●前回のおさらい●
解散したインディーズバンドに所属していた総帥。
そして、その心には、まだなにやら音楽に対して燻ってる気持ちが残っている様なので……
「だったらよぉ、総帥。もぉ一回だけでも、その情熱を表に出してバンドやってみねぇか?音楽で、もぅ一華咲かせてみねぇ?」
「はぁ?なんだそりゃあ?」
「いやな。実は、今度よぉ。俺と、俺の知り合いとで、新しい音楽サイトを立ち上げるんだよ」
「音楽サイトだと?」
「そうそう。GUILDみたいな音楽サイトをな。……っでな。俺のバンドにはメロディラインが居ないから、出来れば、総帥にはウチのバンドに入って欲しいんだよな。勿論、総帥は社会人だし、仕事があるだろうから、まずはHELPでも構わねぇし」
「あっ!!それ、沙那がやりたい!!沙那バンドやりたい!!」
あれ?
総帥じゃなくて、沙那ちゃんが、先に喰い付いちゃったな。
……って事は。
昨日、みんなでやったセッションが、相当、楽しかったって証拠なのかもしれないな。
でも、これって、まさかのWゲットの予感か?
まぁ……俺が、そんなに上手く行く訳ねぇけどな。
「おぉ、そうか。じゃあ、沙那ちゃんも、是非手伝ってくれるか?」
「うんうん。一杯手伝う」
「オイオイ、そんな事を言っても大丈夫か?滅茶苦茶期待しちゃうぞ」
「うん、滅茶苦茶期待して!!」
YES!!
モジャの頼んだ件だったが。
沙那ちゃんの勧誘が、意外な程に上手くカタが付いたな。
まぁそうは言っても、保護者である親父さんとの話し合いが残ってるけどな。
それにしたって、俺は運が良い男だな。
これぞまさに『棚から牡丹餅』状態だからな。
「……んで、総帥の方はどうだ?」
「微妙だな」
ヤッパリ、そうは万事が上手く行く筈もないか。
子供と違って、大人には色々な事情が有るだろうしな。
でも一応……
「なんか気に入らないのか?」
「いや、特別なにかが気に入らないって訳じゃねぇんだけどな。流石に、中学生と、小学生とバンドを組むのはなぁ。俺の年齢的にも、なんとも言えないよな」
「あぁ、そこかぁ。じゃあよぉ、早急に年代に合ったメンバーを探すから、参入の件だけでも考えて貰えないか」
「う~~~ん。悪かねぇけど。ヤッパリ、それも微妙だな」
「……って言うと?」
「いや、誘ってくれるのも、探してくれるのも、非常に有り難くはあるんだがな。集まったメンバーの音楽性が不一致だと意味がねぇだろ。もし、俺がやるとすれば、やっぱ、シャドウズみたいな『ロック』か『インストゥルメンタル』しかヤル気がないからな」
年齢や腕だけじゃなくて、一致する音楽性も条件に加わって来たか。
そうなると、少し難易度が高くなったな。
……って言うのもな。
昨今、シャドウズ系の音楽をする奴ってのは、かなり稀少に成って来てるから、そう言う人材を探し当てる事自体がかなり難しいんだよな。
けど、逆に言えば。
そこさえクリアーすれば、総帥がサイトに参入してくれるって方向には成ってる訳だから。
なら此処は、梃子でも探すしかねぇだろ!!
「おぉ、じゃあ絶対に、その条件で探し出してみせるから、是非、参入してくれよ」
「いやまぁ、そこまで言うなら、別に断る理由もねぇけどよぉ。倉津、オマエさぁ」
「うん?」
「俺の実力も知らないのに、よくそこまで肩入れする気に成れたもんだな」
「そりゃあ、そうだろう」
「また、なんでだ?」
「いや、だってよぉ。実力云々よりも、総帥には、まだ燻った気持ちが残ってるんだろ?だったら、知り合いの俺が起爆剤に成って、それを爆発させないで、どうするんだよ?そっちの方が意味解んねぇよ」
違うか?
こう言う人間の燻ってる気持ちってのは『今度は失敗したくない』って気持ちが強いから、意外な程に爆発力があると思わねぇか?
それに、一度失敗してるだけに、色々と慎重にもなってくるだろうしな。
だから此処は、実力云々よりも、ハートの方を重要視すべきなんじゃねぇの。
「ははっ……なんだそりゃあ。理屈もヘッタクレもないな。無駄に熱くて、意味解んねぇし」
あれ?これじゃあダメな方向か?
「ダメか?やっぱりダメなのか?」
「ぷぷっ……いや、全然ダメじゃねぇよ。寧ろ、傑作だな」
はい?傑作?
どういう事?
俺、そんな笑われる様な話をしたっけか?
つぅか、ドッチ?
「あのよぉ……」
「あぁ、心配すんな。仕事があるから、まぁ流石にバンド一本って訳にはイカネェけど。オマエのサイトには登録させて貰うよ。それと、バンドは捜さなくて良い。取り敢えずは、オマエのバンドの世話に成るわ」
「えっ?マジで?マジで、そんな事を言ってんのか?」
「あぁ、前から変な奴だとは思ってたけど、此処まで変な奴だとは思わなかった。そう言う無駄に熱い奴。俺、好きなんだよな」
おぉ……なにも考えずに、本能の赴くまま、相手に言葉を伝えたのが功を奏したみたいだな。
またしても『棚から牡丹餅』形式で、実力のある登録者が増えたぞ。
まぁ、それ以前に、元々総帥は無駄に熱いからな。
「うっしゃキタァ!!総帥GETだぜ!!」
「ポケモンか俺は?」
意外にも、ゲームするんだな、総帥。
因みにだが『ポケモン』は、アメリカでは『ポケットに入ってるモンスター』って意味で『チ〇コ』の事らしいぞ。
そんな話、今はどうでも良いな。
すんまそん。
「んじゃま。取り敢えず、サイトの登録が決まった所で、倉津には、俺の実力を知って置いて貰うか」
「おぉ、是非、見せてくれ!!」
俺がそう言うと、総帥はギターを構えるんだが……
「総帥、マコ。ちょっと待ってくれや」
……っと山中が話し掛けてきた。
なんじゃね?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
少々強引な感じには成ってしまいましたが。
倉津君の交渉は、何とか上手く纏まったみたいですね。
しかも沙那ちゃんまで、同時ゲットした模様。
この戦力増強は、サイトにとって大きいですね♪
なんと言っても総帥は、まかりなりにもインディーズレーベルと契約までこじつけた実力がある上に。
音楽に関しては辛辣な沙那ちゃんの折り紙付きなのですから、間違いなく下手な訳がありませんからね。
そして沙那ちゃんは、昨日、ネストに集まった人間ですら認める程の実力者なのですから。
さてさて、そんな風に2人との交渉が上手く成立した倉津君なのですが。
そんな倉津君に対して、山中君が、なにやら質問がある模様。
果たして、この交渉に関して、どんな疑問を持ったのでしょうか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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