●前回のおさらい●
家屋の調査をする為、家に一歩踏み入れただけなのに、一瞬にして埃まみれに成ってしまう倉津君(笑)
当然、それだけで発狂しそうになるんだが……
……っとまぁ。
こんな風に、妖精達の悪戯に対して1人でムカムカしてしまった訳なんだが。
此処で1人、そんな風にムカムカしながらプンスカ怒ってても、一向に埒が開く気配が無いのは明白な事なので、此処は1つ我慢我慢。
我慢の子だ。
それに、沙那ちゃんの為と思えば、これぐらいの試練なら我慢するに越した事はないからな。
俺にしては、なんとも大人な意見だ。
……ってな訳でござんしてな。
まずはスライド型の扉を全開にして、此処にある、さも鬱陶しいだけの埃を、全部外からの風で吹き飛ばす事にした。
俺の足止めをしようとする邪悪な妖精共よ!!
この風に乗って、何処か彼方にまで吹き飛んでしまえ!!
あぁそうだ、そうだ。
これは、ちょっと言い忘れてた話なんだけどな。
こうやって邪悪な妖精を吹き飛ばしている間に、少しこの家について追加説明をしとくだな。
実は、この家ってな。
昔ババァが『駄菓子屋』やってたから、家の入り口付近が商店になってるんだよ。
言わば、奈緒さんや眞子。
それに今、眞子と一緒に住んでるチビ太なんかの家に似た母屋なんだよ。
その証拠として、その昔(5年程前)。
アホのゼンと一緒に、此処の店で、散々万引きとかをやらかしてた記憶が有るからな。
・・・・・・
……って、追加説明をしてただけなのに。
俺は、なにを意気揚々と、そんなロクデモナイ話を自慢げに言ってんだよ。
今更ながらだが……スマンなババァ。
埃の鬱陶しさに、ついつい昔の悪行を語ってしまったが、それなら店が潰れたのは、俺等のせいって噂もあるな。
みんなにイキる為や、スリルを味わう為だったとは言え。
万引きが、その商店に与える金銭的なダメージってのは計り知れねぇもんがあるもんな。
最低だな俺。
まぁまぁまぁまぁ、っとは言えだ。
その程度の事なら、子供なら、誰しも一度や二度は経験がある話だ。
それにだな。
過去を振り返った所で、ババァが突然現れて、その時の精算をねだって来る訳でもねぇし。
此処も1つ、ババァの冥福を祈りながらも、家の中の探索を再開するのが、これもまた大人のやり方ってもんだな。
だから、今更、俺を恨むなよババァ。
(↑なんて言いながらも、実は罪悪感に苛まれて、過去の悪行をかなり反省してる俺)
因みになんだがな。
如何にもババァが死んだような言い方をしてはいるが、
実際のババァは、息子夫婦の家に引っ越して、未だに健在なんだがな。
元気にしてっかな?
……さてさて、そんな無駄な脳内会議が有りながらだな。
外からの風で舞い飛んで行った埃が、ある程度は収まって来た様子なので。
まずは、店舗部分に成ってる劣化具合を、出来るだけ丁寧に調べて行く事にしたんだが……
木造の古い家屋なだけあって、意外と柱がシッカリしていているのが良く分かった。
リフォームしなきゃいけないだけに、これは大きな収穫だ。
まぁ、そうは言っても。
部屋の汚れや、小さな歪みや罅みたいなモノが数か所に渡ってあるから、そこは綺麗に修復して置かないといけないんだが。
全体的に見ても、柱がしっかりしてる分、住むには、そこまで問題の無い耐久度を誇ってる。
しかしまぁ、なんだな。
結構な期間(購入から2年)手付かずなまま放置してたって言うのに、昔の家屋って本当に強いんだな。
こりゃあ意外と、軽く補強するのと、掃除するだけで、なんとか成りそうな雰囲気だ。
実に悪くねぇ展開だ。
それにだ。
ババァが駄菓子屋をやってた余韻で、この場所には無駄なぐらい棚とかが、未だにそのまま大量に残ってるから。
これを一旦、全部綺麗に破棄して、リサイクルショップにでも無理矢理売り付ければ、多少の小金も入るだろうから、ほんの少しならリフォーム代の足しにもなりそうだし。
そんで、此処をショップ風に仕上げてしまえば、親父さんの工房を構えるのには持って来いの空間に成りそうだな。
いやはや、そう成るならば、本当に悪くない展開だな。
流石、俺が厳選した家屋だけの事はあるな。
(↑さっきまで『住めない』と、断言してた男のセリフ)
……っと成るとだな。
後は、台所、トイレ、風呂場などの水回りや。
店舗の奥にある残り3つ部屋が、此処と同じぐらいの耐久度が残っているならば、リフォームする所は、かなり限定されてくるな。
そう思いながら、意気揚々と駄菓子屋の部分から、奥の部屋に進んでみるんだが。
『ガラッ!!』
「ブハッ!!ゲホッ、ゲホッ……クッソ!!油断した!!また此処も妖精の住処(埃)だったのかよ!!なんなんだよ、これは?この家の恒例行事かなんかなのか、こんちくしょい!!毎度毎度ふざけてんじゃねぇぞぉ!!」
またしても、扉を開いただけでも、大量の埃が舞い上がる。
これは恐らく、表の扉を全開にしたままだったのが、大きな間違いの始まりだったみたいだな。
ガッデム!!ド畜生!!
新しい一歩を踏み出した所だったんだが、退避だ退避!!
またしても一時撤退だぁ!!
逃げろ!!
……いや、違うな、そうじゃないな。
これはきっと、過去に俺が犯した悪行に対する報いなのかもしれねぇ。
そんで万引きする様な奴等に対して、募ったババァの恨みが、この妖精達によって表現されてるのかもしれねぇ。
じゃなきゃ、家屋の調査をしに来ただけなのに、こう何度も、こんな酷い目に遭う筈がないからな。
なら、こりゃあマジで反省すべき事だな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
まさに因果応報(笑)
倉津君の考えが正しいのであれば。
過去に犯した罪が、今、お婆さんが妖精の力を借りて復讐しに来てる……っと言う話になるんですが。
実際の話、万引きって言うのを、気軽に考える人もいるのですが。
商店に与えるダメージが深刻なものなので、ホント恨まれても仕方がない事なんですよね。
まぁ言うて、今現在廃業して、息子夫婦の元で幸せに暮らしてるお婆さんからすれば、そんな昔の事なんかスッカリ忘れてしまっているでしょうから、これはただの倉津君の妄想でしかないんですがね(笑)
それでも、そうやって反省する事は大事です。
さてさて、そんな反省をする中。
この後も、家屋の調査を続けていく倉津くんなのですが。
もう何も問題のないまま、全ての事前調査を終了する事が出来るのか?
それともまだ……
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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