最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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第四十九話 終わらないライブ

290 不良さん、今しか出来ない事の謎に迫る(笑)

公開日時: 2021年11月23日(火) 00:21
更新日時: 2023年9月7日(木) 19:01
文字数:2,124

第四十九話『終わらないライブ』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ

 049【終わらないライブ】


「オイ崇秀。ありゃあ、流石に不味くねぇか?」

「はぁ?なにがだよ?」

「いや『なにがだよ?』じゃなくてよ。オマエさぁ……あの2人に、あんな無作法な真似をして大丈夫なのかよ?」


ステージから、光速を超える動きで逃亡を図った男。

『メフィスト座のゴールド・セイント』として名を馳せてる仲居間崇秀をひっ捕まえて、俺は背後から奴に言葉を掛けた。


すると……この質問に対して奴は、予想もしなかった様な素っ頓狂な答えを返してくる。



「んあ?なんも不味くねぇよ。あんなもん、打ち合わせ通りに事を進めたまでのこったからな」

「なっ!!なに?あれは予定調和だったって事か?」

「あぁそうだ。予定調和だ。……って、オマエにしたら、予定調和なんて難しい言葉をよく知ってたな」

「いやいやいやいや、それぐらい誰でも知ってるつぅの!!」

「あっそ。そりゃあ良かったな」

「いやいや、そうじゃなくてだな。さっきのは、ホントに予定調和なのか?」

「ったりめぇだろ。……あのなぁ、倉津。誰が好き好んで、芸能界の先人であるあの2人に、あんな無礼千万な真似をしなきゃなんねぇんだよ?ありゃあな、あの2人からの、たってのお願いだったから『俺も傍若無人に振舞った』までのこった。……オマエさぁ、俺と付き合い長ぇんだから、それぐらい察しろよな」


……確かにな。

幾ら崇秀が出来る奴だとは言え、普通なら、芸能界の先人にあんな無礼は許されない。

あんな事をしちまったら、敵を作る事になりえないからな。


まぁ、なので、此処は順当な回答と言えば順当なんだろうな。



「まぁ良いや。んな事より、時間がねぇから、急ぐぞ雑用」

「オイオイ、この最終局面に来て、まだなにかする事が残ってんのかよ?」

「ちっ……わかんねぇのか?」

「なにがだよ?」

「この期に及んで、信じられねぇ様な、お間抜け野郎だな、オマエは。どうしても、この状況でしか出来無い事が1つあるだろうに」


いやいやいやいや、マジで、なにするか全くだぞ。


……まぁ『この現状』って言うのがキーワードになるなら、敢えて言えば、アレかな。

つぅか、アレしかねぇよな。



「ひょっとして、アレか?」

「おぉ、それだそれ」

「だよな。……アンコールの事を考えたら、ギターの最終調整だよな」

「がっ……ちげぇよ!!なんで今更、そんな間抜けな真似を、俺がせにゃならんのだ、アホか!!」

「じゃあ、わからん」

「マジかよ、コイツだけは……」


なんだ、ギターの調律じゃないのか?

俺はテッキリ、この後のライブの続きで、より良い音楽を提供する為に、ギターの最終チェックでもするもんだと思い込んでいたぞ。


折角よぉ、まっとうな答えが出したってのに残念だ……オマエがな。



「んな事を言われても、わかんねぇもんは、わかんねぇよ。これ以外、なにがあるって言うんだよ?」

「わかんねぇかなぁ?普通、今の状況だったら、絶対にする事なんだがな」

「なんだ?そんな重要な事なのか?」

「あぁ、この時間にしか出来無い。……いや、正確には、今日の、この時間にしか出来無い様な重要な事だ」


ぬぬぬぬぬ……今度は『この現状』と『今日しか出来ない』と言う時間制限が設けられてるのがキーワードだな。


……っと成るとだな。


『!!』


……あぁそうか、そうか!!

そう言う時間制限があるのなら、今度こそ完璧にわかったぞ!!


なるほどなぁ、確かにそれなら、今日しか出来ないな!!



「おっ、その表情。なんか、わかったのか?」

「そりゃあ、アレだけヒントを貰えばな」

「おぉ、やるじゃん!!」

「まぁな」

「……っで、答えは何だよ?」

「このライブステージの裏側を探検だな」

「……ガキかテメェは」


なんですと!!

これも違うとおっしゃるのか?

この場でライブをした記念に、ステージを細部までうろついて『あぁ以前、此処でライブをやったんだなぁ~』とか、後の思い出作りをするんじゃねぇのか?


今日限定なら、それ以外ないだろ!!



「オイオイ、マジでわかんねぇのか、オマエわ?」

「あぁ、それが違うって言うんなら、もぉカラッキシだな」

「しょうがねぇ奴だな。んじゃあ、第3ヒントだ。『メンバーの女子』……これでどうだ?」

「『メンバーの女子』……記念撮影?」

「死ね。くたばれ。もぉ早々に塵になれ」

「酷ぇ」


記念撮影じゃなきゃなんだよ?


それ以上、この場には記念になるもんなんぞ無いだろ。



「ったく、想像力の薄っぺらい奴だな。……あの2人がステージ上で『GUILD』の説明してるニッチな時間を利用して『女子の着替えを覗きに行く』に決まってんだろ。……あれだけの面子の着替えを、まとめて覗くチャンスなんざ、今後2度とねぇぞ」


はい?

女子の控え室の前にして、突然、ロクデモナイ事を言い出したな、コイツわ。


何の急用かと思えば、言うに事欠いて、出してきた解答が『覗き』だと……考えが下衆過ぎんぞオマエ。


……それにオマエ、今日を命日にして死ぬ気なのか?

あのメンバーを覗くって事は、あらゆる暴力と、罵詈雑言を浴びるって事だぞ。

それ=『即死』を意味する危険な作業だって事ぐらい解るだろうに。


それを敢えて、オマエは決行しようって言うのか?

こんなもん、気が狂った勇者か、早々にあの世に行きたい自殺志願者としか思えん様な行動だな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

こうして第四十九話『終わらないライブ』が始まった訳でなのですが……


ステージ上をZAPの前田さんと、アルファーの高見崎さんに丸投げした崇秀が、また訳の解らない事を言いだしましたね。


今日にしか出来ない限定の事が『覗き』って……(笑)


まぁ確かに、間違ってはいないのかもしれませんが。

なんの根拠もなく、そんな事をして本当に大丈夫なのでしょうか?


その答えは次回に発表します♪

なので、少しでも興味がありましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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