●前回のおさらい●
話の流れで、何故か、倉津君に【GUILDを譲渡する】様な話に。
そんな突然の崇秀の言葉に動揺しながらも、冷静に考えてもみたら、これは『自分をヤクザにしない為の手段』なのではないかと感じ。
「オマエなぁ……」
「あぁ、いや、まぁなんつぅか、その。……向井さんの件の、お詫びの印って奴」
「ブッ!!どんな賠償だよ、それ?そんな賠償金聞いた事もねぇぞ」
何百億円。
いや、それ処か、世間的に見ても資産価値が何千億円以上あるを、あの一件の賠償に充てようって言うのか?
俺をヤクザにしない為なのを加味した上で、そこまでの賠償をしようって言うのか?
無茶苦茶もいい所だ。
なに考えてんだ、コイツは……
「いや、でもよぉ。オマエにも、向井さんにも、眞子にも嫌な思いをさせたのも、迷惑掛けたのも事実だろ。だったら、これぐらいの賠償はしても当然なんじゃね?」
「そんな訳あるかぁ……そこまでする必要なんかねぇわ」
「なんでだよ?友達を裏切った代償って、そう言う事なんじゃねぇのか?真っ裸に成って謝罪するのが、本当の姿ってもんじゃねぇのか?……俺は、そう言う見解なんだが」
いやまぁ、言ってる意味は分からなくもないんだが。
賠償するにしても、限度ってもんがあるんじゃねぇのか?
例え、そんな風に賠償責任が生じていたとしても、幾らなんでもこれはやり過ぎだ。
それに、その責任問題にしてもだな。
「アホか?アホなのかオマエは?」
「なんでだよ?」
「……仮に、そうだとしてもだ。俺が、なにも気付いてないとでも思ってるのかよ?」
「なにがだよ?なにを気付いたって言うんだよ?」
まぁ気付くもなにも、眞子が、直接言ってた事なんだけどな。
そこに、奈緒さんが言ってた言葉を噛み合わせれば。
誰の責任で、あの事件が起こってしまったのかぐらい余裕で解るつぅの。
だから……
「オマエが、俺を裏切ってねぇって事だよ」
「はぁ?なに言ってんだオマエ?俺が、向井さんとHした当事者じゃねぇかよ。なのに、なんでそんな話に成る?」
「戯言だ」
「戯言だと?」
「そう、戯言だ。確かにオマエは、奈緒さんとHした。これは変える事の出来ない事実なんだろうな」
「だったら」
「けどなぁ、崇秀。眞子が、あれだけ自分の責任だって言ってるんだから、これはアイツの仕出かしたミスなんだろ。だからオマエは裏切ってなんていねぇ。眞子を庇ってるだけに過ぎねぇんだよ」
真相までは分からないままだが。
事実だけを捉えれば、そういう事なんじゃねぇのか?
今となっては、どう考えてもオマエが、俺を裏切るビジョンなんて湧いて来ねぇしよ。
ちゃうか?
「だとしても、なにも状況は変わらねぇよ」
「はぁ?なんでなにも変わらねぇんだよ?眞子の責任なら、眞子の責任だろうがよ」
「あぁ、そう言う見解な」
「なんだよ、その言い方?」
これはまたなんか言ってくるな。
俺なんかじゃ予想も付かない様なトンデモナイ事を、なんか言ってくるな。
間違いなく、そんな雰囲気をバリバリに醸し出してやがる。
「じゃあ、聞くがな。眞子は誰の女だ?」
えっ?イキナリそこ?
そこの話を持ってこられると、やや反論しにくい話になってくるな。
「いや、それはよぉ……」
「アイツは、俺の女だよな。だったら、アイツの仕出かしたミスは、将来嫁いで来る俺の家庭の問題にもなるんじゃねぇのか?なら、アイツの主人に成る俺が、嫁が仕出かした問題を、責任をもって解決してやらないで、どうするんだよ?俺と、アイツは、その辺に居る様なバカップルみたいな薄っぺらい関係じゃねぇんだよ。そう言うのとは一緒にしないで貰いたいもんだな」
……崇秀。
オマエ、そこまで眞子の事を大切に想ってやってくれてたのかよ。
言ってる事も、やろうとしてる事も、どれをとっても常識外れも良い所だけど。
オマエが常に口にしている『なにもかもを全て捨ててでも眞子を取る』って、あの言葉は本当に本心だったんだな。
GUILDの譲渡の件は別としても、これは、かなり嬉しい展開だな。
けどな。
それはそれ。
「あぁ、そう。そういう理由な訳な」
「あぁ」
「でもよぉ、眞子が、オマエの将来の嫁なのかも知れないけどな。俺とアイツは正真正銘の、血の繋がった姉弟だ。それに奈緒さんだって、戸籍上だけだとは言え立派な姉妹なんだよ。だから、これ以上の揉め事は、ご法度だと思ったから、俺は、全てを許す事にした。オマエだけが眞子を護ってやれると思うなよ」
「だとしてもだ。だとしてもだ倉津。人間は、唯一責任を取れる生き物だ。眞子の事が、どうあれ、俺が、向井さんにやってしまった事から目を背ける訳にはいかねぇんだよ。どうあっても、その責任は取らなきゃイケナイんだよ。これは人として生きて行く上でのケジメだ。それが取れなく成っちまったら、俺は、もぉ人でもなんでもねぇ。タダの糞外道だ」
違うだろ。
そうじゃねぇだろ。
これは身内や家族が起こした問題だから。
オマエ一人だけが責任を背負おうとするんじゃねぇ、って言ってんの。
そういう問題は、みんなで解決するもんなんじゃねぇのか?って、俺は言ってんの。
わかんねぇかなぁ?
ホント、こう言う所だけは、頑固で融通が利かねぇんだよな、コイツは。
まるで『言い出したら、全然、俺の話を聞かない時の奈緒さん』に、そっくりだよ。
実は、本当の姉弟なんじゃねぇの?
……っとまぁ、そんな姉弟説は良いとしてだ。
崇秀の奴が、此処まで【責任】って言葉に意固地になっちまってるんなら、ちょっと説得の仕方を、俺も変えなきゃいけねぇみたいだな。
このままじゃあ埒が明きそうにないしな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
今の崇秀の言葉には、理に適ってる部分と、理に適ってない部分があるのですが。
恐らくは、どうやってでも『倉津君がヤクザにならずに済む方法』とか『彼の将来的な幸せを加味』しているから、やや支離滅裂な部分が出ていると思われます。
要するに、この2つの事象を同時に叶えられるチャンスが『今しかない』っと思えるからこそ、少し冷静さを欠いているのでしょうね(笑)
ホント、この2人は仲が良いですよね♪
そんな思惑が崇秀にあるっとは言え。
倉津君にも、倉津君なりの矜持ってものがありますので、これは流石に受け入れられない。
それ故に、何か策がある様なのですが。
一体、この状態の崇秀を、どうやって説得するつもりなんでしょうか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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