●前回までのあらすじ●
ナイフで刺されて、入院中の倉津君。
そこにお見舞いに来た素直ちゃんだが、コチラもライブでなにも出来なかった事で凹み中。
それを見て、必死に慰めて、素直ちゃんの気持ちを上げていくが。
素直ちゃん同様、自分もライブで多大な迷惑を掛けた事を思い出し、今度は倉津君が凹む。
そこに素直ちゃんは、倉津君に慰めて貰った言葉を、そのまま返してしまったので、倉津君は特大ブーメランを喰らう事に成った。
その後、素直ちゃんは一旦部屋から出たのだが、その後すぐに、病室の扉が開く。
「!!……」
入室して来たのは、想像もしなかった人物だった。
確かに、俺が望んだ通り、素直と同じ性別ではあるが、その女の子は決して素直に非ず。
それどころか、一度も面識が無い、まったく見知らぬ顔の女。
しかも、金髪碧眼と言う、典型的な外人の女。
まぁ見た目は、かなり可愛いな。
……にしても、コイツ、誰だよ?
此処が大部屋じゃない以上、見舞いの相手を間違って、俺の病室に入って来たって線は薄いしな。
事情がイマイチ掴めないので、取り敢えず、英語で話し掛けてみた。
「Can you speke English?」
「あの、それは、なんのつもりですか?」
「はぁ?」
「イキナリ、聞くに堪えない様な稚拙な発音の英語で、私に話し掛けないでくれませんか。……アナタに、そんな稚拙な英語で話し掛けて頂かなくても、私は日本語を話せます。ですから、その耳障りな英語は、即刻辞めて頂いて宜しいでしょうか?」
「なっ!!」
「日本人の話す英語は発音が聞き取りにくくて、実に不愉快なものですから」
へっ?
はっ?はぁ~~~?
オイオイ、なんだよコイツ?
丁寧な言葉遣いとは裏腹に、顔に似合わぬ、この口の悪さ……どうなってんだ?
それにだな。
俺としても、コイツが日本語が解らなかったら可哀想だと思って、親切にも、わざわざ英語で喋ってやってるのに、それを、いきなり苦情で返して来るなんて、なんちゅう奴だよ。
面識が無いのにも関わらず、この口の悪さ。
どんな親に育てられたのか、逢ってみたくなる最悪さだな。
「オイ!!誰だよオマエ?あんま舐めた口きいてっと、風俗に永久就職させんぞ!!」
少々腹が立った俺は、イキナリ、どぎつい言葉を返してしまった。
あぁでも、イカンイカン。
翌々考えたら、口が悪いとは言えん、相手は女だ。
しかも、他国から来た外人なだけに、日本語を、よく理解せずに使ってしまった可能性も有るよな。
だとしたら、今のは、ちょっと大人気なかったな。
一旦、相手の言葉を聞いてから、謝るなりなんなりするか。
「なにを言っておられるのですか?アンタこそ、風俗に永久に通う『素人童貞』にでもなれば良いのではないですか……アナタって、本当に不愉快な人ですね」
はぁ?
やっ、やっぱりコイツ……日本語を完全に理解して喋ってるよな。
だったら、なんで、そんな喧嘩腰なセリフばっかりが出て来るんだよ?
ってか、俺の容姿や態度を見たら、普通の人間なら、少しはビビるってもんじゃないのか?
いや、でも……もしもって事があるから、もう一回だけ確認してみるか。
「って、テメェ!!マジで売払うぞ」
「はぁ、これだから、自己妄想に塗れた童貞の方は嫌ですね。考える事がどうにも低脳下劣。『風俗に就職』とか『人身売買』とかしか頭にないのですね」
「なっ!!」
「それにアナタ、ヤクザの組長の息子だと言うのに『重度の厨二病患者』なのですね……ホント、どこまでも最低な人ですね。そろそろ空気感染とかしそうなので、出来れば口数を減らして頂いて宜しいでしょうか。さっきからアナタのせいで、空気が薄くなって息苦しいですし」
ヤッパリだ。
コイツは全てを理解した上で、こんな事を言ってやがる。
なら、なんなんだよコイツは?
口を開けば、人の事を『不快』だの『気持ち悪い』だのってを連発銃でも撃つ様に言い放ちやがって!!
ホントなんなんだよ、その救いの無い口の悪さ……
コイツの罵詈雑言を聞いてたら、奈緒さんの意地悪な物の言い方が可愛く見えるぞ。
つぅか、誰かは知らねぇが、コイツ、此処になにしに来たんだよ?
ってか!!マジ、誰だよオマエ!!
「帰れ」
「言われなくても、こんな薄気味悪い厨二病患者の居る所なんて、早急に引き上げさせて頂くつもりですが。……アンタは、私が此処に来た理由を聞かなくても宜しいんですか?ひょっとしてアナタは、そんな事すら気にならない位の低脳な方なのでしょうか?」
「だったら、初対面のテメェが、一体、俺に、な・ん・の用があんだよ?なんか言いたい事が有るなら、さっさと言え、このクソアマ!!」
ハイ、俺、歯止め利かない。
「それが人にモノを尋ねる人間の態度ですか?情けない人ですね。親の顔が見たくなる低脳ッぷりですよ。良かったら、一度ミトコンドリアから、人生やり直してこられたら如何でしょうか?それともアナタは、自国語も解らない宇宙人なのですか?」
あぁもぉ、あぁ言えば、こう言う。
ホント、何所までも腹が立つクソアマだな。
それにしてもコイツ、何所まで口が悪いんだよ。
一回殴ったろか!!
あぁそれとなぁ。
俺は、ミトコンドリアからやり直さなくても、既に、それ以下の知能しかない葉緑体なんだよ、ボケ!!
宇宙人なんて高級な生き物じゃねぇわ!!
ってかな。
いい加減にしねぇと、女だからって容赦しねぇぞ!!
次、またなんか変な事を言ったら、マジ殴るかんな!!
「あぁそうですかい、そうですかい。じゃあ俺は、テメェに用事なんぞには微塵も興味がねぇから、さっさと出て行け。テメェの話なんざ寸分も聞きたくもねぇ」
「今度は逆ギレなのですね。人が親切に礼儀ってものを教えてあげてるっと言うのに、その態度はどうなのでしょうね?少しは頭冷やしてモノを考えたら如何ですか?風俗マニアの素人童貞さん」
「テメェ!!誰が風俗マニアの素人童貞だ、クソアマ!!あぁ、もう良いから、とっとと帰れ。テメェが居たんじゃ、治る怪我も治らねぇんだよ!!」
「そうですか。では、二度と合間見える事は無いでしょうから、そのおつもりで」
「あぁ、それで清々するわ。二度と来んな糞アマ」
「『二度と来んな』って、なんですか?……それはアナタの中では、厨二病的に格好良いセリフだとでも思っているのですか?もしそうなら、本当にアナタは気持ち悪い人ですね」
「るっ……るせぇ!!もぉさっさと出て行けよ!!」
「そうですか。それでは失礼致します……ごきげんよう」
それだけ言い残すとクソアマは、俺に対して一礼だけキッチリして、この病室から出て行った。
つぅか、なんでそう言う所だけは、律儀な態度を取るんだよオマエは……そう言う事がキッチリ出来るんなら、そんな罵詈雑言吐く必要ねぇだろ。
……にしても、ホントに、なんだったんだろうなアイツ?
結局、自分の正体も明かさないまま、人の事をボロカス言うだけ言って出て行きやがったよ。
けど、どんな神経してたら、あんな好き勝手な事が言えるんだ?
それに俺は、これでも一応、病人だぞ!!
少しは病人を労わるって心を持ちやがれつぅ~の!!
まじムカツク、クソアマだったな!!
もぉ二度と来んな!!
『ガチャ』
そんな俺の意思に反して、再び扉が開く。
けど、あのクソアマにだけは、二度と来て欲しくないものだ。
アイツのせいで、荒んだ心を癒して欲しい俺は、優しいバージョンの奈緒さんを希望する。
だが、俺の神経を逆撫でするのが、唯一の趣味の神様は、更なる悪夢を送り込んで来た。
もぉ辞めてぇ( ;∀;)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
来ました、来ましたぁ!!
私が、この物語で一番推してるキャラクター〇〇〇さんが♪
この子は、兎に角、口が悪いです。
ヘタしたら崇秀より口が悪いぐらいです(*'ω'*)b
さてさて倉津君は、この口悪娘とも縁を結ぶ事が出来るのか?
それが可能だとしても、どうやって、それを成就させるのか?
そして最後に、この口悪娘の目的は?
次回、それが少しづつ明らかになって行きます。
ですので、また宜しかったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
読み終わったら、ポイントを付けましょう!