●前回のおさらい●
なにか感づいたのか、倉津君の女体化話を信じてくれそうな崇秀。
そんな彼の行為に感動しながらも、必死に今までの経緯を話して行く倉津君であった。
さてさて、此処を本当の意味で信じて貰えるか!!
「……っと言う訳なんだよ。信じれるか?」
「ふ~~~ん、眉唾物なのは否めねぇ話だが、それ以前に、信じるも、信じないも、現時点で、今のオマエがそうなってるなら、信じるしかねぇだろうな」
「崇秀……」
こんな馬鹿な話を信じてくれた。
説明もシドロモドロなのに、有無を言わず信じてくれた。
馬鹿にされるもんだと思ってただけに、嬉しさ倍増だな……
コイツに相談して正解だった。
「……にしても、普通では考えれない様な、奇妙な現象だな」
「あっ、あぁ、そっ、そうなんだよ。俺みたいな馬鹿じゃあ、全く理解出来ねぇんだよ」
感動してドモッてるし……
格好悪いな俺……
「ふっ、まぁ良い。どう転んだ所で、現状は変わらねぇ。なら取り敢えず、今はオマエの体に起こってる現象を確認するのが先決だな」
えっ?
その言い方って……たった、これだけの説明で、もう、なにか光明が見えたのか?
もしそうなら、スッ、スゲェ……
「なっ、なんの確認だ?」
「良いから、黙って、まずは無心で質問に答えろ」
「あっ、あぁ」
「じゃあ聞くがな。……オマエ、女になってから、自分の顔を鏡で見たか?」
はぁ?きゅ、急に、なっ、なんの話だよ?
質問に答えるのは良いが、これじゃあ関連性がなにも見えねぇ。
「それが、なにか関係が有るのか?」
「御託は良いから答えろ」
「あっ、あぁ。鏡は見たな。なんせ、それを見て、洗面所で腰を抜かしたんだからな」
「そっか。じゃあ、その鏡に映った自分の姿を鮮明に憶えてるか?」
「いや、正確には憶えてねぇな。それに、その後は、怖くて鏡なんて見れねぇよ」
「だろうな。……けど、そんな心境に成ってる所で悪いんだがな。直ぐに、もう1度、鏡を見て貰うぞ」
「なっ!!」
なんで?
そんな嫌な真似をしなきゃならないんだよ?
そんなもん見たくねぇよ。
嫌だよ。
「なにが『なっ』だよ。それを確認しないと、話が先に進まねぇんだよ」
「なんの為に……なんの為に、そんな事をするんだ?嫌がらせか?」
「バカタレ。誰が、そんな時間の無駄をするかよ。こうするのは、ちゃんと理由が有るんだよ」
「じゃあ、なんなんだよ?その理由って?」
「今の顔が、元の自分の顔の特徴を引き継いでるかどうかを確認するんだよ。そうすりゃあ、自分の体が変化したものなのか、そうじゃないのかが、まずは解るだろうに」
「そっ、そうか!!そう言う事か!!」
完全に見落としていた。
俺は原因ばかりに頭が行って。
まずは、この体が他人の物だとは一切考えなかった。
矢張り、崇秀のアプローチのかけ方は、俺なんかとは全然違うな。
「解ったんなら、サッサと鏡の有る場所に行け。……それと、こんな漫画みたいな話に付き合ってやってるんだから。俺がおかしな事を言っても、変に疑問を持つな」
「わっ、わかった。……すっ、すまん」
「ったくもぉ」
なんかよぉ。
こんなに優しいんなら、俺なんかが女になるより、崇秀が女になりゃあ良いのにな。
きっと、良い女になるよオマエ。
俺、惚れちゃうかもな。
「オイ……余計な事を考えてねぇで、サッサと行けつぅの」
なんでわかるんだ?
電話越しだぞ、オイ!!
……まぁ、コイツのエスパーは、今に始まった事じゃないから、置いておこう。
***
俺は電話の子機を肩に挟んで、足早に洗面所に移動した。
勿論そこには、さっきの唯一の成果である、俺の手によって運搬された『女物の服』が置かれている。
その服から受ける妙なプレッシャーに目を背けながら、鏡の前に立った。
「洗面台の前に着いたぞ」
「いや、着いたのは良いから、どうなのかを報告しろっての」
そう気軽に言ってくれるなよ。
これって俺にとっては、結構、衝撃的な映像なんだぞ。
「あのよぉ。……怖くて、直ぐには、目が開けられねぇ」
「あっそ……じゃあ、電話切って良いか?」
やめてやめて!!
心細くなるから、やめて!!
「わかった!!わかりました!!頑張る!!直ぐに頑張ります!!」
「ったく。気持ちは解らなくもねぇが、早期に解決したいんなら逆らうな。後に廻しても、結果は同じなんだからよ。……時間の無駄だ」
「そう言うなよ。オマエが思ってる以上に、マジで怖いんだからよぉ」
「アホかテメェは?どうせ、オマエなんか大した面じゃねぇんだからよ。変に心配すんな。……このモブ女が」
「うぉ!!モブとか言うなよ!!ひょっとしたら、滅茶苦茶、可愛いかもしんねぇじゃねぇかよ!!」
「ねぇな。……つぅか、それ以前の問題として、テメェ、男だろ。自分で『可愛い』とか、平然と、ぬかしてんじゃねぇぞ。気持ち悪い。ナルシストのニューハーフかテメェは」
酷ぇ……今一番気にしてる事を、ズケズケと言って来やがる。
コイツには、人を労わるって大切な心が欠落してやがるのか?
この地獄から這い出て来た鬼畜生野郎が!!
「なろぉ!!そんな事ばっかり言ってたら、オマエに後で、俺のエロ画像送ってやるからな。それでチンコ弄くって、カラカラのミイラになっちまえ!!憶えとけよ」
「御自由に……但し、その画像を、ネットにUPされても泣くなよ」
「……あぁ、嘘嘘。やっぱやめる」
「あっそ。……ってか、もう良いからサッサと鏡見ろ。次クラダラネェ事を言ったら、マジで電話切るからな」
「はい。……すんません」
抵抗するのも潮時だな。
崇秀の言う通り、こんな事をしてても前には進めないしな。
此処は、本気で覚悟の決め時だな。
それによぉ。
崇秀の奴が、いつも通り、普通に接してくれてるから、さっきまでの様な1人でいる時の不安感は、ほぼ無くなってる。
やっぱり、コイツに相談して良かった。
いや、寧ろ、コイツじゃなきゃ、話が話なだけに、こうは上手く行かなかっただろうな。
だから俺は、決死の覚悟で目を開いた。
クワッ!!( ゚Д゚)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
まずは話を信じて貰えましたです♪
そして崇秀は、現状をより理解する為に、倉津君とは違うアプローチを掛けて来ましたね(笑)
そぉ……倉津君は、一方的に、自身の体が女体化したものだと考え。
その原因が、崇秀に貰った薬ではないかと考えていたのですが、実際、その証拠になる物は何もなかった。
一方崇秀は、本当に倉津君の体が変化したものなのかに疑問を感じ。
それが倉津君自身の体であるのか、他人の体なのかを確認する事を優先してきましたね。
まぁこの場合、後者である可能性は、かなり低いのですが。
これが、なにかの手掛かりに成るかもしれないと考え、こう言う細かい面もチェックしてきてる様です♪
大切な友人の事ですしね(笑)
さてさて、そんな中、再び鏡の前に立った倉津君。
一体、どんな容姿が鏡に映っているのでしょうか?
崇秀の言う通り『モブ女』が、そこに映ってるのか!!(笑)
それは次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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