なシステム』だ。
普通なら、テストが終われば、此処に用はない。
最後の理科を終わらせさえすれば、直ぐにでもライブ会場に向かえば良いんだが……実は、此処に問題がある。
勿論、終了後の『校長の長い話』とか、そんなクダラナイモノではない。
もっと現実的に困った問題だ。
『このテストの採点が、早くもなされている』と言う事実だ。
一見、この話だけを聞けば、なんの問題も無い様に聞こえるかも知れないが、その実、これは大変な問題だ。
まず、理解すべきは『採点が早くもなされている』と言う点。
この言葉を=関係にすれば……1時間目にしたテストを、2時間目のテスト中直ぐに、島田の雛鳥が採点。
同じ様に2時間目にしたテストを、3時間目のテスト中直ぐに島田の雛鳥が採点。
と言う様に、テストと、採点が、この時点で同時に行われている事になる。
……って事はだ。
テスト終了後に『採点の為の一時間のロスタイム』が発生する。
普通なら諦めるんだが、今日は厳しい。
ライブ前の一時間は、俺と、山中にとっては、かなり貴重な時間だからだ。
恐らく、こう言うシステムを取った校長は、直ぐにでも、俺達の実力を指し示したかったのだろうが。
俺と、山中にとっては、この期に及んで、これ以上無い位、傍迷惑なシステムだ。
故に、このシステムを受け入れてたのでは、時間が幾ら有っても足りない。
下手しなくても、ライブのリハーサルが出来なくなってしまい。
バンドの解散が賭かったライブにも拘らず、ぶっつけ本番で、ライブに挑まなければならないなんて愚かしい事になってしまう。
幾ら俺に根性が有ると言っても、流石に、そこまでのド根性は俺にも存在しない。
故にだ。
此処で無い知恵を絞って、一計を案じる事にした。
テストの最終教科である理科が、出来ようと、出来まいと。
1度最後までやったら、直ぐに、その場で島田に提出して、速攻で採点して貰う。
こうすれば、ほんの少しの時間と、一時間のロスタイムが防げる。
但し、そのテストが50点以下だったら、なにもかもが終了。
その場でドボンだがな。
だが、今はもぉ、これに賭けるしかないのも明白。
山中と2人で、最後の休憩時間に、そう打ち合わせをして、約束を交わした。
因みにだが、今までのテスト結果は、こんな感じだ。
俺 山中
数学・82点 52点
現国・61点 63点
英語・71点 75点
古文・51点 61点
現社・55点 73点
歴史・80点 77点
理科・――― ―――
見ての通り俺のテストは、古文が、かなりやばかったが、他の教科は、思ったより簡単に点数が取れている。
って言うかな。
実際の話で言えば、寧ろ、朝一の仮テストの方が、よっぽど難しかった様に思える……
(そう言えば、あのテストって誰が作ったんだ?嶋田さんか?)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
2人共、勉強の成果が出ていますね(*'ω'*)
まぁアホの一夜漬けで、ちゃんと勉強さえすれば。
中間、期末テストぐらいなら、なんとかなると言う話ですね。
さてさて、これで残す所は1教科。
2人共、予定通りに行くのか、どうかは……次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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