最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1508 レッツ・スカウティング

公開日時: 2025年3月22日(土) 00:21
文字数:2,182

●前回のおさらい●


 解散したインディーズバンドに所属していた総帥。

そして、その心には、まだなにやら音楽に対して燻ってる気持ちが残っている様なので……


「だったらよぉ、総帥。もぉ一回だけでも、その情熱を表に出してバンドやってみねぇか?音楽で、もぅ一華咲かせてみねぇ?」

「はぁ?なんだそりゃあ?」

「いやな。実は、今度よぉ。俺と、俺の知り合いとで、新しい音楽サイトを立ち上げるんだよ」

「音楽サイトだと?」

「そうそう。GUILDみたいな音楽サイトをな。……っでな。俺のバンドにはメロディラインが居ないから、出来れば、総帥にはウチのバンドに入って欲しいんだよな。勿論、総帥は社会人だし、仕事があるだろうから、まずはHELPでも構わねぇし」

「あっ!!それ、沙那がやりたい!!沙那バンドやりたい!!」


あれ?

総帥じゃなくて、沙那ちゃんが、先に喰い付いちゃったな。


……って事は。

昨日、みんなでやったセッションが、相当、楽しかったって証拠なのかもしれないな。


でも、これって、まさかのWゲットの予感か?


まぁ……俺が、そんなに上手く行く訳ねぇけどな。



「おぉ、そうか。じゃあ、沙那ちゃんも、是非手伝ってくれるか?」

「うんうん。一杯手伝う」

「オイオイ、そんな事を言っても大丈夫か?滅茶苦茶期待しちゃうぞ」

「うん、滅茶苦茶期待して!!」


YES!!


モジャの頼んだ件だったが。

沙那ちゃんの勧誘が、意外な程に上手くカタが付いたな。


まぁそうは言っても、保護者である親父さんとの話し合いが残ってるけどな。


それにしたって、俺は運が良い男だな。

これぞまさに『棚から牡丹餅』状態だからな。



「……んで、総帥の方はどうだ?」

「微妙だな」


ヤッパリ、そうは万事が上手く行く筈もないか。


子供と違って、大人には色々な事情が有るだろうしな。


でも一応……



「なんか気に入らないのか?」

「いや、特別なにかが気に入らないって訳じゃねぇんだけどな。流石に、中学生と、小学生とバンドを組むのはなぁ。俺の年齢的にも、なんとも言えないよな」

「あぁ、そこかぁ。じゃあよぉ、早急に年代に合ったメンバーを探すから、参入の件だけでも考えて貰えないか」

「う~~~ん。悪かねぇけど。ヤッパリ、それも微妙だな」

「……って言うと?」

「いや、誘ってくれるのも、探してくれるのも、非常に有り難くはあるんだがな。集まったメンバーの音楽性が不一致だと意味がねぇだろ。もし、俺がやるとすれば、やっぱ、シャドウズみたいな『ロック』か『インストゥルメンタル』しかヤル気がないからな」


年齢や腕だけじゃなくて、一致する音楽性も条件に加わって来たか。


そうなると、少し難易度が高くなったな。


……って言うのもな。

昨今、シャドウズ系の音楽をする奴ってのは、かなり稀少に成って来てるから、そう言う人材を探し当てる事自体がかなり難しいんだよな。


けど、逆に言えば。

そこさえクリアーすれば、総帥がサイトに参入してくれるって方向には成ってる訳だから。


なら此処は、梃子でも探すしかねぇだろ!!



「おぉ、じゃあ絶対に、その条件で探し出してみせるから、是非、参入してくれよ」

「いやまぁ、そこまで言うなら、別に断る理由もねぇけどよぉ。倉津、オマエさぁ」

「うん?」

「俺の実力も知らないのに、よくそこまで肩入れする気に成れたもんだな」

「そりゃあ、そうだろう」

「また、なんでだ?」

「いや、だってよぉ。実力云々よりも、総帥には、まだ燻った気持ちが残ってるんだろ?だったら、知り合いの俺が起爆剤に成って、それを爆発させないで、どうするんだよ?そっちの方が意味解んねぇよ」


違うか?


こう言う人間の燻ってる気持ちってのは『今度は失敗したくない』って気持ちが強いから、意外な程に爆発力があると思わねぇか?

それに、一度失敗してるだけに、色々と慎重にもなってくるだろうしな。


だから此処は、実力云々よりも、ハートの方を重要視すべきなんじゃねぇの。



「ははっ……なんだそりゃあ。理屈もヘッタクレもないな。無駄に熱くて、意味解んねぇし」


あれ?これじゃあダメな方向か?



「ダメか?やっぱりダメなのか?」

「ぷぷっ……いや、全然ダメじゃねぇよ。寧ろ、傑作だな」


はい?傑作?


どういう事?

俺、そんな笑われる様な話をしたっけか?


つぅか、ドッチ?



「あのよぉ……」

「あぁ、心配すんな。仕事があるから、まぁ流石にバンド一本って訳にはイカネェけど。オマエのサイトには登録させて貰うよ。それと、バンドは捜さなくて良い。取り敢えずは、オマエのバンドの世話に成るわ」

「えっ?マジで?マジで、そんな事を言ってんのか?」

「あぁ、前から変な奴だとは思ってたけど、此処まで変な奴だとは思わなかった。そう言う無駄に熱い奴。俺、好きなんだよな」


おぉ……なにも考えずに、本能の赴くまま、相手に言葉を伝えたのが功を奏したみたいだな。


またしても『棚から牡丹餅』形式で、実力のある登録者が増えたぞ。


まぁ、それ以前に、元々総帥は無駄に熱いからな。



「うっしゃキタァ!!総帥GETだぜ!!」

「ポケモンか俺は?」


意外にも、ゲームするんだな、総帥。


因みにだが『ポケモン』は、アメリカでは『ポケットに入ってるモンスター』って意味で『チ〇コ』の事らしいぞ。


そんな話、今はどうでも良いな。


すんまそん。



「んじゃま。取り敢えず、サイトの登録が決まった所で、倉津には、俺の実力を知って置いて貰うか」

「おぉ、是非、見せてくれ!!」


俺がそう言うと、総帥はギターを構えるんだが……



「総帥、マコ。ちょっと待ってくれや」


……っと山中が話し掛けてきた。


なんじゃね?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


少々強引な感じには成ってしまいましたが。

倉津君の交渉は、何とか上手く纏まったみたいですね。

しかも沙那ちゃんまで、同時ゲットした模様。


この戦力増強は、サイトにとって大きいですね♪


なんと言っても総帥は、まかりなりにもインディーズレーベルと契約までこじつけた実力がある上に。

音楽に関しては辛辣な沙那ちゃんの折り紙付きなのですから、間違いなく下手な訳がありませんからね。


そして沙那ちゃんは、昨日、ネストに集まった人間ですら認める程の実力者なのですから。


さてさて、そんな風に2人との交渉が上手く成立した倉津君なのですが。

そんな倉津君に対して、山中君が、なにやら質問がある模様。


果たして、この交渉に関して、どんな疑問を持ったのでしょうか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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