第四十九話『終わらないライブ』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
049【終わらないライブ】
「オイ崇秀。ありゃあ、流石に不味くねぇか?」
「はぁ?なにがだよ?」
「いや『なにがだよ?』じゃなくてよ。オマエさぁ……あの2人に、あんな無作法な真似をして大丈夫なのかよ?」
ステージから、光速を超える動きで逃亡を図った男。
『メフィスト座のゴールド・セイント』として名を馳せてる仲居間崇秀をひっ捕まえて、俺は背後から奴に言葉を掛けた。
すると……この質問に対して奴は、予想もしなかった様な素っ頓狂な答えを返してくる。
「んあ?なんも不味くねぇよ。あんなもん、打ち合わせ通りに事を進めたまでのこったからな」
「なっ!!なに?あれは予定調和だったって事か?」
「あぁそうだ。予定調和だ。……って、オマエにしたら、予定調和なんて難しい言葉をよく知ってたな」
「いやいやいやいや、それぐらい誰でも知ってるつぅの!!」
「あっそ。そりゃあ良かったな」
「いやいや、そうじゃなくてだな。さっきのは、ホントに予定調和なのか?」
「ったりめぇだろ。……あのなぁ、倉津。誰が好き好んで、芸能界の先人であるあの2人に、あんな無礼千万な真似をしなきゃなんねぇんだよ?ありゃあな、あの2人からの、たってのお願いだったから『俺も傍若無人に振舞った』までのこった。……オマエさぁ、俺と付き合い長ぇんだから、それぐらい察しろよな」
……確かにな。
幾ら崇秀が出来る奴だとは言え、普通なら、芸能界の先人にあんな無礼は許されない。
あんな事をしちまったら、敵を作る事になりえないからな。
まぁ、なので、此処は順当な回答と言えば順当なんだろうな。
「まぁ良いや。んな事より、時間がねぇから、急ぐぞ雑用」
「オイオイ、この最終局面に来て、まだなにかする事が残ってんのかよ?」
「ちっ……わかんねぇのか?」
「なにがだよ?」
「この期に及んで、信じられねぇ様な、お間抜け野郎だな、オマエは。どうしても、この状況でしか出来無い事が1つあるだろうに」
いやいやいやいや、マジで、なにするか全くだぞ。
……まぁ『この現状』って言うのがキーワードになるなら、敢えて言えば、アレかな。
つぅか、アレしかねぇよな。
「ひょっとして、アレか?」
「おぉ、それだそれ」
「だよな。……アンコールの事を考えたら、ギターの最終調整だよな」
「がっ……ちげぇよ!!なんで今更、そんな間抜けな真似を、俺がせにゃならんのだ、アホか!!」
「じゃあ、わからん」
「マジかよ、コイツだけは……」
なんだ、ギターの調律じゃないのか?
俺はテッキリ、この後のライブの続きで、より良い音楽を提供する為に、ギターの最終チェックでもするもんだと思い込んでいたぞ。
折角よぉ、まっとうな答えが出したってのに残念だ……オマエがな。
「んな事を言われても、わかんねぇもんは、わかんねぇよ。これ以外、なにがあるって言うんだよ?」
「わかんねぇかなぁ?普通、今の状況だったら、絶対にする事なんだがな」
「なんだ?そんな重要な事なのか?」
「あぁ、この時間にしか出来無い。……いや、正確には、今日の、この時間にしか出来無い様な重要な事だ」
ぬぬぬぬぬ……今度は『この現状』と『今日しか出来ない』と言う時間制限が設けられてるのがキーワードだな。
……っと成るとだな。
『!!』
……あぁそうか、そうか!!
そう言う時間制限があるのなら、今度こそ完璧にわかったぞ!!
なるほどなぁ、確かにそれなら、今日しか出来ないな!!
「おっ、その表情。なんか、わかったのか?」
「そりゃあ、アレだけヒントを貰えばな」
「おぉ、やるじゃん!!」
「まぁな」
「……っで、答えは何だよ?」
「このライブステージの裏側を探検だな」
「……ガキかテメェは」
なんですと!!
これも違うとおっしゃるのか?
この場でライブをした記念に、ステージを細部までうろついて『あぁ以前、此処でライブをやったんだなぁ~』とか、後の思い出作りをするんじゃねぇのか?
今日限定なら、それ以外ないだろ!!
「オイオイ、マジでわかんねぇのか、オマエわ?」
「あぁ、それが違うって言うんなら、もぉカラッキシだな」
「しょうがねぇ奴だな。んじゃあ、第3ヒントだ。『メンバーの女子』……これでどうだ?」
「『メンバーの女子』……記念撮影?」
「死ね。くたばれ。もぉ早々に塵になれ」
「酷ぇ」
記念撮影じゃなきゃなんだよ?
それ以上、この場には記念になるもんなんぞ無いだろ。
「ったく、想像力の薄っぺらい奴だな。……あの2人がステージ上で『GUILD』の説明してるニッチな時間を利用して『女子の着替えを覗きに行く』に決まってんだろ。……あれだけの面子の着替えを、まとめて覗くチャンスなんざ、今後2度とねぇぞ」
はい?
女子の控え室の前にして、突然、ロクデモナイ事を言い出したな、コイツわ。
何の急用かと思えば、言うに事欠いて、出してきた解答が『覗き』だと……考えが下衆過ぎんぞオマエ。
……それにオマエ、今日を命日にして死ぬ気なのか?
あのメンバーを覗くって事は、あらゆる暴力と、罵詈雑言を浴びるって事だぞ。
それ=『即死』を意味する危険な作業だって事ぐらい解るだろうに。
それを敢えて、オマエは決行しようって言うのか?
こんなもん、気が狂った勇者か、早々にあの世に行きたい自殺志願者としか思えん様な行動だな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
こうして第四十九話『終わらないライブ』が始まった訳でなのですが……
ステージ上をZAPの前田さんと、アルファーの高見崎さんに丸投げした崇秀が、また訳の解らない事を言いだしましたね。
今日にしか出来ない限定の事が『覗き』って……(笑)
まぁ確かに、間違ってはいないのかもしれませんが。
なんの根拠もなく、そんな事をして本当に大丈夫なのでしょうか?
その答えは次回に発表します♪
なので、少しでも興味がありましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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