最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
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1477 妖精達の住まい

公開日時: 2025年2月19日(水) 00:21
文字数:2,014

●前回のおさらい●


 お風呂に行っていた奈緒さんと沙那ちゃんの軽いイベントをこなした後。

いよいよ、橘家に貸す賃貸物件に向かって行く倉津君だったが。

果たして、どの様な状況の家が顕わるのか?(笑)

 ……っとまぁ、そんな感じで。

軽く早朝のイベント(?)を、上手くクリアーした訳なんだが。


この後、まずは3人で軽く朝食を摂り。

その食器の片付けをしたの後、早速、橘家に貸す予定の家に向って行く事にした。


何故なら、こうやって橘家に家を貸す事自体が元々イレギュラーな話だっただけに、家の状況が解らないからだ。

それ故に、親父さんが来る前に一度キッチリと事前調査もしておきたいからでもある。


そんな訳もあって、今から賃貸物件を見に行く訳だ。


あぁ、因みになんだがな。

沙那ちゃんの親父さんには、直接、此処に来る様に頼んであるから、ウチの実家で親父さんを待つ必要はないんだよな。


内見については、相手からの電話一本でOKだしな。


そんな訳で、家に向かってLet`sらGO!!


***


 ……あぁ?ちょっと待て。

なんなんだよ、これは?

3人で、目的地である家に到着したまでは良かったんだけどな。

これは俺が思ってた以上に、家の外観が酷い状態に成ってやがるなぁ。


なんせ家の周りには、無駄なぐらいに草が鬱蒼と生い茂ってやがるし、それに伴って蔦みたいな物が壁に何本も絡まってやがる。

ガラスにしても、近所のガキが悪戯したのかして何枚か割れてやがるし、家の節々も修理しなきゃいけなさそうな点が、かなり目立ってやがるなぁ。


ヤバいなぁ。

これじゃあ、貸す貸さない以前の問題として、表から見たら、まるでただの『お化け屋敷』じゃねぇかよ。


これをリフォームする金銭的な面も考慮すれば、家の中をチェックするのが怖くなってくるぐらいの酷い荒れようだ。

奈緒さんなんか、現時点で、口を開けてアングリしたまま呆気に取られてるんだもんなぁ。


マジでまいったなぁ、こりゃあ。

これを早急になんとかして、親父さんが来る前に、ある程度はリフォームしちまわなきゃいけねぇみてぇだ。


マジでヤバいわ。


……っとは、言ってもだ。

この状況を全く予想してなかった訳じゃないから、なにも準備をしていない訳でもないんだよな、これが。


これを憶えていてくれてるか、どうかは知らないが。

昨日、この家を『橘親子に貸すと決まった瞬間』ちゃんと俺、それ関係の知り合いに電話してたからな。


あれ……実は、リフォームの準備だったんだよ。


まぁ、誰が来てくれるのかは、来ての、お楽しみと言う事で。


***


 ……まぁ、そうは言ってもだな。

まだ誰かが来る様な時間帯でもないから。

此処は1つ、さっさと家主の息子である俺が、嫌々ながらも、先に家の中のチェックを済ましておこうかのぉ。


理由は当然、ボロボロのまま橘家に家を貸す訳にもイカナイしな。

素人也にも修理箇所のチェックして置いた方が、後々リフォームの相談をするにしても、相談をしやすくなると言うのも踏まえての話だ。


まぁそんな訳なんで、俺は家の中に突入する訳なんだが……当然、家に突入するのは俺1人。


勿論、その間、奈緒さんと沙那ちゃんを外で待たして置く訳にもいかないから。

一旦、ウチの家に引き上げて貰って、2人には、その場で待機していてもらう事にしている。


だってよぉ。

家主ウンヌンカンヌンを除いてもだな。

こんな風に扉を触っただけでも手がドロドロに成るぐらい薄汚れた場所に、奈緒さんや沙那ちゃんを連れて行く訳にも行くまいて。


俺個人の意見としては、このボロ家に3人で冒険の旅に出たかったんだが。

風呂に入って直ぐの女の子に、こんな薄汚れた所に一緒に入ってくれなんて、口が裂けても言えたもんじゃないからなぁ。


故に俺は、一人寂しく、冒険の旅に出た訳だ。

(↑冒険の書1にセーブされました)


***


 ……っとまぁ、そんな訳でござんして。

あっしは1人、勇敢にも、懐中電灯を片手に、薄暗いボロ家の中に潜入して行く訳なんでござんすがね。


『ガラッ』っと、勢い良く扉を開けた瞬間。

床や、部屋全体に蓄積した大量の埃が、扉から侵入してきた風に乗せられて、見事なまでに空気中に舞い上がる。


そして……その埃が舞った所に、綺麗に太陽の光が差し込み。

それらが、やけにキラキラと輝いた様に見え、なんとも幻想的な光景が眼の前に現れる。


それはまさに、森の中を舞う妖精達の様に……


とても、幻想的な……



「……って!!ブハッ!!ゲホッ、ゲホッ……なんじゃこりゃあぁ~~~!!ゲホッ、ゲホッ!!うえぇぇ~~~……アホンダラ、ドちくしょい!!マジで気持ち悪ぃ~~~!!」


……んな訳があるか~~~い!!

こんなもん、ただ単に、扉から入る風で埃が舞い上がり。

その大量の埃が器官に入って、ただただ気持ち悪いだけでしかねぇわ。


兎に角、この場に居るだけでも咽る!!蒸せる!!噎せる!!


只管、噎せる!!

何処をどうやっても噎せるだけだ!!


ふざけんじゃねぇぞ!!


何が妖精が舞飛ぶ森だ!!

これを見て、そんな事を思う奴は、頭イカレテやがるんじゃねぇのか!!


妖精どころか、細菌兵器だ細菌兵器!!


こんなもん、既に、人の住む所ですらねぇわ!!

(↑無謀にも、それを、人に貸そうとしてる張本人の言葉)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


ソロ調査を開始した倉津くんでしたが。

入り口付近で発生した妖精達の舞に、早速、文句ばっかり言ってるみたいですね。


ですが、購入後、2年も放置してりゃあ、そりゃあそうもなりますよ。

寧ろ、そうならないと思ってる方が、どうかしてますしね(笑)


まぁでも、これは、親父さんが来る前に事前調査をしていて良かったと言う意味でもありますので、強ち悪い事ばかりでもないと思います。


さてさて、そんな中。

倉津君は継続して、この家の調査を続ける事が出来るのか?


いや寧ろ、絶対にしなきゃいけないので。

この後、どんな苦難が待ち構えているのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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