最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1478 報い、若しくは因果応報

公開日時: 2025年2月20日(木) 00:21
文字数:2,144

●前回のおさらい●


 家屋の調査をする為、家に一歩踏み入れただけなのに、一瞬にして埃まみれに成ってしまう倉津君(笑)

当然、それだけで発狂しそうになるんだが……

 ……っとまぁ。

こんな風に、妖精達の悪戯に対して1人でムカムカしてしまった訳なんだが。

此処で1人、そんな風にムカムカしながらプンスカ怒ってても、一向に埒が開く気配が無いのは明白な事なので、此処は1つ我慢我慢。


我慢の子だ。


それに、沙那ちゃんの為と思えば、これぐらいの試練なら我慢するに越した事はないからな。


俺にしては、なんとも大人な意見だ。


……ってな訳でござんしてな。

まずはスライド型の扉を全開にして、此処にある、さも鬱陶しいだけの埃を、全部外からの風で吹き飛ばす事にした。


俺の足止めをしようとする邪悪な妖精共よ!!

この風に乗って、何処か彼方にまで吹き飛んでしまえ!!


あぁそうだ、そうだ。

これは、ちょっと言い忘れてた話なんだけどな。

こうやって邪悪な妖精を吹き飛ばしている間に、少しこの家について追加説明をしとくだな。


実は、この家ってな。

昔ババァが『駄菓子屋』やってたから、家の入り口付近が商店になってるんだよ。


言わば、奈緒さんや眞子。

それに今、眞子と一緒に住んでるチビ太なんかの家に似た母屋なんだよ。


その証拠として、その昔(5年程前)。

アホのゼンと一緒に、此処の店で、散々万引きとかをやらかしてた記憶が有るからな。


・・・・・・


……って、追加説明をしてただけなのに。

俺は、なにを意気揚々と、そんなロクデモナイ話を自慢げに言ってんだよ。


今更ながらだが……スマンなババァ。

埃の鬱陶しさに、ついつい昔の悪行を語ってしまったが、それなら店が潰れたのは、俺等のせいって噂もあるな。


みんなにイキる為や、スリルを味わう為だったとは言え。

万引きが、その商店に与える金銭的なダメージってのは計り知れねぇもんがあるもんな。


最低だな俺。


まぁまぁまぁまぁ、っとは言えだ。

その程度の事なら、子供なら、誰しも一度や二度は経験がある話だ。


それにだな。

過去を振り返った所で、ババァが突然現れて、その時の精算をねだって来る訳でもねぇし。

此処も1つ、ババァの冥福を祈りながらも、家の中の探索を再開するのが、これもまた大人のやり方ってもんだな。


だから、今更、俺を恨むなよババァ。

(↑なんて言いながらも、実は罪悪感に苛まれて、過去の悪行をかなり反省してる俺)


因みになんだがな。

如何にもババァが死んだような言い方をしてはいるが、

実際のババァは、息子夫婦の家に引っ越して、未だに健在なんだがな。


元気にしてっかな?


……さてさて、そんな無駄な脳内会議が有りながらだな。

外からの風で舞い飛んで行った埃が、ある程度は収まって来た様子なので。

まずは、店舗部分に成ってる劣化具合を、出来るだけ丁寧に調べて行く事にしたんだが……


木造の古い家屋なだけあって、意外と柱がシッカリしていているのが良く分かった。


リフォームしなきゃいけないだけに、これは大きな収穫だ。


まぁ、そうは言っても。

部屋の汚れや、小さな歪みや罅みたいなモノが数か所に渡ってあるから、そこは綺麗に修復して置かないといけないんだが。

全体的に見ても、柱がしっかりしてる分、住むには、そこまで問題の無い耐久度を誇ってる。


しかしまぁ、なんだな。

結構な期間(購入から2年)手付かずなまま放置してたって言うのに、昔の家屋って本当に強いんだな。

こりゃあ意外と、軽く補強するのと、掃除するだけで、なんとか成りそうな雰囲気だ。


実に悪くねぇ展開だ。


それにだ。

ババァが駄菓子屋をやってた余韻で、この場所には無駄なぐらい棚とかが、未だにそのまま大量に残ってるから。

これを一旦、全部綺麗に破棄して、リサイクルショップにでも無理矢理売り付ければ、多少の小金も入るだろうから、ほんの少しならリフォーム代の足しにもなりそうだし。

そんで、此処をショップ風に仕上げてしまえば、親父さんの工房を構えるのには持って来いの空間に成りそうだな。


いやはや、そう成るならば、本当に悪くない展開だな。


流石、俺が厳選した家屋だけの事はあるな。

(↑さっきまで『住めない』と、断言してた男のセリフ)


……っと成るとだな。

後は、台所、トイレ、風呂場などの水回りや。

店舗の奥にある残り3つ部屋が、此処と同じぐらいの耐久度が残っているならば、リフォームする所は、かなり限定されてくるな。


そう思いながら、意気揚々と駄菓子屋の部分から、奥の部屋に進んでみるんだが。


『ガラッ!!』



「ブハッ!!ゲホッ、ゲホッ……クッソ!!油断した!!また此処も妖精の住処(埃)だったのかよ!!なんなんだよ、これは?この家の恒例行事かなんかなのか、こんちくしょい!!毎度毎度ふざけてんじゃねぇぞぉ!!」


またしても、扉を開いただけでも、大量の埃が舞い上がる。

これは恐らく、表の扉を全開にしたままだったのが、大きな間違いの始まりだったみたいだな。


ガッデム!!ド畜生!!

新しい一歩を踏み出した所だったんだが、退避だ退避!!


またしても一時撤退だぁ!!


逃げろ!!


……いや、違うな、そうじゃないな。

これはきっと、過去に俺が犯した悪行に対する報いなのかもしれねぇ。

そんで万引きする様な奴等に対して、募ったババァの恨みが、この妖精達によって表現されてるのかもしれねぇ。


じゃなきゃ、家屋の調査をしに来ただけなのに、こう何度も、こんな酷い目に遭う筈がないからな。


なら、こりゃあマジで反省すべき事だな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


まさに因果応報(笑)


倉津君の考えが正しいのであれば。

過去に犯した罪が、今、お婆さんが妖精の力を借りて復讐しに来てる……っと言う話になるんですが。


実際の話、万引きって言うのを、気軽に考える人もいるのですが。

商店に与えるダメージが深刻なものなので、ホント恨まれても仕方がない事なんですよね。


まぁ言うて、今現在廃業して、息子夫婦の元で幸せに暮らしてるお婆さんからすれば、そんな昔の事なんかスッカリ忘れてしまっているでしょうから、これはただの倉津君の妄想でしかないんですがね(笑)


それでも、そうやって反省する事は大事です。


さてさて、そんな反省をする中。

この後も、家屋の調査を続けていく倉津くんなのですが。


もう何も問題のないまま、全ての事前調査を終了する事が出来るのか?


それともまだ……


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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