最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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743 あぁ……この店ダメかも

公開日時: 2023年2月19日(日) 00:21
文字数:2,300

●前回のおさらい●


 奈緒ネェのバンドから外されての同行なので、少々退屈気味の眞子。

そんな眞子をドライブに誘ってくれ。

崇秀が教えてくれた楽器屋さんに、ホランドさんと向かうのだが……崇秀推薦の店なだけに大丈夫なのか?

 ……まぁ車内で、そんな楽しい時間を満喫させて貰いながら。

ホランドさんと私は、とうとう一軒の『ビンテージギター・ショップ【骸(MUKURO)】』さんの前で車を停めて、店の前に立った。


うん……けど、なんなんでしょうね、これ?

お店の外観を見ただけでも、もぉ嫌な予感しかしませんね。


そりゃあね。

崇秀が御贔屓にしてる店だから、マトモな店だとは髪の毛先ほども思ってなかったんだけどさぁ。


この店……見た目からして、かなり不気味な感じがするよ。


店自体が『骸(MUKURO)』って名前の通り、ハードロック系の店造りなんだけど。

店の造り自体が、結構な具合にボロいもんだから、更に、不気味な雰囲気を醸し出してますし。

店全体に、なんか……蔦らしいものが、異様までにビッシリ絡まってるんだから、もぉどうしようもない。

それによく見ると、壁もアチラコチラにヒビが入り捲くってる状態。


兎に角、解り易く言うと『数十年、放ったらかしにされた空き家』を外観をしているのよ。

そこに『ボロイ看板と、傷だらけのショーウィンドウを、無理矢理くっ付けただけ』で『かなり無理のある改造をされている』って感じなんだよね。


ホント、もっと解り易く言うと『魔女でも住んでそうな不気味な感じ』を漂わせてる。


あぁ……でもね。

流石は、崇秀が推奨する店だけの事はあって。

店の『擦りガラスか!!』ってぐらい燻んだショーウインドウには。

結構なビンテージモノである、ミント状態(未使用)の『Fender 68 Mustang』なんかが、驚愕の値段で飾ってある。


なんか……よく解んないけど、此処だけは無駄に凄い感じだけはする。



そんな、なにやら嫌な予感しかしない店に、2人で入って行った。


***


 うん?なに、どう言う事?


店の中に入って、まず思った事はね……

表の不気味な外観とは打って変わって……店内全体が、清掃が行き届いているのかして、凄く綺麗!!


もぉ床なんか無駄なぐらいピカピカで、既に別世界ですよ。


それに置いてある商品自体も、凄く綺麗にディスプレイされてるから、楽器自体が、なんとも言えない様な輝きを出している。

しかも、その商品の殆どが、かなりの年代モノばかりで、私の見た所『40~70年代のビンテージモノ』ばっかり。


まぁ勿論、それ相応の値段の物ばっかりなんだけど。

なんか此処に居るだけで、意味も無く購買意欲が湧いて来て、楽器が欲しくなる様な衝動的なものを感じてしまう。


うん……ヤバイ。

これはもぉ、商品を見てるだけで、意味もなく買っちゃいそうな勢いですよ。


そうやって私が、ホランドさんの後ろから、店内をキョロキョロと見回していると。

カウンターに腰掛けている店主らしき人物に、ホランドさんが声を掛けに行ってた。



「つかぬ事を聞くが。アナタが此処の店主か?」

「チッ!!誰が店に入って来たのかと思えば、男の客か……なんだ?なんか用か?用がないならサッサと帰れ」


うわっ!!なんだ、この人?

来店したお客さんを、こんなに粗悪に扱う人は初めて見た。


しかも、ホランドさんが声を掛けたのにも拘らず。

カウンターに座ったままプカプカと煙草を吹かして、新聞を読んだままで、そこから全くと言っていい程、動く気配すらない。


勿論、これ以降も、そのスタイルを貫き通すつもりらしく……新聞越しに話してるよ。


ホントある意味、凄い店だね。


まぁそれ以前にも、店内を見回してて謎に思った事なんだけど……なんでこの店『日本のアニメグッズ』なんか置いてあるんだろ?


……謎が謎を呼び、謎は深まる一方だ。



「いや、まだ用が有ると決まった訳ではないのだが。まずは確認と思ったのだが」

「オイオイ、初心者のギター童貞小僧。先に言って置くがな。オマエみたいな小僧なんぞに、ウチの商品は売れねぇぞ。ギターが欲しいなら、日本の雑誌の裏に載ってるPHOTO-GENICでも、まずは買って、糞ほど練習してから出直して来い」

「……店主。それは少し、失礼な発言ではないか?罷り也にも、私は客だぞ」

「はぁ?客だと……二十歳そこいらのクソガキが、楽器持ってるぐらいで偉そうにほたえるな。客かどうかは、オイラが判断してやる。……だから、さっさと帰れ糞小僧。オマエに売るものはねぇ」

「きっ、貴様ぁ!!先程から下手に出て聞いていれば!!貴様!!何様のつもりだ!!」

「オイラは、何様でもねぇよ。ただな。オイラの店の楽器は人を選ぶってだけの話をしてんだ。……それでテメェは、それに値しねぇって言ってんだよ」


うわ~~~~……流石、崇秀御贔屓の店だ。


店主からして、高圧的でロクなもんじゃないね。


なんか余計な事を言われる前に……さっさと帰ろうかなぁ。


此処は、危険ですよ危険。


危険地帯ですよ



「なら、貴様は、私の出す音に納得出来たら、私を客と認める訳と言う訳だな」

「小僧を客として認めるだと?……ははっ、面白ぇ。良いだろう小僧。オマエの言う『オイラが納得出来る音』とやらを出してみろ」


どこまでも高圧的で、なんて横柄な店なんだろ。


お客さんのニーズは、基本的に無視ですか?


まぁそうは言っても。

そうやって文句を言いながらも、咥えタバコをしたままだけど、ホランドさんの音だけは聞く気にはなったのか、読んでいた新聞をバサッとカウンターに置いて立ち上がった。


そんで、死ぬ程、気だるそうに、コチラを見たかと思うと……不意に、私と眼が合ってしまう。


どうやら、この様子からして、今まで私の存在には全く気付いていなかった様だ。


一応、眼が合ってグツが悪いので、ちゃんと挨拶はするけど。

それだけで、さっきホランドさんに言ったみたいに、意地悪く、酷い事は言わないでね。


そんな事したらビィビィ泣くからね。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


やっぱ、崇秀推薦の店はダメでしたね(笑)

一筋縄でいかない処か、それ以前に、もぉ既に、お客さんをお客さんとして扱う気がないっとしか思えない行動を取りながら、罵詈雑言を放ってきましたね。


いや、ホント、ダメだこりゃ。


そんな態度の店主が新聞を取った際に、とうとう眞子の存在に気付いてしまった様なのですが。


さてさて、眞子の運命や如何に!!

矢張り店主に、罵詈雑言を浴びせられ、泣かされてしまう運命なのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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