最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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219 不良さん、奈緒さんのお詫びを受け取る

公開日時: 2021年9月13日(月) 00:21
更新日時: 2022年12月7日(水) 13:03
文字数:3,324

●前回のおさらい●


 下着泥棒な倉津君。

奈緒さんによって釜茹での刑にされるが、マジで意識を喪失。


流石にやり過ぎな奈緒さんに反省の色はあるのか?

 ……風呂場で意識を薄なったのだが、漸くうっすらと意識が戻ってきた。

そんな俺は、何か柔らかい物の上に、寝かされ、なにやら風を送って貰っている。


ははっ……にしても、夏場の風呂場で熱湯に入って、貧血なんざ情けねぇの極みだな。


っで、結局、これって、なんの上に寝かされてる訳だ?


まぁ俺の希望としては、奈緒さんの膝枕とかが希望なんだが……どうせ、これにしたって、俺の願いを絶対叶えてくれない意地悪な神様の悪戯付きなんだろ。


まぁ良いや。

今朝は、初っ端から風呂場で大ボケをかました事だし、偶には、暇な神様の悪戯にでも付き合ってやるのも悪くないさ。


因みにだが、今の時間は、軽く掛け時計を見た所、AM8時を廻ったぐらいだ。


まぁぶっ倒れてから、優に3時間程ぶっ倒れてた計算だな。


さて、どうするかな?

俺は、わざとらしく、ゆっくりと目を開け始めた。



「うっ……うぅ~~ん」

「クラ……気付いたの?はぁ~~~、良かったぁ」


俺の視界に一番最初に入って来たのは、奈緒さんの顔のドアップ?


って事は……おいおい、マジで奈緒さんの膝枕だぞ!!


ほぉ、偶には神様も、小粋な計らいをしてくれるじゃねぇか。

奈緒さんの膝枕の上に、団扇で扇いで貰うなんて、まさに神の領域のサービスだな。


やるな神様!!俺の趣味を心得てやがる。



「奈緒……さん?」


更にわざとらしく、途切れ途切れに話す。



「ごっ、ごめんね、ごめんね、クラ。まさか、こんな事になるとは思わなかったのよ。ごめんね。こんなの、幾らなんでも、やりすぎだよね。本当に、ごめんね」


あぁ泣きそうだ。


こりゃあ、早く対処してあげなきゃな。



「あぁ良いッスよ、良いッスよ。奈緒さんが少しでも楽しめたんなら、この程度の事なんて有りッスよ有り。それに奈緒さんの膝枕を初体験出来たんだから、それでチャラって事で良いですよ」

「……私、こんなに意地が悪い事したのに、クラは、それでも許してくれるの?」

「当たり前ッスよ。俺が、奈緒さんを許さないなんて事は、なにもないッスよ」

「ホント、君は優しいんだね。そうやって、なんでも許してくれちゃうんだ」

「そうッスよ。但し、奈緒さんだけに限らせて貰うッスけどね」

「そっか……じゃあ、尚更、ごめんだよね」


俯いて照れた様な、反省の仕草をとる。


こう言うのを見て、いつも思うんだが。

奈緒さんのこう言う仕草を見たら、悪さされた事なんて、もぅどうでも良くなるんだよな。


奈緒さんって、こう言った意味では、ズルイ人間と言えば、ズルイ人間なんだろうけど。

それは、奈緒さんが持って生まれた『特権』みたいなもんだろうから、これはもぉ仕方ないんだろうな。


ただ、この効果が、世の中の人間全員に有るか、どうかは定かではないがな。



「ところで奈緒さん……今日は、どうしますか?なんかやりたい事はないッスか?」

「そうだね。……さっきのお詫びの印と言っちゃなんだけど、今日は、クラがやりたい事を決めなよ。私は、どんな事でも君に従うよ。……クラ、なにしたい?Hでも良いよ」


ははっ……今回の事は、相当、堪えたみたいだな。


反省の色が濃く見える。


あぁ……けど、この一週間は、奈緒さんに好きな事をさせてあげるつもりだったから、俺自身は、なんも計画して無かったんだよな。

なんか2人で遣り残した事って、なかったっけかな?


俺は、奈緒さんの顔をジッと見ながら思案にふける。


……あっ!!そうだそうだ!!

そう言えば、どうしても1つだけ心残りな事が有ったな。



「あの、奈緒さん、突然なんッスけど、水着って持ってます?」

「えっ?水着?えぇっと、確か、去年のなら有ったと思うけど」

「去年のかぁ……あの、奈緒さん」

「うん?なに?」

「じゃあ、奈緒さんは、今から横浜に行って、今年の水着を買って来て下さい。俺は、その間に、家から車を取って来ますから」

「うん?なに?それって、今から海水浴に行くって事?」

「そうッスよ。翌々考えたら、俺、まだ1度も奈緒さんの水着姿を拝んでないッスからね」

「あぁそっか。そう言えばそうだよね。うん、良いよ。けどクラ……なんで君、車の免許なんて持ってるのよ?君って、まだ中学生だよね?」

「細かい事は気にしない。世の中には、偽造免許書なんて困ったモノがあるんッスよ」

「あぁそう言う事か。……そっか、そっか、よく考えたらクラん家って、そう言うのが沢山有るんだよね」

「まぁ、そう言う事ッスな」


いやはや、実家がヤクザの組で良かったと思ったのは、生まれてこの方、これが初めてだな。

ウチには、こう言った事だけに関してのみ対応しやすい、色々な便利アイテムが揃ってるからな。


それに以前から、取立てに行く時に使ってた偽造免許が有るから、今更、新しいのを作る必要も無い。


まっ、まぁ、こんな事、なんの自慢にもならねぇがな。



「んじゃま、そう言う事で、俺はひとっ走り、実家まで黒魔を取りに行って来ますんで。奈緒さんは、11時ぐらいに横浜の相鉄口で待ってて下さい」

「うん、良いけど。なんだったら、一緒に行った方が良くない?」

「まぁそうなんッスけどね。……なんて言うんッスかね。彼女との待ち合わせとか、1回ぐらいしてみたいんッスよね」

「ぷっ……君って、変な所だけは、テレビに影響されるんだね」

「そうッスかねぇ?けど、なんか、そう言うのやってみたいじゃないッスか」

「そっか、そっか……あぁでも、1つだけ忠告しておくよ」

「なんッスか?」

「あんまり、私の水着姿にだけは期待しないでね。私、胸が全然無いから、水着とか着ても、見栄え良くないから」


ハァ~~~、ヤッパリ気にしてたんだな。

そんなの、海に一緒に来てくれるのが奈緒さんなら、全然関係ないんだけどなぁ。


つぅかな、まずにして、そんなに気にする程、奈緒さんの胸は小さくないんだけどなぁ。

だから、コレって言うのは、山中のあのデスノートが、結構、奈緒さんの中で悪影響を及ぼしてる証拠。


ならアイツは、1回位は死刑にしないとダメだな。



「奈緒さん、そんな悲しい事を言わないで下さいよ。俺の自慢の彼女は、胸小さくないですよ」

「ありがと。……でもさ、現実って厳しいんだよね。私、素直みたいに大きな胸じゃないからさぁ。誰が見ても、ホント、見栄えしないんだよね」

「まぁ、そりゃあアイツと比べりゃ小さいかもしれないッスけど。俺は、奈緒さんの胸の大きさは、凄くバランスがとれてて綺麗だと思いますよ。胸なんてデカけりゃ良いってもんでもないッスからね」

「そうかなぁ?でも、大きい方が良くない?」


納得して無いな。


今まで胸の事で散々悩んでたみたいだし、そう簡単には納得出来ないか……



「全然ッスね。大体ッスね。元々小柄な奈緒さんに、変に巨乳なんかが付いてたら、それこそ、逆にバランスが悪くなって、奈緒さんのトータルバランスが崩れちゃいますよ。その方がズッと見栄え悪いと思うんッスけど。……それに俺、奈緒さんの、その胸、大好きッスよ。凄い綺麗な形だし」

「そっか。……クラが、そうやって好きって言ってくれるなら。それは、それで良いのかなぁ」

「そうッスよ。そんな事、気にする程の事じゃないッスよ。……って言うか、気にする必要すら丸っきりないッス。奈緒さんは、今のままで十分魅力的なんッスから、もっと自分に自信を持って欲しいッス。じゃないと、俺が情けなくなるッスよ」

「そうかなぁ?う~ん、じゃあ、取り敢えずだけど、気にしないでおくね。……けど後で、巨乳が良かったとか、絶対に言わないでよ。それ、凄くダメージ大きいから」

「誓って言いませんよ。俺は、奈緒さんの全てが好きなんッスから」


この程度の俺主観の説明で、納得してくれりゃあ良いがな。


これバッカリは、本人次第だから、なんとも言えないがな。



「んじゃま、そう言う事なんで。早速、俺、車を取って来ますね」

「うん。夏休みに入って道路の混雑してるだろうから、道中気をつけるんだよ」

「大丈夫ッスよ。ベンツになんて乗ってりゃ、相手が勝手に避けてくれるッスから」

「ベンツで来る気なんだ……」


いや、申し訳ないんッスけど、ウチの家の車って言えば、ベンツしかないんですよ。


厳つい車しかなくて、すんませんね。



俺は、この後、慌てて実家に帰り。

海水浴の準備をして『ベンツ』でお出掛けをする。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


やっぱ、夏休みと言えば『海』ですよね♪


っと言う事で次回は、サービス回になる……とは思うのですが。

まぁ海に行くのが倉津君だから、そう上手く行くかは謎ですな(笑)


っとまぁ、そんな感じですが。

また良かったら遊びに来て下さい~~~(*'ω'*)ノ

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