●前回のおさらい●
崇秀の恐るべき性能に恐怖を感じ。
つい『そんなのもう既に人ならざる者』だと言ってしまったヒナちゃん。
それを聞いた倉津君は少し怒ってしまい、少しだけ声を荒げてしまった……
「違うの。本当に、そう言う事を言ってるんじゃないの。だから聞いて。お願いだから、怒らずにコレだけは聞いて」
「なんだよ?別に怒っちゃ居ねぇが、人を否定するのは良くねぇぞ」
「別に、その人の人格を否定したい訳じゃないのよ。でもね。だからと言って、好き勝手に、人の体を乗っ取って良いものじゃないんじゃない?私にだって……人格があるんだよ」
そう言う事か。
崇秀に時間を奪われる恐怖感から、そう言う事を言ってる訳な。
ハァ~~~~……しかしまぁ、そうなると、ヒナは余計に崇秀の事を誤解してやがるな。
全然そう言う奴じゃねぇんだけどなぁ。
「アホヒナ」
「えっ?」
「ハァ……あのなぁヒナ。此処だけはハッキリさせて置くがな。崇秀は、そう言う器の小さい人間じゃねぇの。アイツはなぁ、人の為に成らない事は、基本的にしねぇの。……アイツは究極的に口は悪いが、基本的には善人なの」
「へっ?……そんな研究成果を上げてるのに、善人なの?」
オマエなぁ。
取り敢えず、世界に散らばってる研究者全員に謝れ。
凄い偏見だぞ、それ。
……ってか、それ自体。
オマエ自身が、自分で悪人だって言ってるのと同じだぞ。
「そぉ。ありゃあ、ただのお人好しの善人だ。……まぁ、仮にだな。オマエの体を乗っ取ったとしても、アイツは、オマエの成長の遅れを忠告する位しかしねぇよ。若しくは、自分の持ってる知識を分け与えて、他の奴を救済させる為の糧にさせるぐらいのもんだ」
「そうなの?本当に、そう言う人なの?」
「あぁ、アイツは、間違いなくそう言う奴だな。その証拠にアイツは、自分の力を、他人の為にしか使わない様な奴だし。なにより、自分より、オマエの方が賢い筈だって言ってたからな。教える事はねぇってな」
……って言うのが、俺の出した『結論』っと言う訳だ。
まぁなんで、そう思うかつぅとだな。
例えば、さっきヒナが言った理論で行くならば。
(図3)
過去A→→→→→→→→→B未来(別世界)
↓
↓
↓
↓
↓
過去A→→→→→→→→→B未来(別世界)
↓
↓
↓
↓
↓
過去B――――――――――未来(自分の世界)
……を、何度も繰り返す訳だろ。
だったら、ワザワザそんな面倒な事をしなくてもよぉ。
過去A→→→→→→→→→B未来(自分の世界)
↓
↓
↓
↓
↓
過去B――――――――――未来(自分の世界)
これだけで済まないか?
こうすれば、ワザワザ他人の生活を脅かさず。
自分の人生を何度も往復するだけで、大量の知識を得れる訳なんだからよぉ。
Y軸の計算すら必要無くなるし。
寧ろ、コレだと、誰にも迷惑が掛からないと思うんだけどなぁ。
この方が、明らかに賢い選択だろ。
XYの計算が出来るとしても、Y軸を、絶対に使わなきゃ行けない訳じゃないからな。
その辺からして、勘違いも良い所だ。
「えっ?教える事がない?……ちょっと待って。それに今、私の方が頭が良いって言ったけど。それって、どういう事?」
「オマエなぁ。さっき俺が話した崇秀の概要、ちゃんと聞いてたか?アイツは優先順位の違いから、オマエの方が勉強時間が長いと踏んで、そう言ったって言っただろうに。オマエ、時空論とやらに、頭が行き過ぎなんだよ」
「あぁ……」
「……つぅか、ヒナ。オマエ、崇秀より大分馬鹿だぞ。全然足りてねぇじゃねぇかよ」
「そんな事を言われたって……」
「あのよぉ。アイツの話を聞いて、弱音を吐きたく成る気持ちは、俺にもよく解るがな。オマエ、崇秀の一週間の平均活動時間を聞いても、同じ事が言えるか?」
「どういう事?それに何時間位なの?」
「まぁ、これは俺の予想に過ぎないんだがな。アイツの一週間の活動時間は、最低でも160時間以上だ。一日平均1時間ぐらいしか寝ないんだよ」
まぁ、知らんねんけどね。
アイツの普段の生活から考えたら、大体はコレ位のもんだろう。
なんでかつぅと。
この辺を、さっきのヒナの理論で埋めてる可能性が高いんだよな。
寝てる時間を、他の次元の体を使って過ごせば、疲れはチャラに成るからな。
そんな風に、相手の睡眠時間とかを利用してる可能性は高いわな。
なんとなく、そんな気がする。
(↑どこまでも全部推論な俺)
「一日、一時間しか寝ないって……」
「だからだな。そこが、多次元の自分にヒントを与える時間だと考えられないか?アイツは、そのヒナの、さっき言った理論を、そうやって上手く活用してるんじゃねぇの」
「あぁ……」
「まぁ、兎に角だ。アイツは、多次元の自分とは言え。他人を犠牲にしてまで、自分の成長を促そうとする様な奴じゃねぇんだよ。有効に使える時間を、有効に使うだけの話だ」
……っとまぁ、そうは言っては見たものの。
俺……何気に、なんちゅう、突飛ようしも無い話をしてるんだ?
SFだなSF。
スペース・ファンタジィーですぜ。
「だとしても。本当に、そこまで信用出来る人なの?」
「信用しねぇ奴だな。けど、俺にとっちゃあ。アイツは、世界一信用の出来る『ダチ』だな。それにアイツ、他人を犠牲にしない処か。逆に、人の為だけに、自分の身を切る様な奴だからな。……こんな奴を信用出来ないって方が、どうかしてるんじゃねぇの」
「そっ、そうなんだ。……でもさぁ、人って、凄い発見をしたら、自分の為だけに使うもんじゃないの?」
「一般論はな。でも、アイツに関してだけは100%それが当て嵌まらないと言い切れるな」
「なっ、なんで、そこまで……」
「なんでって。崇秀は『自分の才能は全部垂れ流す』って明言してる上に、それを常日頃から実行してるからだよ。アイツは、自分のメリットなんて小さなモノには囚われちゃいない。有るのは人の救済のみ。……現にアイツ、俺がヤクザに成らずに済む様に、今まで築き上げたGUILDを、平気な顔して全部譲渡しようとしやがったからな。それが良い証拠なんじゃねぇか」
まぁ、そう言う奴なんですわ。
一般人の俺なんかじゃ計り知れない様な事を、平然とやってのけるんだよな。
その上、自分が才能を持って生まれてる事を自覚してるから。
金を失う事や、地位や名声さえも失う事すら、なにも恐れちゃいない。
無くなれば、また得れば良いと考えてるからな。
まぁそう言う意味で言うなら。
オマエの言った『規格外の化物』ってのも強ち間違いではないのかもしれないがな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
ヒナちゃん、ちょっと怒られましたね。
まぁそうは言っても。
少しの説明だけで『瞬時にあの魔王の事を理解しろ』ってのは、あまりにも無理難題っと言うものですし。
なにより『そう言う崇秀の行動が当たり前』だと思ってる倉津君も、説明不足だったのは否めない話なので。
怒ると言っても、どちらかと言えば、説明する方に注力したみたいな感じなんですがね。
……にしても、そんな中ヒナちゃんが言った。
『へっ?……そんな研究成果を上げてるのに、善人なの?』は、あまりにも酷いものがありますがね(笑)
さてさて、そんな中。
倉津君の熱弁のお陰で、少しづつ崇秀という人物を理解し始めたヒナちゃんなのですが。
本当に理解しきれるのでしょうか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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