●前回のおさらい●
素直ちゃんを駅まで送って行ったまでは良かったが。
そこで素直ちゃんのお喋りが炸裂して、凍えそうになる倉津君。
それを伝えると、素直ちゃんが『別れ間際に最後のお願い』をしてくる。
「うん?どうしたの?」
「あの、あのね」
「うっ、うん」
「眞子ちゃん……ずっと……ずっと、僕と友達で居てね。眞子ちゃん、居なくならないでね」
がぁ!!
最後の最後で、何を言い出すのかと思ったら。
素直の奴、トンデモねぇ様な最大級の爆弾が投下して来たもんだな……オイ!!
そうやって眞子に存在し続けろって事は……男の俺の存在が、完全に否定されてるのと同じなんだけどな。
……けどまぁ、この場合なら、眞子には秋田出身って設定があるから。
やり方次第では『離れてても友達』とか言うのでもなんとかなるかもしれなんな。
実際、男に戻れたら、戻れたで、そうやって手紙や、メールでやり取りしてるだけでも、ある程度の誤魔化しも利くだろうしな。
急場凌ぎの粗悪な思考だが。
まぁ、そこまで深く考える様な話でもないから、一応、こんな感じで返答しても問題ないだろ。
「うん。ありがとう。こちらこそ、よろしくお願いします」
「えぇっと、それって……」
「ズッと友達で居ようね」
「あっ、うんうん。ありがとう。……じゃ、じゃあ、これ以上僕が話しちゃったら、眞子ちゃんが風邪引いちゃいそうだから、僕、帰るね。眞子ちゃん、また遊んでね」
「うん、またね」
「じゃあ、バイバイ♪」
そんでこの後、素直は、持っていたカメラで俺との2ショット写真と、俺単体の写真を撮って、本当に嬉しそうな表情を浮かべならが階段を上がり。
その間も何度も振り向き。
俺の姿が見えなくなるギリギリまで手を振って、素直は家へと帰って行った。
まぁこれでアイツも、少しは気が楽になってくれれば良いがな。
それでこそ、今のアイツに対して、眞子の存在意義を示せた事に成るんだからな。
……にしても、今回の子の素直との一件、なんか少しだけ心苦しいな。
***
……さてさて、そんな微妙な心境に成りながらも。
そうやって素直を駅まで送り届けた帰りに、少しコンビニに寄って買い物をして帰る事にした。
何故、突然、こんな事を思い付いたかと言うとだな。
これはまだ、予想の範疇は超えないんだが……さっき見た美樹さんらしき人物が本当に彼女で。
あのまま彼女があ奈緒さん家に来訪して居たら、そろそろ『酒の肴』が足りない時間帯になって来てると思うんだよな。
だから、こうやって買い物をして帰ろうと思った訳だ。
いやまぁ、わざわざこんな事しなくてもだな。
放って置いても、奈緒さんが勝手に『酒の肴』を作ってくれる可能性はあるだろうけど……偶には奈緒さんだって、飲んでる時ぐらいは、ゆっくりしたいだろうしな。
そんな気持ちから、酒の肴を買って帰って来たんだが……
翌々考えると、奈緒さんの家にある食材を使って、俺が何かを作っても良かったんだよな。
まぁ勿論、料理が作れると言っても、奈緒さんが作る様な大層な物は何1つとして作れないけど。
酒の肴程度の料理なら、実は俺も実家で、よく自分の為に作ってたから、そう言うのが何品かは作れたりするんだよな。
故に、これって、要らん出費だったかも知れないな。
まぁ、買っちまったからもう良いっか(笑)
***
……ってな訳でだな。
そんな感じで、今、奈緒さん家の玄関まで漸く辿り着いたんだがな。
奈緒さんの家の中に入る前に、どうしても1つだけ、その前に発散して置きたいストレスが有るんだよな。
つっても、これ自身は、今の話とは、なんの関係ない話なんだがな。
―――それが、なにかつぅとだな。
馬鹿チャラ男が、女に向ってやる、あの『ひゅう~ひゅう~』って口笛を吹く行為。
あれ……女性側の立場に立って初めて分かったんだけど、マジで死ぬ程ムカツクな。
ホント、これは自分自身がやられて初めて解った心境なんだけどな。
あんなにも女性の心理を不快にさせるもんだったとは、マジで思いも寄らなかったよ。
いや……って言うのもな。
此処に戻って来るまでに、散々そんな風に道行く男共に散々冷やかされた上に、散々その『ひゅう~ひゅう~』ってのをやられたんだよ。
一瞬、頭に来たから、1人1人ぶん殴ってやろうかと思ったぐらい、やられ続けたんだよ。
それによぉ。
それをしない奴でも、人の事を舐める様にジロジロ見やがって……気持ち悪いつぅの!!
マジ、気分悪かったわ!!
そりゃあ、あんな鬱陶しい真似バッカリされたら、女性が男を相手にもせず、走り去っていく気持ちがよく解る。
ほんでよぉ。
(↑これが最後の愚痴だから、出来れば最後まで聞いちくり)
ちょっと『殺す様な勢い』で、そいつ等の事をジロッて睨んだら、スゴスゴと目線を逸らしながら逃げやがってよぉ。
ちょっと睨まれたぐらいで逃げるんなら、最初からコッチをジロジロ見んなつぅの。
俺は見世物じゃねぇつぅの!!
死ね、アホ、ボケ、カス!!
女子の嫌がる事しか出来得ねぇ、根性なし共が!!
―――って事で、ご清聴ありがとうございました。
はぁ~~~これで漸く心の中がスッキリしたんで、なんの蟠りも無く奈緒さんの家に戻れますわ。
ほんに、ありがとうごじぇましただ。
……しかしまぁ、なんでございますなぁ。
女子ってのは、常日頃から、本当にストレスが溜まる生活を強いられる生き物ですなぁ。
マジで疲れるわ……
なぁ、崇秀よぉ……頑張ってくれてる所、非常に申し訳ねぇとは思うんだけどよぉ。
はよう俺を、男に戻しちくり。
このままだと、女性のストレスで死んでまうわ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
現状での状況把握をしながらも。
素直ちゃんとは、真子としても友達であり続ける事を選択した倉津君。
こう言う所だけは、本当に気が利くんですよね(笑)
……っとは言え、そうやって眞子であり続けると言う事は。
奈緒さんの家に到着するまでに味わった嫌事を、日常的に味わうと言う事にもなりますので、それに成れない倉津君にしたら、その辺は難しい所でしょうね。
さてさて、そんな事がありながらも。
コンビニに寄ってから、奈緒さんの家まで帰って来た倉津君なのですが。
彼は此処で、ある衝撃の事実を『思い出す』事に成ります。
それが何かは、次回の講釈なのですが。
そこが少しでも気にして頂けましらたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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