●前回のおさらい●
やっと、女性の姿のままで外出した事に気付いた倉津君。
そこを奈緒さんに指摘され、調子を狂わせてしまうが、なんとか立て直す。
……が、此処からの美樹さんを踏まえた攻防戦で、ボロを出さずに乗り切れるか!!(笑)
「ねぇねぇ、そのややこしい苗字を持つ眞子ちゃんは、昔の兄貴君とか知ってるの?」
「『兄貴君』ですか?……えぇっと、ひょっとして、先程から言われてる『兄貴君』って言うのは、真琴ちゃんの事ですか?」
あぶねぇ~~。
足元を見たら、まだ『兄貴君』って地雷が埋まってやがった。
さっき少しでも冷静に成ってなかったら。
確実に、この美樹さんの放った『兄貴君』って地雷を踏んでチュボ~~ンって自爆して終わりだったな。
なんと言っても、この『兄貴君』って言う言葉を、今、上京したての真子が知ってたらおかしいもんなぁ。
おっかねぇ~~~。
「あぁ、ごめん。つい、いつもの呼び方をしちゃった」
「えぇっと、じゃあ、真琴ちゃんは、皆さんからは『兄貴君』って呼ばれてるんですか?」
「あぁ、みんなって訳じゃないんだけどね。私のツレは、みんな、そう言ってるね」
「そうなんですか?……なんか、そう言うイメージってないですね」
「なんで?みんなの兄貴って感じだよ。……年下だけどね」
「えっ?美樹さんって、真琴ちゃんと同い年じゃないんですか?」
「そんなに若くないって……」
あっ、口元が喜んだ。
……なんて、上手く一難が去ったと思ったら。
「う~~んとね。ちょっと良いかな?眞子ちゃん」
「あっ、はい、なんですか、樫田さん?」
「なんで君は、さっきから私だけ、そうやって苗字で呼ぶのかね?私だけハミ子かい?」
「えっ?いえ、そう言う訳じゃないんですけど」
「じゃあ、なんで?」
「えっ?だって、奈緒さんは、真琴ちゃんから紹介して貰ったから、ちょっと前から知り合ってましたし。美樹さんは、美樹さん、っとしか聞いて無いので、苗字が解りませんので」
「あぁ……そこね」
「眞子、気にしなくて良いよ。……コイツ、凄い馬鹿だから」
「うん、ホントに馬鹿だね。普通だったら、直ぐに気付くよね」
酷い……
「うるさいよ。この鬼ババァに、チョモランマ」
( ´,_ゝ`)プッ!!
この毒電波怪獣だけは、イキナリ何を言い出すかと思えば。
美樹さんの身長が170cm以上だからって『チョモランマ』とか言い出しやがったよ。
ヤバイ、大笑いそうになった……
笑いの神様、急に、こんな所に光臨すんなよな。
「だっ、誰がチョモランマよ!!そんなにデカくないわよ!!」
「チョモランマ……ぷぷぷ」
「ちょっと、そこでなにを笑ってるのかな?この鬼ババァは」
「ちょ、私の、どこが鬼ババァなのよ?」
「だって今、そこに居る馬鹿豚が、そう言ったじゃない」
「豚って言うな!!全然豚じゃないし。どこに目を付けてるのよ、この節穴姉妹」
「うるさい!!この欲豚!!」
「ホントうるさいよ!!この欲豚!!」
酷いな、これ……
あぁでも、美少女達の罵り合いって、ある意味有りかも……
……いや、嘘。
これだけは100%無いわ。
出来れば、こんな姿を見たくなかったな。
折角、持ってた、俺の皆さんへの綺麗な幻想が……
「うわ~~~ん、眞子ちゃん!!鬼ババァと、チョモランマがタッグを組んで虐める~。通称、世界一の鬼の姥捨て山コンビがぁ~~~」
飛び火?
ってか、オマエは、コッチに来んな!!寄んな!!
今オマエに関わったら、俺まで、この2人にROCK-ONされちまうじゃねぇかよ!!
今、下手に、奈緒さんの的にされたらなぁ、なに言われたもんか解ったもんじゃねぇんだぞ!!
だ・か・ら、可哀想とだけは思ってやるから……欲豚来るなぁ~~!!
つぅか後……チョモランマは姥捨て山じゃねぇぞ。
「アンタは、またそうやって、直ぐに他人の所へ逃げ込む。セコイ事してるんじゃないわよ」
「セコくないも~~ん。眞子ちゃんが、私の味方をしてくれるって言ったんだも~~ん」
「ちょ、あっ、あの……」
抱きつくな!!
この動くターゲット電波女!!
オマエと一緒に『チュボ~~~ン』って爆死するなんぞ御免被る!!
1人で死ね!!
いや寧ろ、1人で見事な爆死を遂げてくれ!!
「あっ、ちょっと待って……冷静に考えても、それだけはないんじゃない」
「なにがよぉ?眞子ちゃんは、私だけの味方だっちゅ~の」
「えっ、だって、自分では、そう言ってるけど。……アンタだけ、眞子ちゃんに下の名前で呼ばれてないんだよ。それって一番嫌がられてる証拠じゃん。+今の眞子ちゃんの態度」
「あっ、本当だ。それに第一、眞子は、私のものだからね。千尋に味方する理由なんてなにもないじゃない。……千尋って、ホント痛い子だね」
うわ~~~。
こう言う場面でも『冷静な一撃』って、一番効果が高いみたいだな。
それにしても、2人とも異性の目がないと平然と酷い事を言うよな。
まるで、蟻を踏んでも気付かない象の様だ。
無慈悲過ぎるって……
「酷い……そんな言い方って……」
「自業自得」
「そぅ、自業自得」
自業自得だとしても……ちょっと、それは。
2人にタッグを組まれて、酷い一撃を喰らった千尋は、流石に元気が無くなり、意気消沈して俯いている。
流石に、これは、ちょっと千尋が可愛そうな気が……
「う~~~ん……ってか、じゃあ、もぉ、それで良いや。飽きたからビール飲も。喉渇いちゃった。眞子ちゃん、千尋おねぇさんに、ビール入れておくれ♪」
「へっ?」
「はぁ?」
凹んだフリをして居た千尋は、突然、自己完結を宣言した。
その上、コタツの上にあった自分のグラスを素早く取ると。
俺の目の前に『注げ』と言わんばかりに、グラスを差し出してきた。
そして、それを見た奈緒さんと、美樹さんは呆気にとられて、ただ現状を見守っているだけ……
俺も訳が解らず、つい、千尋の言葉に反応してしまう。
「あっ、あぁ……はい」
「ありがとう。じゃあ、眞子ちゃんにも、千尋おねぇさんから返杯ね。はい、飲んで」
「あっ……はい」
満面の笑みで、コタツに零れるぐらい満タンビールを注いでくれる。
えっ?えっ?なにこれ?
「んじゃあ、眞子ちゃんは、千尋おねぇさんとだけ乾杯~~~♪」
「えっ?あっ、あぁ、はい……乾杯」
呆ける2人を無視して、俺のグラスに、強引に自分のグラスを当てて飲み出す千尋。
意味が解らない内に、なぁ~んとなく俺も口にする。
「プハァ~~~、美味しいね、眞子ちゃん♪……あれ?なんで、そこの2人は飲まないの?飲んでも良いんだよ。これ、いつも通り、そこに居る鬼ババァの奢りだから」
「「コッ、コッ、コイツだけは……」」
……( ゚д゚)ハッ!!!
ヤバイ!!
イキナリ千尋がショモナイ事をやらかしたから、さっきより強力に険悪な雰囲気だ。
一体、なに考えとんじゃ、コイツは?
取り敢えず、この場を納めねぇとな。
「あっ、あぁ、あの、落ち着いて、落ち着いて下さい。あっ、あの、みんなで飲みましょう。……楽しくね。楽しく」
「そうそう、喧嘩なんかせずに楽しく飲もうよ。喧嘩しちゃうと、ビールが温くなって、美味しくなくなるよ」
折角、俺がフォローしてやってんだから、当事者のオマエは黙れな……
黙らないと、そのイラン事を言う口を、バーナーで焼き付けるぞ!!
「うん……そっ、そうだね……楽しく飲みたいよね……ははっ」
「うんうん、私も賛成だなぁ……その意見……ははっ……」
「でしょ、でしょ。じゃあ、飲もう、飲もう♪みんなで楽しく飲もう♪鬼ババァも、チョモランマも仲良く~~~♪」
「「あのねぇ、千尋……」」
「うん?」
「「仲良く飲めないのは、全部、オマエのせいじゃあぁ~~~」」
「なんでぇ~~~!!」
『ポコッ』
『ボコッ』
「きゅう~~~~」
蓮校1号生・樫田千尋・大威震八連制覇にて死亡確認!!
よって、塚本美樹・向井奈緒ペアの勝利を、倉津眞子が宣言する……以上!!
……てかコイツ、ホント、馬鹿なんだな。
流石に呆れた……いや、それすらも通り越した。
でも、この異性の目を気にしない馬鹿なノリが『ちょっと楽しい』と思ってしまった自分が居なくなくも無かったりする(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
千尋ちゃんも大概アホですね(笑)
まぁでも、男性の目を気にしなくても良い女性同士の集まりなら、所詮は、こんな物なのかもしれませんね。
実際、女子会してる現場は、もっと酷かったりしますしね。
さてさて、そんな風にチヒロンが討伐されてしまった中。
次回は、奈緒さんと、美樹さんとの女子会に成るのですが。
此処で少し、真子として倉津君が意外な展開を見せますので、良かったら、また次回も遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!