第五話スタートです(*'ω'*)ノ
まぁ、4話の続きなんですけどね(笑)
学校で眠りについた俺が目を覚ましたのは、予想に反する事無く、矢張り放課後だった。
いや、正確に言えばだな。
まだハッキリと目覚めていない訳なんだが……周りが、何やらゴチャゴチャと騒がしいので、半分目を覚ましてると言った方が正確かもしれん。
だから今、放課後とは言ったが、コチラも正確には放課後なんだろうなってぐらいの認識でしかない。
故に、この状態になっているのも、終業のベルが鳴ったからと言う訳ではない。
そんな中、誰かが、俺にはなんの断りも無しに、近くのカーテンと窓を開けた。
当然、眩しい日差しが入ってきて、なんとも言えない春の日差しと、少し温かな風が頬を掠めて行く。
これが、なんとなく俺が起きた始めているなって、自覚してる最大の要因だ。
「んだよ……糞眩しいなぁ。帰宅する前で悪ぃが、誰かカーテン閉めてくれねぇか」
「オイオイ、睡眠大王。いつまでもクダラン寝言を言うてやんと、ええ加減、起きさらせや。もぅ放課後やで。オマエ、いつまで寝たら気が済むねん」
「んだよ?誰だか知らねぇけど、うっせぇなぁ……まだ昼休み終わった所じゃねぇのかよぉ。だったら、もぅちょっと寝かせろ」
「アカンはコイツ、マジで全然起きよらへん。コイツだけは、一体、どんな時間感覚で生きとんねん」
誰だか知らねぇけど、もぅ少しだけほっといてくれ。
朝から学校に登校すると言う苦行を乗り越えた俺には、まだまだ、こんなもんじゃ寝足りねぇんだよ。
つぅか寝かせろ!!
「放って行くで……えぇんか?」
「好きにしてくれ。俺は、まだ目覚めちゃいネェ……これは、まさに寝言だ」
『パコーン!!』
っと言う、凄い音が教室に鳴り響き。
激しい音と共に、俺の後頭部に何かがブチ当たった。
だが、音の良さとは別に、痛みは、全くと言って良いほど感じられない。
「アホかオマエは!!もぉ十分に起きとるやないか、ボケ!!いつまでも、ショウモナイボケかましてやんと、さっさと起きぃ!!オマエに付き合っとったら日が暮れて、朝日まで昇ってまうわ!!」
この独特の関西弁……
どうやら、さっき俺の後頭部を叩いたのはアホ関西人の山中の様だ。
通りで、矢鱈と痛そうな音がデカく鳴り響いた割りに、痛みを感じない訳だ。
これこそ、卓越した熟練関西人の突っ込みって奴か。
痛そうに聞こえても、全然、痛みを感じない不思議な突っ込み技。
いやいや、少しだが感心したぞ。
まぁ、そんな有り難くもないツッコミを頂いた俺は。
これ以上、無意味に突っ込まれるのも面倒なので、ゆったりとした動作で重い体を起こす。
「うっせぇなぁ~~~っ。ちょっとぐらい待てよ。今起きっからよぉ。ゴチャゴチャ言わずに、もぅちょっと待てっての」
「全然うっさないわ。御託はえぇから、はよ起きぃ。ほんま、オマエだけは、何やらしてもトロ臭いやっちゃのぉ」
「トロ臭ぇ?別にトロ臭かねぇだろ。俺は、今、寝起きだぞ。早々に、血の巡りが良くなる訳ねぇだろに」
「アホ臭ぁ~~~ッ。オマエは、もぉ百回と言わず、二百回ぐらい死ね。言うに事欠いて、何が今起こされたトコじゃ。俺が起こし始めてから、もぅ10分以上は経っとるわ」
「あのなぁ、そんな訳ねぇだろ……俺は、今のオマエの突っ込みで、漸く、目覚め始めた所だぞ」
「んな事、十分有るんじゃ。オマエのせいで、この10分間、1人で、どんだけ虚しいボケと突っ込みを繰り返した思てんねん……ほんま賽の川の渡り賃払たるから、早々にクタバレ」
あぁそう言えば、そんな気がしないでもないな。
なんか寝てる間にも、耳元で、ズッとゴチャゴチャと漫才みたいなの物が聞こえてた様な気がするな。
あれ……オマエだったのな。
……悪ぃ。
俺、寝起きとか、あんま良くねぇから、中々気付いてやれなかったみたいだな。
悪ぃ、悪ぃ。
今度から気をつけるわ。
「んで?俺を叩き起こしたのには、それ相応の理由があんだろうな……なんか用かよ?無かったら、問答無用でシバクかんな」
「オマエは、医者も匙を投げだす程の認知症のボケ老人か?秀の所に行く言う約束しとったんちゃうんけ?」
「ふあぁ~~~っ……あぁ、そう言えば、そんな約束をしてたな。悪ぃ、眠気のあまり、スッカリ忘れてたわ」
「コイツだけは……まぁえぇ、オマエと話しても埒がアカン。行くで」
「はいよ、はいよ」
鉄板入りのボロボロの薄汚れた鞄と、ベースの入ったハードケースを持って、山中の後ろをノロノロとした緩慢な動作で付いて行く。
目指すは、第二音楽室かっ……メンドクセにも程があんな。
無駄に、あんな約束するんじゃなかったよ。
***
寝起きのせいもあって、俺は、いつも以上に機敏に動けない。
ふらふらと、ゆっくりとしたペースで、音楽室に向かって歩くのが精一杯だ。
そんな感じの亀走法なので、恐らく、到着までは、かなりの時間を要する筈だ。
そんな俺に対して、山中は。
教室を出てからと言うもの、俺のトロ臭い動きに対して、意味も無く、横でギャアギャアと異論を唱えてはいるが、基本的に、そんなもんを聞く気はない。
いつも通り、山中を無視してノタクタとゆっくり歩く。
そうやって俺は、山中の命令も聞かず、自分のペースを乱す事無く歩き続けた。
「メンドクセ……あぁメンドくせぇ」
それで出た言葉が、これだ。
流石の俺も、これには、自分でも少し呆れた。
……とんでもない自分勝手さだ。
「グダグダ文句ばっかり言うとらんで、はよ歩けや、ボケ老人。すっかり日が暮れてもぉてるやんけ」
「ふわ~~~っ、そんな焦んなよ。焦んなくても、あの馬鹿は逃げたりしネェって」
「オマエって、ホンマ、呆れるぐらいマイペースやな。感心するわ」
「気にしねぇ、気にしねぇ。どうせアイツの事だから、放って置いても、なんか勝手に一人で遊んでるって」
「あぁ、もぅえぇわ。オマエの相手すんのにも、ほとほと疲れた。ゴールは目の前やし諦めるわ」
「そうか、そりゃ良かった……『狭い日本、そんなに急いで、どうするの?』って、名言も有る事だしな」
どこかで聞いた様なキャッチコピーを口にして、山中を、更に呆れさせる。
そんな俺を、今度は山中が無視。
まぁ、こればっかりは、しゃあねぇだろうな。
俺でも、シカトする様なツマラナクもショウモない言葉だ。
だが、そんな俺の言葉とは裏腹に、山中は……
「マコ、おもんない事を言うてやんと、ちょう黙ってぇ。音楽室の中に、秀の他にも誰かおんねん」
はぁ?そりゃ居るだろ。
そいつに逢う為に、ワザワザこんな遠方まで来たんじゃねぇのか?
なに言ってんだ、コイツ?
俺は山中を押し退けて、第二音楽室の中に入ろうとする。
はい、っと言う感じで始まった5話なのですが。
倉津君は、本当に何しに学校に来てるんでしょね?
完全に寝に来てるだけですね。
しかも寝起きまで悪い上に、起きてからの行動も遅い来たもんですよ(笑)
そんな風にしながらも、やっと辿り着いた『第二音楽室』
此処で、何が起こるかは次回の講釈です(笑)
あっ、最後までお付き合いありがとうございました<(_ _)>
(後書き冒頭での言い忘れ(笑))
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