第三十話『最後の蟠り』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
030【最後の蟠り】
追試終了後。
俺達は横浜『Live-oN』に向って、急ぎダッシュで校門を抜け、まずは駅に向う。
……だが、その為には、ある物が必要だ。
まず、それを得る為には、学校から、少し離れた大通りまで出る必要がある。
そんな理由から2人で大通りまで走り出たら、俺は、個人的に周囲を見回す。
すると、その場に止まって休憩をしていた、その、ある物を発見。
俺は素早く、それの扉をノックした。
「オイ!!サッサとこの扉を開けろ。こちとら急いでんだ。乗車拒否なんてしやがったら、この辺で商売出来ねぇ様にすんぞ!!」
俺がノックしたのは、言わずと知れたタクシー。
運転手は、俺の顔見て。
その上、今の言動を聞いて、頗る嫌な顔をしたんたが、諦めて扉を開いた。
扉が開くと、真っ先に山中を車内に放り込み。
俺も続いて、そのタクシーに乗り込んだ。
「お客さん、どちらまで?」
「駅までだ。近場で悪いが、マジで急いでんだ。頼む、早く出してくれ」
「はい~」
運転手のオッサンの気のない返事と共に、タクシーは、俺の希望通り走り出した。
まぁ、高々駅までの移動の為にタクシーを使うなんて、一見すれば、ただの無駄使いをしている様にしか見えないのかも知れないがな。
これには、ちゃんとした明確な理由がある。
まず、第一の理由として上げられるのは『距離と時間』
兎に角、学校から駅までの距離が、結構遠い。
なんせウチの中学校から、最寄の駅までの距離は、チャリンコを思い切り飛ばして、最低でも10分ぐらいは掛かる。
タダでさえ10分掛かると言うのに、今は、その移動手段である自転車さえもない。
それをノタクタとクソ重たいハードケースを担いで歩いて行ったら、それこそ、余裕で40分ぐらい掛かってしまう。
現時点で、ライブ開始までの時間が約3時間。
少しでもリハーサルをしておく為にも、この一分一秒の時間が惜しい。
だから、これが第一の理由に成る訳だ。
第二の理由は、勿論『体力面』
言うまでもなく、この後、俺達は、バンドの存亡を賭けたライブが控えている。
なのにだ。
まだライブも始まってもいないのに、こんな所で無駄なダッシュを40分もして体力を消費してしまったら、それこそライブ中にブッ倒れちまう。
それに三日前から続く連日のオールが、ライブに影響がでないとも限らない。
もし此処で、ぶっ倒れでもしたら。
なんの為に、昨日、練習を少なくしてまで、必死に勉強してテストを受けたのか解らない。
俗に言う『本末転倒』だ。
だからこれは、それらに対する、一種の打開策としてタクシーを使った訳だな。
そんな訳で……俺が下した判断は、素早くタクシーに乗って、少しでもライブに対するコンディションを整える。
今はなにより、全ての負担を減らす事が大事だ。
『時間の削減』
『体力の温存』
この2点の為なら、実費だろうが、なんだろうが、金なんぞ惜んでいる場合じゃない。
寧ろ、ソッチの方が最重要事項だと言えよう。
……てな訳で。
休憩中のおっさんには悪いとは思ったが、無理を言ってまででも、駅まで運んで貰った訳だ。
***
駅に着いたら、請求された金額より多い札を出し。
小銭の釣り銭は受け取らずに走り出して、電車に連絡する。
今回は、いつもと違い、どうやら運が良い様だ。
階段ダッシュをしてプラットホームに降りた瞬間『直後に電車が来る』と言う超幸運に見舞われたからな。
それにより『イライラしながら電車を待つ』と言うストレスから開放された事にもなる。
そんな風に来た電車に、山中と俺は直ぐ様、乗り込み『横浜駅』を目指す。
序に言えば、前の方のボックスが空席だったので、そこに座る事にした。
此処が空いてるとは……今日は、実に幸運な日だと言えよう。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回はタクシーに乗った理由を書いただけなので、凄く短くなってしまいましたね。
そして次回からは、ライブハウスに向かうまでの電車でのお話をしていきたいと思います。
まぁ大した話ではないのですが。
此処で色々な事が解る事がありますので、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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