最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

534 広範囲アプローチ

公開日時: 2022年7月25日(月) 00:21
更新日時: 2023年1月10日(火) 13:15
文字数:2,305

●前回のおさらい●


 なにか感づいたのか、倉津君の女体化話を信じてくれそうな崇秀。

そんな彼の行為に感動しながらも、必死に今までの経緯を話して行く倉津君であった。


さてさて、此処を本当の意味で信じて貰えるか!!

「……っと言う訳なんだよ。信じれるか?」

「ふ~~~ん、眉唾物なのは否めねぇ話だが、それ以前に、信じるも、信じないも、現時点で、今のオマエがそうなってるなら、信じるしかねぇだろうな」

「崇秀……」


こんな馬鹿な話を信じてくれた。

説明もシドロモドロなのに、有無を言わず信じてくれた。


馬鹿にされるもんだと思ってただけに、嬉しさ倍増だな……


コイツに相談して正解だった。



「……にしても、普通では考えれない様な、奇妙な現象だな」

「あっ、あぁ、そっ、そうなんだよ。俺みたいな馬鹿じゃあ、全く理解出来ねぇんだよ」


感動してドモッてるし……


格好悪いな俺……



「ふっ、まぁ良い。どう転んだ所で、現状は変わらねぇ。なら取り敢えず、今はオマエの体に起こってる現象を確認するのが先決だな」


えっ?


その言い方って……たった、これだけの説明で、もう、なにか光明が見えたのか?


もしそうなら、スッ、スゲェ……



「なっ、なんの確認だ?」

「良いから、黙って、まずは無心で質問に答えろ」

「あっ、あぁ」

「じゃあ聞くがな。……オマエ、女になってから、自分の顔を鏡で見たか?」


はぁ?きゅ、急に、なっ、なんの話だよ?


質問に答えるのは良いが、これじゃあ関連性がなにも見えねぇ。



「それが、なにか関係が有るのか?」

「御託は良いから答えろ」

「あっ、あぁ。鏡は見たな。なんせ、それを見て、洗面所で腰を抜かしたんだからな」

「そっか。じゃあ、その鏡に映った自分の姿を鮮明に憶えてるか?」

「いや、正確には憶えてねぇな。それに、その後は、怖くて鏡なんて見れねぇよ」

「だろうな。……けど、そんな心境に成ってる所で悪いんだがな。直ぐに、もう1度、鏡を見て貰うぞ」

「なっ!!」


なんで?

そんな嫌な真似をしなきゃならないんだよ?


そんなもん見たくねぇよ。


嫌だよ。



「なにが『なっ』だよ。それを確認しないと、話が先に進まねぇんだよ」

「なんの為に……なんの為に、そんな事をするんだ?嫌がらせか?」

「バカタレ。誰が、そんな時間の無駄をするかよ。こうするのは、ちゃんと理由が有るんだよ」

「じゃあ、なんなんだよ?その理由って?」

「今の顔が、元の自分の顔の特徴を引き継いでるかどうかを確認するんだよ。そうすりゃあ、自分の体が変化したものなのか、そうじゃないのかが、まずは解るだろうに」

「そっ、そうか!!そう言う事か!!」


完全に見落としていた。


俺は原因ばかりに頭が行って。

まずは、この体が他人の物だとは一切考えなかった。


矢張り、崇秀のアプローチのかけ方は、俺なんかとは全然違うな。



「解ったんなら、サッサと鏡の有る場所に行け。……それと、こんな漫画みたいな話に付き合ってやってるんだから。俺がおかしな事を言っても、変に疑問を持つな」

「わっ、わかった。……すっ、すまん」

「ったくもぉ」


なんかよぉ。

こんなに優しいんなら、俺なんかが女になるより、崇秀が女になりゃあ良いのにな。


きっと、良い女になるよオマエ。


俺、惚れちゃうかもな。



「オイ……余計な事を考えてねぇで、サッサと行けつぅの」


なんでわかるんだ?


電話越しだぞ、オイ!!


……まぁ、コイツのエスパーは、今に始まった事じゃないから、置いておこう。


***


 俺は電話の子機を肩に挟んで、足早に洗面所に移動した。

勿論そこには、さっきの唯一の成果である、俺の手によって運搬された『女物の服』が置かれている。


その服から受ける妙なプレッシャーに目を背けながら、鏡の前に立った。



「洗面台の前に着いたぞ」

「いや、着いたのは良いから、どうなのかを報告しろっての」


そう気軽に言ってくれるなよ。


これって俺にとっては、結構、衝撃的な映像なんだぞ。



「あのよぉ。……怖くて、直ぐには、目が開けられねぇ」

「あっそ……じゃあ、電話切って良いか?」


やめてやめて!!

心細くなるから、やめて!!



「わかった!!わかりました!!頑張る!!直ぐに頑張ります!!」

「ったく。気持ちは解らなくもねぇが、早期に解決したいんなら逆らうな。後に廻しても、結果は同じなんだからよ。……時間の無駄だ」

「そう言うなよ。オマエが思ってる以上に、マジで怖いんだからよぉ」

「アホかテメェは?どうせ、オマエなんか大した面じゃねぇんだからよ。変に心配すんな。……このモブ女が」

「うぉ!!モブとか言うなよ!!ひょっとしたら、滅茶苦茶、可愛いかもしんねぇじゃねぇかよ!!」

「ねぇな。……つぅか、それ以前の問題として、テメェ、男だろ。自分で『可愛い』とか、平然と、ぬかしてんじゃねぇぞ。気持ち悪い。ナルシストのニューハーフかテメェは」


酷ぇ……今一番気にしてる事を、ズケズケと言って来やがる。


コイツには、人を労わるって大切な心が欠落してやがるのか?


この地獄から這い出て来た鬼畜生野郎が!!



「なろぉ!!そんな事ばっかり言ってたら、オマエに後で、俺のエロ画像送ってやるからな。それでチンコ弄くって、カラカラのミイラになっちまえ!!憶えとけよ」

「御自由に……但し、その画像を、ネットにUPされても泣くなよ」

「……あぁ、嘘嘘。やっぱやめる」

「あっそ。……ってか、もう良いからサッサと鏡見ろ。次クラダラネェ事を言ったら、マジで電話切るからな」

「はい。……すんません」


抵抗するのも潮時だな。

崇秀の言う通り、こんな事をしてても前には進めないしな。


此処は、本気で覚悟の決め時だな。


それによぉ。

崇秀の奴が、いつも通り、普通に接してくれてるから、さっきまでの様な1人でいる時の不安感は、ほぼ無くなってる。


やっぱり、コイツに相談して良かった。

いや、寧ろ、コイツじゃなきゃ、話が話なだけに、こうは上手く行かなかっただろうな。


だから俺は、決死の覚悟で目を開いた。


クワッ!!( ゚Д゚)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


まずは話を信じて貰えましたです♪

そして崇秀は、現状をより理解する為に、倉津君とは違うアプローチを掛けて来ましたね(笑)


そぉ……倉津君は、一方的に、自身の体が女体化したものだと考え。

その原因が、崇秀に貰った薬ではないかと考えていたのですが、実際、その証拠になる物は何もなかった。


一方崇秀は、本当に倉津君の体が変化したものなのかに疑問を感じ。

それが倉津君自身の体であるのか、他人の体なのかを確認する事を優先してきましたね。


まぁこの場合、後者である可能性は、かなり低いのですが。

これが、なにかの手掛かりに成るかもしれないと考え、こう言う細かい面もチェックしてきてる様です♪


大切な友人の事ですしね(笑)


さてさて、そんな中、再び鏡の前に立った倉津君。

一体、どんな容姿が鏡に映っているのでしょうか?


崇秀の言う通り『モブ女』が、そこに映ってるのか!!(笑)


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート