最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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456 大人の階段上る

公開日時: 2022年5月8日(日) 00:21
更新日時: 2023年1月3日(火) 19:39
文字数:2,056

●前回のおさらい●


 実際は大した話でもないのに、ケンさんの不用意な発言問題は続く。

……とは言え。

ケンさん本人が、何故、此処までのブーイングを受けているのかは解っていない。


そんな中、素直ちゃんが……

「(あのケンさん。この街で……特に、この学校内で、真琴君の悪口はマズイですよ。真琴君、誰にでも優しい人だから、さっきみたいな信者みたいな人も居るんですよ。だから、早く謝らないと、彼に、お世話になった人達に袋叩きにされますよ)」

「(マッ、マジで……)」

「(あっ、はい。このままじゃ、絶対に生きて帰れませんよ。それに真琴君は、GUILD創設者の仲居間さんの親友でもあるんですよ)」

「(GUILDの仲居間さん?……って!!あの仲居間さん!!そりゃあ確かにマズイね)」

「(兎に角ですね。僕が、事態を一旦収拾させますんで、後の事は上手くやって下さいね)」

「(あっ、ありがとう、素直ちゃん。恩に着るよ)」

「(あっ、はい。その代わり、ケンさんが冠番組を持ったら、僕達みんなを呼んで下さいね)」

「(当然、当然。もぅ毎週呼んじゃうよ。ってかレギュラーで来て貰うよ)」

「(くすっ。じゃあ、頑張っちゃいますね)」

「(悪いけど、頼んだよ、素直ちゃん)」


……うん?

なんか知らんが素直の奴。

ステージの上で、コソコソと小さく口を開けて、ケン山本となにか喋ってるな。


なにやっとんじゃ、アイツ?


もし……頭の良いオマエが、この事態を収拾する糸口をなんか見付けたんなら、直ぐにでも、なんとかしてくれ。


そして俺に思う存分演奏させろ。


まぁ、そうは言っても、性格が大人しい素直じゃ無理だよな……


(´Д`)ハァ………

(↑素直が、違う意味で大人になって行ってるのを、全然知らない俺)



「「「「「帰れ帰れ!!ケ~~~ン!!さっさと死んじまえぇ~~~!!」」」」」

「あっ、あの、みなさん。ちょっと聞いて欲しいんです」

「「「「「ちょっと待ってなぁ、素直ちゃん!!その馬鹿を放り出したら聞くから!!」」」」」


ほらな、案の定ダメだっただろ。


まぁこう言う場合は、もぉ観客のボルテージが下がるのを待つしかねぇんだよな。



「皆さん!!お願いだから聞いて下さい!!!!!!」

「「「「「えっ?」」」」」


なんだ、なんだ?

公共の場で、素直が歌以外でスゲェ大きな声を出すなんて珍しい事もあったもんだな。


なんだよ?急にどうしたんだ、アイツ?



「うっ、うん?素直ちん、どうしたの?」

「あっ、あのですね。今、皆さんの話に出てる倉津君は、次のバンドに在籍して居るんで、そろそろ辞めてあげて欲しいなって思って……」

「あっ、そうか、そうか。そう言えば倉津君、私達の後のバンドだったね」


おぉ……なんか知らんが、素直の発した1言で、事態が一気に収束に向かって行ってるな。

それに伴って、観客からのケン山本に対するブーイングも消えてるし、なんか知らんが、みんな、素直の言葉に耳を傾けて集中してやんの。


しかしまぁ、なんか今日のアイツは何気にスゲェな。


あぁ……そう言えば以前にも、奈緒さんと、ステラの壮絶な喧嘩を止めた経緯があったな(序章-35話参照)。


って事は、意外と素直って、そう言うの得意なのか?


わかんね?



「だっ、だからですね。先程のケンさんの不用意な言葉は、その時に謝罪して貰えば良いんじゃないかな?って思うんですよ」


はい?謝罪?


なんで?



「あっ、それ、良いかもね」

「悪くないかもなの」

「ハァ、良かったぁ~~~。伊藤さんも、琴ミンも、由佳ニャンも納得してくれて良かったです」

「まぁ、いつまでも、ステージの裾で倉津君を待たす訳にも行かないしね。それ、良いアイデアだよ。……それはそうと素直ちん、あたしは結局、由佳ニャンで定着しちゃった訳ね」

「じゃあ、みんなで、真琴君を呼んじゃおうか!!真琴く~~~ん!!」

「ヤッパリ、この子、無視する方向なんだ……けど、倉津く~~~ん!!」

「倉津君~~~~~~!!」

「倉津様~~~~~~なの!!」


はっ……はい?


なっ……なにこれ?



「「うぉ!!俺等も負けてらんねぇぜ~~~!!兄貴ィ~~~魔虎兄貴ぃぃ~~~!!」」

「「「「兄貴く~~~ん!!」」」」

「クラ~~~~~!!」

「真琴~~~~~!!」

「倉津く~~~ん!!」

「「「「「兄貴ィ~~~~~~!!」」」」」


ハッ、ハ~~~~~~イ?


ホントに、なんッスかね、これ?

なんの虐めが発生してるんッスかね、これ?


いやいやいやいや……これ、明らかにおかしいだろ。

第一だな、どこをどうやったら、さっきの展開から、こんなおかしな展開になるんだよ!!


いや、確かにな、さっき、ステージの上で思いっ切り演奏させろとは、心の声では叫んだがな。

だからって、この展開は、あまりにもおかしいってもんだろ。

大体にして俺はだな、ケン山本の公開謝罪なんて、これっぽっちも求めた憶えはねぇんだぞ!!


なのに、謝罪される事が前提になってるって、一体どういう事だ?


つぅか、マジで、なんなんっすかね、これ?



「「「「「倉津!!倉津!!倉津!!倉津!!倉津!!倉津!!倉津!!……」」」」」

「呼んでますよポンコツ」


……あぁ~~~もぉ、はいはい。

行きますよ、行きゃあ、良いんでげしょ!!


俺は、何故、こんな事になったのかも、よく解らないまま、ステージインする羽目になった。


ほんとナニコレ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


素直ちゃん……意外と強かですね(笑)

まぁ実家が資産家なだけに、意外と、こう言う場面では、どう動くべきなのかを心得ているのかもしれませんね。


やりますな(笑)


さてさて、そんな中。

次回は、ケンさんの公開謝罪のシーンに成って行く訳なのですが……倉津君は、どうするつもりなんでしょうね?


それはまた次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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