第四十一話『魔王降臨と、もう1つの告白』が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
041【魔王降臨と、もう1つの告白】
突然だった……いや、こう言う場合では、きっと『必然に現れた』と言うべきなのだろうか。
俺の眼の前には、今この瞬間、俺が、この世でもっとも期待していた存在の姿があった。
奴の名前は……仲居間崇秀。
ガキの頃からの腐れ縁で、何をするにも、なに1つ妥協が無く、全てをソツ無くこなす卓越した頭脳の持ち主。
今、コイツが此処に現れたって事は、俺にとっては、最大級の幸運な事だ。
何かしろ、あの寂しそうな表情をする奈緒さんを、コイツなら慰める手段が持ってるかもしれないからだ。
これは、きっと神様……いや、悪魔からのプレゼントだろう!!
奴を見た瞬間、俺は思わず、此処に居る他の全員の事も忘れ。
崇秀を、強引に海の家に引っ張って行った。
「ちょ、ちょっと、コッチに来い、崇秀」
「オッ、オイ、急に、なっ、なんだよ?オイってばよ」
「良いから、オマエ、ちょっと付き合え」
「なんだよ?気持ち悪い奴だな。わかったから、わかったから、取り敢えず、手ぇ離せ……ホモか、テメェは」
「あぁ悪ぃ」
「ッたくよぉ。なに考えてんだ、オマエは?」
文句を垂れながらも、近くにあった小ジャレた海の家に到着。
奴を椅子に座らせると、そこでコーラを2つを注文をし、俺はそのまま話を切り出す。
「いや、あのよぉ、オッ、オマエさぁ、こんな所でなにやってんだよ?」
「んあ?なんだよ、藪から棒に?急に引っ張ってきたと思ったら、そんな事が聞きたかったのか?」
「いや、まぁ、その、なんつぅか……」
煮え切らない態度だとは自分でも思う。
けど、こう言った事は、中々切り出せたものじゃない。
奴に期待する半面、言葉が上手く発せられなかった。
「うん?なんだ?おかしな反応をする奴だな。その様子じゃ、俺が此処に居ちゃ、なんか、オマエに不都合でもあんのか」
「いや、不都合なんかは、何もねぇけどよぉ……なんか、此処に用でもあるのかと思ってよ?」
「ったりめぇだろ。用がなきゃ、こんな人の多い所にワザワザ来るかよ」
なんだ?この得も言えぬ『期待感』は……
先程、コイツが自分で言った通り、コイツは、何の用もなくフラフラ海岸に遊びに来る様な真似をする男じゃない。
まぁそれ以前に、此処最近では、その遊びをする事すら無駄と感じているのか、全く遊ばなくなっている。
毎日の様に、なにかの課題を自分に科し、その目的にのみ向かって、真っ直ぐに邁進する傾向がある。
だから、用事が有る所にしか姿を現れない。
……っと、言う事はだ。
此処に、何かしろの音楽関係の用事がある筈だ。
今日……若しくは明日に、此処、湘南海岸で、何かしろの音楽イベントを打ち上げる可能性が非常に高い。
勿論、それが、どう言った内容の物なのかまでは、今現在の俺では全く解らない状況だが……もし俺の推測が正しければ好都合だ。
今、少し悲しい気持ちになってる奈緒さんを楽しませてくれる様な有り難いイベントだと助かるし、彼女の精神的にプラスになる、と言う可能性も同じく高いからだ。
思わぬ所で、良い思い出を作ってあげられるチャンスが巡ってきた様な気がした。
「っで、結局の所、なにしに来たんだよ、オマエ?」
「嫌だね。毎度毎度、そう簡単には教えてはやらねぇよ」
この言葉に、少し気焦りする。
話が解らないんじゃ、なんの手立ても無いのも同然だからだ。
「おいおい、頼むぜ、崇秀。此処で、なにがあるかぐらい教えろよ」
「やだね」
「……じゃ、じゃあよぉ、おっ、教えてくれたらよぉ。なんか1つだけ、何でもしてやるからよぉ」
必死になっている自分が良く解っている。
だが今は、この美味そうな話を逃がす訳には行かない。
「ほぉ、なんかしらねぇが、今回はやけに喰い付くんだな。……じゃあよぉ、俺の回答より先に、今日此処で何が有ったかと、此処最近のオマエと、向井さんの恋愛事情を包み隠さず言ってみろ。それが今回の件を教えてやる最低条件だ」
あぁヤバイな。
この馬鹿、俺の動揺から、なんか感づきやがったな。
いや……寧ろ、そう考える事すら間違っている様な気がする。
実の所、コイツは、全ての事を知った上で、敢えて、俺の口から、何かを言わさせるつもりなんじゃねぇのか?
けど、こんな事に迷ってる暇はねぇ!!
……っと、言いたい所だがだ。
奈緒さんとの恋愛事情は、流石に、簡単にベラベラと喋れるもんじゃないな。
何故なら、俺みたいな口下手な人間が、この件を下手に話すと、彼女の面子を潰してしまい兼ねない。
別にSEXした事とかを隠したい訳じゃないんだが……野郎と違って女性は、そう言う面に関して、やたらとデリケートだ。
我々馬鹿な男みたいに『女を抱いた事を自慢』する事は出来ない。
寧ろ、下手にそんな事を言ってしまったら、奈緒さんが『軽い女』や『淫乱』扱いされてしまう。
『たった3ヶ月』で、奈緒さんとHまで至ってしまったんだから、世間の眼が、そう見ても、おかしくはない。
幾ら崇秀が女性経験豊富だからと言っても、奈緒さんの事を、そう言う風に見る可能性が無い訳ではない。
誰であっても、奈緒さんの事を、少しでもそんな風に見て欲しくない。
だから、Hをした話だけは話せない。
「ちょ……ちょっと待ってくれよ。幾らなんでも、イキナリそりゃねぇだろ。今日、此処であった話なら、幾らでも、面白おかしくも話してやるが。奈緒さんの件は、易々と人に話す様な事じゃねぇだろ」
「ふむ……相も変わらずの甘ちゃんだな、オマエわ。高々、そんなちぃせぇ事も話せない様じゃ、話にもならねぇな」
「いや、その前にだな。その必要性を感じねぇぞ」
「……あのなぁ倉津。俺は、必要だから聞いてるの。必要ない事を、俺がわざわざ口に出して聞くと思うか?」
まぁ……そうだけどよぉ。
「あぁもぅ良い。言わねぇんなら、テメェでなにがあるか考えろ……どうせテメェのこった。向井さんとの思い出作りに困って、俺に泣き付いて来てるんだろ……違うか?」
「・・・・・・」
「ったく、馬鹿かテメェは?そうやってなぁ、人に頼る事バッカリ考えてるから、オマエは人間的に成長しねぇんだよ。……少しは頭使え、タコ」
「……ってもよぉ。世の中には、簡単に言って良い話しと、ダメな話があんだろうが」
「そうか?じゃあ、オマエの言う『言って良い話』と『ダメな話』の境はなんだ?……頼むから、女だとか、男だとか、クッソくだらねぇ事を、恥ずかしげも無く平然と言うなよ」
「・・・・・・」
いや、モロに、それなんだが……
「オマエ、ホント、馬鹿じゃねぇの?……まぁ良いや。今から俺が『オマエの勘違い』って奴を全て指摘してやる。それで納得出来たら全部話せ……良いな?」
「あっ、あぁ」
この調子じゃ、俺と奈緒さんがHした件は、間違いなく全部知ってるな。
けど、俺が口に出して、それを言わない限り、この件は一生涯立証をされる事はない。
幾ら知っていても、本人が認めない以上、それは仮説に過ぎ無いからな。
兎に角、口を閉ざせば問題は無い筈だ。
「良いか?まず、オマエの大きな勘違いは、自分達の事で、俺に頼ってる所だ」
「へっ?ちょ……それ、なんの話だよ?」
「良いから、黙って、最後まで聞け」
「あっ、あぁ」
「オマエさぁ、なんで自分の彼女との思い出まで、他人にプロデュースして貰う必要がある訳?向井さんの恋人を名乗るなら、なんで自分で彼女に何かしてやった方が、向井さんが喜ぶと思わない訳?……この時点で、オマエと向井さんの関係は、恋愛関係にすらなっていない。……ただのセフレとなんらかわらねぇんだよ」
「……たっ、確かによぉ。思い出なんぞ、他人に頼るもんじゃねぇが。今の現状じゃ、俺は、彼女を満足させる事なんて出来ねぇんだよ」
「あぁそうかよ。じゃあ俺は、テメェ等2人の関係がセフレって事で認めて良いんだな?もしそうだと言うなら、俺がオマエに変わって、向井さんを満足させてやる。その程度の関係なら、俺が彼女を楽しませてやるイベントぐらい、幾らでも出来るからな」
「違う。……俺は、確かに奈緒さんとHはしたが。決して、セフレなんて下衆なもんじゃねぇ。それだけは、絶対に認めねぇぞ!!」
それだけは、流石に違うぞ。
オマエに依存してる件は認めざるを得ない部分が多々有るが、奈緒さんとのHに関しては、決してそうじゃない。
俺は、奈緒さんを自分の彼女と認識した上で、大切の思うからこそSEXをしたんだ。
だから『セフレ』って言うのだけは違う。
「ハァ~~~、相変わらず、オマエは馬鹿だな。こんな単純な手に引っ掛るかねぇ」
「なっ、なにがだよ?」
「オマエさぁ。今、自分で、なんて言った?『向井さんとHした』って、自分で公言したよな。それ……オマエ等の関係を話してるのと一緒だぞ」
「がっ!!」
……アッ、アホか俺は?
またしても、崇秀の口車に乗って『ダメな話』の方をベラベラ喋ってるじゃねぇか!!
……奈緒さん、ごめんなさい。
バレました。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
うん……アホですな。
一体、ウチの主人公は、いつに成ったら少しぐらい賢くなるんでしょうね?(笑)
まぁ、そんなアホな倉津君ですが。
性交渉の件はさておき、また色々説教されそうな感じですね。
大丈夫なんですかね?(。´・ω・)?
次回は、その辺をお話して行こうと思います。
なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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