●前回までのあらすじ●
山中君の素直ちゃんへの思いを知った倉津君。
そしてそれと同時に倉津君は「山中君と素直ちゃんが付き合えば良いなぁ」っと思い始めていた。
「なら、良かった。それなら俺も、素直とオマエが付き合うのを、喜んで受け入れられるってもんだ」
「その言葉、後で後悔すんなよ。後でアリスが良かった言うても、後の祭りやぞ」
「心配すんな。もぉ迷わねぇよ。俺は、もう二度と奈緒さん以外は見ねぇ」
「おっ、断言か?」
「あぁ、断言だ」
「くっそぉ~~~っ、惚気やったか!!余裕かましやがって、今日のオマエは、ほんまムカツクなぁ」
そう聞こえたのかね、山中君?
だったら、きっとそうなんだろうねぇ。
はははっははははははははっはっは……もっと羨ましがれ。
「まぁ、精々頑張り給え、山中君。素直の一途さは、そう簡単には解けないぞ」
「ほざいとけ。今日のライブで、オマエの事なんぞ、サッパリ頭の中から消し去ったるわ。ホンで奈緒ちゃんには無い、あの巨乳は俺のもんじゃ!!」
ちょ……オマエねぇ。
そんな風にオッパイのデカさで、女の人の価値を計るんじゃねぇよ。
大体、奈緒さんのオッパイは、素直ほど大きくはないけどなぁ。
大きくないけどなぁ……掌に収まるコンパクトサイズなんだぞ!!
ダメだ……大きさに関しては惨敗だ、勝てる気がしねぇ。
けど、オッパイの『大きさ』『形』は問題じゃねぇ。
……問題なのは『心』だ。
そこが恋愛の一番大事な事だ。
わかるかボンクラ?
でもなぁ……でっかいオッパイの奈緒さんも悪くないとは思うんだよなぁ。
……少し希望。
「オマエ、それ、本人の前で言ったら、本気で殺されるぞ」
「……確かに死ぬな。滅茶苦茶にどつかれて、完全に撲殺されるな」
自覚は有るんだな。
なら、二度といわねぇ方が良いぞ。
人間は基本的に『つい』言葉が滑るからな。
「まぁ、それはさて置き。マジで今日のライブで良い音を出して、素直の気持ちを掴んでくれ。俺も、オマエと素直だったら上手くやれると思うぞ」
「言われるまでもない。それに今回は『解散』も賭かっとるし『リベンジ』も賭かっとる。アリスの事以前に、俺は、元から全開でやるつもりや」
「頼もしいな」
「まぁ、任せとけ。俺も、アイツ対策の秘策は考えとる」
なにを考えてるのかは知らねぇが、まっ、期待してるぞ。
丁度、この山中との話が途切れた瞬間、都合良く『横浜駅』に到着。
さて、山中と話した事で、バンド内に有る全ての蟠りが解けた筈だ。
これで全員が全員100%以上の力を出せる環境が整った。
だから……今日のライブは、前回と同じと思うなよ、崇秀。
首を洗ってピッカピッカにして待ってろ。
今日こそ、俺等が、オマエのそのソッ首を狩ってやるぜぇ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
これにて第三十話『最後の蟠り』は終了でございます。
っで、今回、倉津君は、何を蟠っていたかと言いますと。
「山中君の素直ちゃんに対する気持ち」に対して蟠っていたみたいですね。
そこを解消する為の話だったんですよ(笑)
……っと言う訳で次回からは。
第三十一話『開始前の少しの時間』を書いていきたいと思います。
なので良かったら、是非、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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