最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1515 例のあの一件での最後のけじめ

公開日時: 2025年3月29日(土) 00:21
文字数:2,028

●前回のおさらい●


 楽しい時間を過ごした総帥の実力お披露目会。

そんな倉津君の元に、奴からの一報が……

 奴からの電話があった後、俺は、奈緒さんと、沙那ちゃんを自室に残し、1人で表に出て行く事にした。

当然、理由は、沙那ちゃん1人を部屋に残して2人で外出する訳にも行かないし、寝てるとは言え子供に聞かせる内容じゃないからだ。


まぁその辺に関して奈緒さんは、俺が、特別、何かを言わなくても解ってくれてるので、なにも言う必要はない。

実際の話、今しがたなった電話の着メロ『魔王』で、相手が誰だか分かっている筈だしな。

本人も、俺が出て行く際に、なにも言わずとも『いってらっしゃい』っとだけ一言添えてくれてたしな。


そんな訳なんで、俺は上着を羽織って、奴の待つ外に出て行く事にした。


今現在、時間は午前0時を少し回った所だ。


***


 ノラリクラリと家の門を潜り、表に出て行った。


すると、予想に反する事なく、家の真正面で崇秀が待っていた。

その表情は少々俯き加減ではあるが、俺を真正面に捉えて、目を背け様とはしない。


流石に、どんな状態であっても肝が据わってやがるな。


けど、この場には、そんなものはもぅ必要ないからな。

奈緒さんや眞子から話を聞いてる以上、後は少し言葉を交わせでばいいだけの話だし。


ってな訳なんで……



「よぉ、色男。再三ボコられて、ちょっとは反省したか?」


そんな感じで軽口を叩いてみた。


どう反応する?



「あぁ、嫌と言う程バッチリと反省して来た。最低限、頭の中が真っ白になるぐらいにはな」


俺が軽口を叩いたのにも拘らず。

表情を崩す事なく、真顔でそう言ってきた。


流石にTPOは弁えてやがるな。

俺の軽口に対して、その口調に乗せられる事もなかったみたいだし。


それだけ俺に対して謝罪したいって気持ちがあると言う証拠でもあるしな。


なら、これでOKだと思った。


もぉこれ以上の多くの言葉は必要ない。

俺と、コイツは、ズッとそうやって来たんだしよ。



「そっかよ。じゃあ、この話はもぉ終わりで良いな?俺は、オマエに言う事も、聞く事も、特別、なにもねぇからな」

「OKだ。……オマエが、それで了承済みって言うんなら、俺も、なにも言う事はねぇ。……ただ、最低限の謝罪だけはさせてくれ」

「だな。そのケジメは、今後のお互いの為にも必要だよな」

「おぅ。……倉津、本当にすまなかった。今回の件は、俺の安易な気持ちが招いた無様な結果だ。2度と、こんな無様な不祥事は起さない様に細心の注意を払うから、今回だけは勘弁してくれ。本当にすまなかった」


そう言いながらも、俺に対して深々と頭を下げる。


まぁ、今回の一件、俺自身が正確な事情を把握した訳ではないから、なんとも言えない部分もあるんだが。

眞子に聞いた話からしても、恐らく崇秀が、此処までキッチリと謝罪しなきゃいけない話の内容ではないように思えるしな。


そりゃまぁな。

事象がどうあれ、自分の彼女が抱かれた訳だから、気分の良い話ではないのは間違いないんだが……

何処まで行っても、それは、眞子が仕出かしたミスでしかない訳だから、崇秀に非があるとは思えないんだよなぁ。


だから俺は……



「おぅ、本当に、こんな事は2度とゴメンだからな。頼んだぜ」

「おぅよ」


崇秀との話し合いに多くの言葉はイラネェ。

端的に必要な言葉だけを交わせば、それでOKだ。


これだけで、全てが伝わる。


実際、今俺の発した言葉だけで崇秀は、全ての意図を汲んでくれてるような様子だしな。

こうやって勝手に、コイツが昇華させてくれるしな。


本当に、どこまでも便利な男だよ。



「……っで、俺を呼び出した理由は、今の話で終わりか?」

「いや、この話は俺の個人的な話だ。それだけの為に……って言うと、少々語弊があるかもしれねぇが、それだけの為にワザワザ出向きゃしねぇよ。その序に、今後の企画についての話をしねぇとイケネェと思ってよ」


ヤッパリなぁ。

話が決着している以上、コイツが謝罪だけにしに来たとは思えなかったからな。

心の何処かで、そう来るんじゃないかなぁ?とは思ってたんだよな。


まぁ、眞子から、例のモジャの話も聞いたなら、自然と、こう言う展開になるのも頷けるしな。



「だよな。そうなるわな。んじゃあ、家の方に上がって話をすっか?」

「いいや。悪いんだが、まだ向井さんや、眞子には知られたくねぇ内容もあるから、時間があるなら、ちょっと、そこまで付き合ってくんねぇか?」

「そうか。まぁ行くのは構わねぇけどよぉ。……眞子は、どうしてんだよ?アイツは、どうすんだ?」

「今はまだウチの実家に居るんだが、オマエとの話がつき次第、アイツに電話をかけりゃあ、10分遅れで、此処にタクシーで来る段取りに成ってるから、出来れば向井さんと、オマエの家で待機させてやってくれ。アイツも強がっちゃいるが、まだ精神が不安定な状態だからな。1人で待つのは辛いと思うしよ」

「ハァ……ホント、オマエだけは、どこまでも用意周到な男だな」

「だろ」


ホント、コイツだけは……


しかしまぁ、これにて、俺の忙しい1日は延長戦に突入せざるを得ない訳だな。


全く持って、終わる事を知らない長い一日だよ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


ホント、仲が良いですよね、この2人は♪

あの崇秀をボコった後から、お互い一度も顔を合わせていないと言うのに、顔を合わせばこんな感じに成るんですから(笑)


それにしても倉津君。

本編で崇秀の事を便利な男だと言ってますが。

実際、それは倉津君自身にも当て嵌まる事だと言う事に、どうやら気付いていないみたいですね。


崇秀と言う人物を知り尽くした仲だからこそ、こうやってトンデモナイ問題でも納得出来てしまう訳なのにね。


どちらか片方だけが、相手の事を理解しているだけでは、こうはなりませんし(笑)


さてさて、そんな中。

崇秀が持ち掛けてきた話とは、一体、なんなんでしょうか?


なにやら『今後の企画について』と言うワードが出ている以上、それに関する話で間違いはないのでしょうが……


ってな訳なんで。

次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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