最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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460 奈緒さんは困った子

公開日時: 2022年5月12日(木) 00:21
更新日時: 2023年1月3日(火) 20:08
文字数:2,080

●前回のおさらい●


 盛大に盛り上がるアンコールの渦。

そして奈緒さんを筆頭に、次々に上がって来る元バンドのメンバー。


これらの不思議な現象は『倉津君の為の奈緒さんが、以前から考えていた企画の1部だった』!!


それに気付いた倉津君は……

「奈~~緒~~~さ~~~~ん!!」

「あっ、あれ?その様子だと……もぉバレちゃったの?クラの事だから、気付くのは、もぅちょっと時間が掛かると思ってたんだけどなぁ……ちぇ」

「『ちぇ』じゃないッスよ!!ウチのバンドが実力不足だったら、どうするつもりだったんッスか?こんなの滅茶苦茶じゃないッスか!!」

「あぁ、もぉそこまで気付いちゃったんだ。けど、良いじゃない、良いじゃない。こんなの結果オーライだって、結果オーライ」

「奈緒さん!!こんなの全然良くないッスよ!!これじゃあ、必死に練習した俺等が馬鹿みたいじゃないですか!!」

「そんな怒んなくても良いじゃない。だから、ちょっと悪いなぁっと思って、練習を手伝いに行ったりしたでしょ。……それにさぁ。これだって、元のメンバーみんなで一緒に弾きたいからこそ、やっただけじゃない」

「それにしたってッスね。これは、些かやりすぎでしょうに」


もぉこれは、ヤリスギ処の騒ぎじゃない様にも思うが……



「だぁって、だって、今日だけは、どうしてもクラと演奏したかったんだもん。ライブでも、私だけ、みんなとバラバラにされるから、いつも私だけ1人でツマンナイんだもん」

「ぐっ!!またそう言う事を言って、俺に反論出来なくするぅ」

「にひひ、だからね。いつも1人ぽっちで寂しい奈緒ニャンと一緒に演奏して……く~らっ、お・ね・が・い♪ねっ♪」

「あぁ、もぉ……この人だけは」


俺って奴は、本当にアカンね。

奈緒さんが、密かに、こんな気持ちになってる事さえ、全然気付いてなかったよ。


なんでこぉ、精神が鈍感に構成されてるんだろうな俺って?


もうちょっと奈緒さんを、ちゃんと見てあげないとダメだよな。


本当にアカンね。



「OK?」

「はいはい、OKッスよOK」

「にひひ、そんなクラが、奈緒ニャンは大好きだよ」


奈緒さんはそう言いながら。

俺の手をとってから、それを隠す様に、自分の背中等辺でコソッと『恋人繋ぎ』で手を握った。



「ちょ、奈緒さん!!」

「ねぇねぇ、クラ。みんなの前だから、バレるんじゃないかってドキドキするね。クラは、こう言うの好き?」

「ちょ、奈緒さん!!本当にバレたら、どうするんッスか!!不味いッスよ」

「じゃあ、離せば良いじゃない。私、そんなに力入れてないよ」

「いや、あの……こんなのズルイっすよ」

「ふふっ、顔が真っ赤だよ、クラ。これならバレたら君のせいだね。ちゃ~んと、責任取って貰うよ♪」


あぁアカンね、これ!!


ただ単に、奈緒さんと手を繋いでるだけなのに。

人に見られてるって意識と、絶対にバレちゃいけないって意識が重なって、妙に興奮する。


見た目は地味な行為なのに、なんて、恐ろしい技を使う人なんだ。


まぁ、その結果だな。

いつの間にか、ドキドキ感と共に、チンコはパンパンになるわ。

このコンテストの事で、奈緒さんの掌で踊らされたにも拘らず、奈緒さんに満面の笑顔を向けられて、コソッと背中で手を繋がれただけで、彼女の要求を一切跳ね除けられずにだな。

彼女の我儘を見事なまでに受け入れて、バンドに参戦する事を、明確にしちまってんだもんなぁ。


男として、ショボイにも程があるな。


しかも、主導権を握られっぱなしなんだから、どうしょうもねぇわ。



あぁけど、あれだぞあれ。

『俺には我儘言って良い』って最初の内から奈緒さんにはハッキリとそう断言したのは元々俺なんだから、これはある意味『奈緒さんが有言実行してる』ってだけの事であってだな。


なにも被害が無いとも考えられる。


要は、考え様だな考え様。


つぅかな、奈緒さんが楽しく幸せそうにしてくれてるなら、俺に悪戯するのなんて全然OKだしぃ。

(↑今更、雑魚隠しを敢行し様としてる俺)



なんて、微妙にイチャイチャしてたら……



「なにを2人して、顔を真っ赤にしながら盛っているのですか?こんな公衆の面前で、恥ずかしげも無く盛るなんて、アナタ方は、羞恥心の無い犬なんですか?宜しかったら此処で、低脳な犬同士、SEXでもなさいますか?」

「ステッ、ステッ、ステラ!!」

「ふふん、2人で羞恥プレイの真っ最中。これ……中々スリリングだよ」


なんて、奈緒さんは、そのままの事実を伝えたんだが、流石のステラも、それを聞いて呆れ顔だ。


まぁ、そりゃあそうだわな。

此処は、俺同様に反省すべき点だからな。



「人に演奏をする様に促して置いて、羞恥プレイですか?……それはまた軽蔑すべき最低さですね」

「へへぇ、ごめん」

「奈緒……今回の件に関して、アナタには『何かしろの罰』を与えます。覚悟して置いて下さいね」

「おっ、怒んないでよ、ステラ。ごめんって、もうしないから許して」

「ダメです。これは決定事項です。それと奈緒」

「あっ、はい、なんですかね?」

「その羞恥プレイとやらも程々にして、早く唄う準備をしなさい」

「あっ、あぁ、はい、そっ、そうッスね」


奈緒さんは雑魚語になりながら。

ステラから逃げる様に、チョコチョコってマイクポジションに向って行った。


その可愛らしい姿には、相変わらず癒されますな……


はははっ……



「真琴」


Σ(゚□゚;)ハッ!?


この状況、俺も奈緒さんと同じ立場だった!!

(↑馬鹿)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


あぁ……一番見付かっちゃいけないヤバい人に見つかっちゃいましたね。


これは終わった(笑)


さてさて、そんな中。

ステラさんに呼ばれた倉津君、一体なにを言われるのでしょうね?


その辺は次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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