●前回のおさらい●
前座での文句を崇秀に言おうとした眞子だったが。
既に崇秀は、他の多くの人間に囲まれて、眞子がそこに入る隙は無かった。
そんな崇秀を見て、少し遠い存在に思えた時、ある人物が声を掛けてくれた。
「へっ?あっ!!あっ!!ジェニーさん!!ジェニーさん、ご無沙汰してます。バージニア州リッチモンド以来ですね」
「まぁな。それにしてもなんだな。なんか、前に逢ってから、そんなに日にちが経ってないってのに、ホント久しぶりな気分だな」
「ですね。……私としては、ジェニーさんや、他の方達とも、毎日でも逢いたい気分ですよ」
「まぁな、まぁな。こうやって鞍馬の元気な姿を見たら、俺も元気になれるからな」
「またぁ。そんな心にもない事を言ってぇ。本気にしちゃいますよ」
「いやいや、オマエを見てると安心するってのは、本当だぞ」
「あっ!!ニルさん!!」
「はいはい、俺も居るんだがな」
「それにクリスさん!!……あぁ、嬉しい!!嬉しい!!皆さんにまた逢えて、凄く嬉しいです!!」
あぁ~~~良いなぁ……これ。
気分が少し下向いた時に、こうやって皆さんの元気な顔を見られたら、元気を一杯分けて頂いてる様な気分になりますね。
だってだって、この方達って、私が初めてアメリカライブの時に、シアトルでお世話になったバンドの方達だもんね。
それにね、それにね【ネバタ州ラスベガス】と【バージニア州リッチモンド】と、わざわざ2回も、私なんかのライブを見に来てくれたんだもんね。
もぉこのお3人さんは、私の中で神様に等しい存在ですよ!!
ホントにね。
この人達が居なかったら、今の私が無いのも同然だもん。
なので、逢えただけでもテンションがMAX♪
「……ってかさぁ、なんの話してるの?私も仲間に入れてよ、鞍馬」
「エリアスさん!!……あの、あの、さっきは、一緒に演奏出来て、凄く楽しかったですね♪」
「えっ?嘘?私『拷問』にしか感じなかったんだけど」
あぁ……ですね。
あれは確かに、エリアスさんの言う通り、ただの『拷問』ですね。
特に『Table of the Mortal Sins』初体験のエリアスさんにしたら、余計、酷い拷問だったと思いますよ。
それになにより、あれで演奏した後って、イヤな感じの偏頭痛が、少しの間止まらなくなりますもんね。
確かに、ヤですね……あれは。
「でもでも、エリアスさんと演奏出来たのは、本当に楽しかったですよ♪」
「あぁ、そう言う事ね。それなら私も楽しかったわ。私、鞍馬との演奏するのが好きだからね」
「そんなそんな。私なんて、まだまだ……」
「いやいや、そうでもないぞ、鞍馬。俺等と演奏した時よりも、数段レベルアップしてたぞ」
「アンちゃんの言う通り、スゲェスゲェ」
「あぁ!!バリーさん!!ジェラルドさん!!」
【ネバタ州ラスベガス】のキューイック兄弟さんだぁ!!
●バリー=キューイックさん(Gランク50位)
●ジェラルド=キューイックさん(Dランク50位)
「オイオイ、キューイック兄弟。そんなに鞍馬を褒めて、早速勧誘か?」
「ちげぇつぅの。俺達なんかじゃ、もぉ鞍馬は手に負えねぇよ」
「アンちゃんの言う通りだ。無理だ無理」
が~~~~ん!!
そんな事ないですよ。
眞子は、まだまだヘッタピィ域にすら達してないですよ。
って言いますか、そんな意地の悪い事を言わずに、また一緒にやって下さい。
此処に関しては切にお願いしますので。
「なんで、そんな事を言うんですか?……私と演奏するの、そんなに嫌ですか?」
「ちげぇっての。演奏のレベルが開き過ぎてるって事だよ」
「アンちゃんの言う通り。開き過ぎてるって事」
「そんな事ないですよ。今日の前座で崇秀と一緒に演奏して、まだまだ自分のレベルの低さを痛感した所なんですから」
「う~~わっ。コイツ、まだ上に行く気だ」
「違います!!違いますよ!!私は、上に行くとかじゃなくてですね。また皆さんと一緒に楽しく演奏したいだけなんですよ。……だから、必至に頑張ってるんですよ。……まぁ、まだ努力が、全然足りてませんけど」
そう言うんじゃないんだよね。
私から言わせれば、100位以内のランカーの人に付き合って貰いたいだけなんですよね。
我儘ですかね?
「出たね、天然」
「はぁ~~~、まいったな。コイツ、ホントわかってんのか?」
「いいや、この様子じゃ、確実になんも解ってないな」
「だろうな。この天然娘だけは……」
「まぁ、わかってたら、こんなセリフ、絶対口から出ねぇっての」
「アンちゃんの言う通り。出ねぇっての」
??
なんの話か、サッパリ訳わかんないや。
また私だけ、なにも解らず、ハミ子にされてる様な気がしてきましたね。
なに?この哀しさ?
「あの~~……」
「ハイ、おめでとう!!98位ジェニー=ボーイさん、ステージ上がって準備して」
話を聞こうとしたら、ジェニーさんが、ステージに上がる権利に『当選』したよ。
良かったですね♪
……あの~~~、それはそれとしてですね。
良かったらなんですが、オマケでも良いんで、私も入れて下さい。
ジェニーさんと演奏したいです。
「おっ、当たった!!ラッキー!!」
「オイオイ、相変わらずの強運だな、オマエは」
「なぁ~~にぃ。運も実力の内ってな」
その運を、私にも、少しだけ恵んで下さい。
プリ~~ズ!!
「あっ、あっ、あの、でっ、出来たら、私もジェニーさんと一緒に演奏したいんですけど。……ダメですかね?」
「無理だろ」
「えっ?そんな即断なんですか?」
あれ?
私、ひょっとしてジェニーさんに嫌がられてる?
ホランドさんの件も含めて、おかしな事ばっかり頼むから……やっぱ嫌われちゃってるのかな?
バッサリ切られました。
「あの、なんでですか?そんなに嫌ですか?」
「いや、嫌じゃないけど。……ただ単に無理だから」
「えぇ~~~っ」
ジェニーさん、そう言い残して、ステージに向って行っちゃった。
あぁ……
そっか。
そっかそっか。
ヤッパリ、メジャーデビューを目指すなら『自分のバンドが大切なのは、当たり前の事だよね』
そのチャンスが溢れてる状態で『余所者』を入れる、遊び心なんか必要ないもんね。
こう言うのって、意識の差なんだろうなぁ。
うぅ~~~、でも凹むなぁ。
「あぁ、鞍馬」
「あぁ、はい、なんですか?」
「因みに、先に言って置くけどね。私ん所も無理よ。ウチは固定メンバーでしか演奏出来無いからね」
「そう……ですか。そうですよね」
あぁ、そっか。
例え、エリアスさんが『抽選で当たっても』ベースランク16位。
エリアスさん自身が20位圏内だから、固定メンバーでしか演奏出来無いんだ。
残念だなぁ。
「まぁ、ウチも一緒にやってやりたいのは山々なんだが。……悪いが、ウチも無理だな」
「ウチも……まぁ、そう言う事だな」
「スマンねぇが、無理だ」
「アンちゃんの言う通り。無理だ」
「そっ、そっ、そっ、そう……ですよね。皆さんバンドを持たれてるんだから、こんな我儘通りませんよね」
あぁ~~あぁっ。
とうとう全員、一気に断られちゃたよ。
ドンだけ、強烈なダメッ娘なんですか私?
「ぷぷっ……ヤッパリ解ってないみたいね。この天然娘は」
「オイオイ。まさかコイツ『本気で一緒にやりたくないとか、思われてる』とか、思ってるんじゃないだろうな」
「えっ?だって……」
「出来る事なら、みんな『鞍馬を指名』するつぅの」
「えっ?なんですか、それ?どういう事ですか?」
「オマエ、自分の個人ランクが、今、何位か知ってるのか?」
「アンちゃんの言う通り、知ってるのか?」
ランキング?
さぁ?
……ってかね。
此処最近、ライブや、勉強、それに三味線の練習に必死になってたから。
実はGUILDのホームページを、全然見てないから、そう言うの、全然知らないんだよね。
……っと言いますか、最初から、全然、興味が無いと言いますか……
あぁでも、確かアメリカに来て、シアトルで聞いた時は『個人ランキング4421位』『ベースランキング872位』だったから、まぁ精々頑張っても『個人ランキング4000位』『ベースランキングが800位』ぐらいって所じゃないですかね?
解んないけど。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子自身は嫌われてる訳ではないのですが。
何故か、一緒に演奏する事を全員から拒否されると言う謎の現象が(笑)
一体、何故、こんな現象が起こっているのか?
その答えは……
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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