●前回のおさらい●
昏睡から目覚めた所で動けない眞子の髪形をパイナップルみたいにした奈緒さん。
その髪型を治して貰う為の交換条件として、倉津君の復帰後の勉強を見ると眞子が提案するが。
眞子が勉強を出来る事を知らない奈緒さんは……(笑)
「あの~~~、あのね奈緒ネェ」
「なによ?」
「私ね。これでも学年で一番賢かったりするんだよ。偏差値だって余裕で70近く有ったりするんだけどなぁ」
「はい?誰が?」
ちょ……なんですか?
その『アホが何か戯言を言ってる姿を見る様な酷い目付きは!!』
それって、人が全く信用してない時にする目じゃないですか!!
「あの……それは、私がなんですけどもぉ?なんですか、その不思議そうな顔は?」
「はい?なんで眞子が、そんなに偏差値高いのよ?そう言う見え透いた嘘は良くないよ?バレバレ過ぎ」
「いや、嘘じゃないですよ。本当ですよ」
「……ってか、眞子」
「あぁ、はい、なんですかね?」
「なんかアンタ誤解してるみたいだけどさぁ。偏差値って言うのは、試験で70点取ったら、偏差値が70って言う訳じゃないんだよ?そこ、ちゃんと解って偏差値って言葉使ってる?」
酷い……これは余りにも酷い認識だ。
って言うか、自分の妹の言葉なんだから、ちょっとは信じなさいよ。
しかも今までに、沢山のクラスメイトの勉強を見てきた私が、今更、偏差値の説明をされるなんて思ってもみなかった。
ドンだけお馬鹿ちゃんだと思ってるんですか?
超絶お馬鹿の真琴ちゃんと一緒にしないで下さいよ!!
「怒りますよ。偏差値の意味位、ちゃんと解ってますよ。大体70点位なら、授業を聞いているだけで、誰にだって取れますよ。それに、これでも、あれなんですよ。私の5教科平均は90点以上なんですよ。普段がお馬鹿ちゃんだからって、あんまり侮っちゃいけませんよ」
自慢じゃないよ。
事実だよ。
だって、勉強の内容が解ったら面白いもん。
「う~~~んとねぇ。眞子って、そんなに賢かったっけ?」
「まぁ、それなりには……」
「あれ?おかしいなぁ。私の記憶が正しかったら、強烈なまでの馬鹿のイメージしかないんだけどなぁ。これって気のせい?」
ヤッパリだ。
やっぱり奈緒ネェの中では、まだ、あの『50点も取れない』様な無様なイメージのままなんだ。
もぉ、ヤメテ下さいよぉ。
そんなのもぉ過去も良い所ですよ。
言わば、紀元前以前の恐竜が跋扈していた様な太古の昔の話じゃないですか。
それにしても、これはあまりにも悲し過ぎる認識だなぁ。
「あの~~……それ、いつの話をしてるんですか?私、こう見えても、勉強が好きなんですよ」
「誰が?」
「だからぁ、わ・た・し・が!!」
「嘘だぁ~~~。眞子だよ。一夜漬けしても50点しか取れない様なのが眞子だよぉ。そんなの嘘だぁ~~~。偽者だぁ~~~」
「いやいや、奈緒ネェ。眞子は、そんなにお馬鹿じゃないですよ。私は、今の中学でも、常に学年で上位に入る様な高得点しか取った事が無いですよ。だからそれ……真琴ちゃんの話じゃないですか?それって私じゃないですよね?」
……ってかですね。
そのお馬鹿キングちゃんは、間違いなく、奈緒ネェの彼氏の倉津真琴ちゃんですよ。
100%私じゃないんですよ。
「いやまぁ、そうなんだろうけど。な~~~んか信用出来無いなぁ」
「……って、言われましてもねぇ」
「あぁ、そうだ。じゃあ、論より証拠。因みに眞子」
「あいあい」
「この間の夏休み前の期末テスト。君の得意な数学は何点だったの?こうなったら、得点で判断するしかないからね」
「そうですね。因みに数学なら100点でしたけど」
だからぁ、その顔辞めて下さいよ!!
「はい?……じゃ、じゃあ、一番不得意な古文は?」
「91点ですね。ちょっと、ツマラナイ勘違いしちゃいましたから」
「あれ?……誰?君?」
ちょ!!そっ……そこまで言いますか?
真実から目を逸らしちゃダメですよ。
眞子は意外と賢い子なんですよ。
「いやいや、アナタの大切で可愛い妹の向井眞子ですけど」
「えぇ~~~、嘘だぁ~~~~。なんか信じられない、そんなの眞子じゃないよぉ~~」
「酷い……なんて言い草ですか。頑張って勉強してるのに、酷過ぎる……」
まぁ、しょうがないんだけどね。
「ハァ~~~~……それにしても眞子って、とことん嫌な女だねぇ」
「なんでですか!!なんで急に、そんな酷い事を言うんですか!!」
「だって、可愛くてぇ。プロポーションが良くてぇ。勉強が出来てぇ。スポーツ出来るなんて、どんな嫌な女よ。世界一嫌なタイプの女だよ」
「いやいや、それ、奈緒ネェの事じゃないですか。去年の海岸ライブの時、理子さんが、今の奈緒ネェと同じ事を言ってましたよ」
「うわっ!!この女、とうとう嫌味まで言い出したよ。……このパイナップル最悪だよ」
嫌味なんて言って無いですよ!!
本音!!本音!!
奈緒ネェが凄いって言うのは、本音!!
「もぉ、そんな意地悪言わないで下さいよぉ。私は、奈緒ネェを目指して頑張って来たんですよ。それをそんな風に言われたら、身も蓋もないじゃないですか」
「それで私を抜いたと思ったから、こんな提案をして来たんだ。……最悪だよ、このパイナップル」
ってか、さっきから、パイナップル、パイナップル言わないの!!
大体にして、悪戯で、こんな頭にした張本人は奈緒ネェ自身じゃないですか!!
誰が好き好んで、こんな頭にしますか!!
「いや、もぉ、ホント、やめて下さいよ」
「ヤダ。私は、自分より出来る女が嫌いなの。だから、そんな眞子嫌い」
「嫌わないで下さいよぉ……大体、奈緒ネェより出来る人なんて居ませんから。一体どんな観点で生きてるんですか?」
「私の主観。だから、眞子嫌い。可愛くない。くたばれ」
「酷過ぎる。……奈緒ネェの妹として恥掻かせない様に頑張ったのに……」
「頑張り過ぎ。……姉より優れた妹なんか存在しない」
「ジャギですか!!」
なんで此処で『北斗の拳』?
しかも、一番ダメな感じの北斗の3男坊って……
「じゃあ、私の名前を言ってみろ」
ほぉほぉ、そこでジャギの名台詞第二弾ですか。
意外と北斗が好きなんですね。
私も好きですよ。
「えぇっと、私が敬愛して止まない、向井奈緒おネェ様です。ですから私を、どうか、向井軍の幕下にお加え下さい」
「また裏切られそうだから、ヤダ」
「『また』って言わないで下さい!!反省してますから、2度と裏切る様な真似はしませんから」
「……ヤダ」
「もぉ、この人は……」
なんで?なんで、そこまで意地悪するんですか?
お馬鹿で、どうしようもない妹より、まだ、賢い妹の方が良いじゃないですか!!
ですから此処は1つ、妥協しましょうよ妥協。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
奈緒さん、最後まで難癖付けて眞子の言葉を信用しませんでしたね。
まぁこの辺に関しては、一度こびりついてしまった認識と言うのは、なかなか変えられないものと言った所なんでしょうが。
それとは別に奈緒さん自身が、お馬鹿な倉津君の世話を焼くのが好きな所があるので。
今の眞子じゃ、そこが無くなってしまった様な感覚に囚われて、なかなか受け入れられない部分でもあるのかもしれませんね(笑)
さてさて、そんな風に、眞子の言葉を信用しない奈緒さん。
次回は、そんな奈緒さんへの説得の続きを書いてこうと思うのですが。
果たして、眞子の言葉は奈緒さんに届くのか?
そんな感じのお話ですので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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