●前回のおさらい●
何故か、荷物運びを手伝うだけの筈だった話が、恋愛話に(笑)
そして、由佳ちゃん(大谷さん)は……
「あぁ~あっ、折角、文化祭の最後まで取って置こうと思ってたのになぁ。もぉしょうがないなぁ」
「はぁ?ってオイ!!ちょっと待て、ちょっと待て、オマエ、なんの話をする気だよ?」
「好きだよ」
「へっ?」
「だ~か~ら~『倉津君の事が好きだよ』って言ったの」
あっ?ああぁ~~~~れうえぇぇぇ~~~~~?
どこをどう間違って、急激に、こんな話になったんだよ?
そんな前フリ、どこにもなかった筈だぞ。
……しかしまぁ、あれッスな。
女子からの告白ってのは、何度されても、瞬間的に気持ちがグラ付くもんッスな。
一瞬だが、心臓が破裂しそうなぐらい『ドキドキ』したもんな。
しかもな、告白する時の女の子ってな、妙に『綺麗』か『可愛く』見えるんだよな。
けど、由佳が、どこまで真剣なのかはわからねぇが、俺には、奈緒さん以外の女ってのは考えられない。
だから、せめて、ちゃんと答えを返してやらないとな。
「あのよぉ……」
「あぁ、わかってる、わかってる。彼女の件なら、とっくに了承済み。それを加味した上での話をしてるの」
「だったらよぉ……」
「だからさ。倉津君に迷惑掛けない様に、あたしは、別に2番目の女でも3番目の女でも良いのよ。『友達以上、恋人未満』って関係でどぉ?」
「なっ、なんだよ、それ?」
「うん?倉津君が別れるのを待つなんて言うのは、あたしの性に合わないからさ。まずは、遊び相手として見て欲しいって事」
ええぇええぇぇぇ~~~っ!!
どこから、そんな吹っ飛んだ発想が飛び出してくるんだ?
オマエは、出来の悪い思考型ビックリ箱か!!
大体にしてなぁオマエ。
女って生き物は独占欲が強くて『自分が常に一番』で有りたいものじゃないのか?
特に大人の女性にも成っていない感性の未成年の女子は、恋愛に関しては『一番じゃなきゃ嫌だ』って傾向が強いって話だぞ。
なのにオマエは、それを『自分は二番目でも良い』なんて、どういう了見だよ?
コイツの思考が全く読めねぇ。
「ちょっと待って由佳。それじゃあオマエが『都合の良い女』になっちまうんじゃねぇのか?」
「そう。あたしは、倉津君に、それを望んでるの」
「なんでまた、そんな茨の道を行く必要があるんだよ?オマエだったら、俺なんかより良い男を引っ掛けられるだろうに」
「かもね。けど、そう言うの関係なくない?」
「なんでだよ?」
「うん?わかんないかなぁ?『好きだから』に決まってんじゃん。それに、好きでもない奴に好かれるのは気持ち悪いだけ」
「だったとしてもよぉ。俺が、オマエをそんな風に見るの……なんか違くねぇか?」
「深く考えすぎ。……そこまで深く考えなくても良いの。もっと単純明快な話なんだから」
「どういうこったよ?」
わからん……。
ホントに、コイツが、俺に何を伝えたいのかすら理解不能だ。
「あたしはね。倉津君と『恋愛オママゴト』がしたいの。恋愛の良い所だけをピックアップして、お互いで、この時間だけを共有する。それ以外の嫌な部分は全てカット。だから、今はまだ『恋愛』には至らないの」
「それじゃあ、ただの友達で良くないか?」
「だから、そう言う普通の関係じゃなくて。学校では普通に接してるのに、外で逢ってる時だけ『恋人』として相手を見る。そう言う関係をやってみたいのよ」
「……けどよぉ。さっき、オマエが自分で言ったじゃねぇかよ。俺は、そんな器用に出来てないって」
「ふふ~ん。器用に振舞えなくなったら、その時は、あたしに嵌っちゃえば良いじゃない。好きになってくれるんなら、あたしは、いつでもOKなんだからさ。……それまでは、恋愛遊びORお試し期間って事でね」
あぁそうか……そう言う事だったんだな。
今のこの意見を聞いて、薄っすらとだが由佳の狙いが、漸く見えてきたぞ。
この由佳の言い分を曲解してみた場合『楽しい』って部分を重点的に考察すれば、自ずとある答えが出てくる。
自意識過剰かも知れないが、由佳は、その期間中に……『俺を落とす気』だ。
何故なら、由佳との関係で『楽しい事』しか無いんだったら、奈緒さんと『嫌な事が有った時』に由佳を逃げ道として甘えられる。
そこで、なにかしろの秘策を彼女が用いれば……俺は、少しづつだが由佳に気持ちが靡いてしまう可能性が非常に高い。
これが由佳の思考で合ってるのであれば、中々綿密に計算されたシナリオだな。
だが、オマエは1つだけ見誤ってる。
俺は、以前に、これに良く似たケースに遭遇した事があったから、そんな解りきった手口には乗らないんだよ。
この方法は、各々やり口が違うにせよ。
崇秀の言う所の、完全に『ステラのやり方』だからな。
なるほどな。
気付いてしまえば、意外となんて事はない。
言い回しは違えど、根本に通じるラインは一緒だからな。
なら……
「そっか。……考え方に寄っちゃあ。それも悪く無いな」
「でしょ!!」
「けど、悪い話じゃないのは解ってても、ヤッパ、この話は辞めとくわ」
「えっ?……嘘?どうして?」
美味しいからって、話に乗れば良いってもんじゃない。
そう言う関係って実際は……ダメ過ぎんだろうしな。
それになにより俺には……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
いやはや、色んな事を考える女の子がいるものですね(笑)
ですが、結婚でもしていない限り、付き合ってる程度の状態であれば、恋愛は奪い合い。
男女に関わらず、付き合ってる異性より魅力を感じさせる事が出来れば……実際は勝ちですからね(笑)
さてそんな中。
由佳ちゃんに交際をキッチリと断った上で、倉津君は、まだ何か言いたそうな雰囲気ですね。
まぁ此処でいつもなら。
『俺には奈緒さんがいるから』的な事を言う場面なのですが……今回は、ちょっと違うのでご期待ください。
そんな感じですので。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!