最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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379 カジ君の意外な想い

公開日時: 2022年2月20日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月27日(火) 15:06
文字数:3,116

●前回のおさらい●


 突然現れた千尋ちゃんと話をしている内に。

千尋ちゃんが、去年のこの学校の『ミスコン覇者』だと言う事実をカジ君から知らされた倉津君。


だが倉津君は、その千尋ちゃんの話を疑って、全く信じようとはしなかった!!


ネタ的にも(笑)

「なにが『失礼だね』だ。どうせ、参加人数が2人とかの糞ショボイ馬鹿イベントだろ。それに、イベント会場も、石の裏とかなんじゃねぇの」

「ヒドッ!!大体、その石の裏って何よ?誰相手に審査して貰うのよ」

「蟲?」

「なに、その疑問系?って言うか、蟲に投票権は無かったわよ」

「あぁっそ。じゃあ、妥協して土かなんかか?」

「ふ~~ん。土に意思なんか有ったっけ?」

「凡人には、大凡理解出来ねぇ、大地の意思?」

「ウワ~~~、嬉シイナァ~~~。地球ニ認メラレチャッタヨ、アタシ(棒読み)」

「おぉ、良かったな。ミス大地の巫女。一生、そのまま大地と交信してろ」


『ゴスッ』



「痛ったぁ~~。なにしやがるんだ」

「アンタ、マジで殴るわよ」

「思いっ切り、殴ってんじゃねぇか!!」

「あのねぇ真琴。前世からの付き合いなんだから、もうちょっとさぁ、アタシの事を、ちゃんと見てみなよ。アタシ、これでも人気あるんだから」

「蟲にか?」

「ふ~~~ん。どうやら、もう一発殴られたいみたいね」

「嘘嘘。地球だったな地球。エコ田千尋さん」


『ゴスッ』


イカンな。

天丼が美味しいと思い始めてる俺は、相当重度の『山中シンドローム』だ。

この病気は早めに治さねぇと、その内、奈緒さんに叩かれるのがスゲェ美味しいシュチュエーションだとか思い始めてしまいそうだ。


末期患者になる前に、奈緒さん家に行って、治療法をWEB検索しよ。



「痛ってぇ~~~」

「今度は、ちゃんと目が覚めた」

「覚めるか!!どうせ2人しか参加しなかったイベントだろ。そんなイベントで優勝したからって、調子乗んな」

「いつ?誰が?2人って言ったのよ」

「なっ、なに?さっ、3人だったのか?……いや、違うな。寧ろ、オマエ1人だけか?」

「どうやらアンタ、ホントに死にたいらしいわね?」

「いや、この若さで死にたかねぇけどよぉ。オマエだろ、大人数な訳ねぇだろ」

「なんでよ?」

「オマエ、自分の顔を鏡で見た事が有るか?それに、その体型だぞ。『ミスコン優勝』って言われても、誰が信用すんだよ?」


まぁな。

千尋は、顔も、スタイルも悪くねぇだぞ。

いや寧ろ、喋りさえしなければ、かなりな美少女な部類だとは思う。


けど、どこまで行っても千尋は千尋だろぉ~~~。

だからなんか、イマイチ信憑性が薄いんだよなぁ~~~。


胡散くせぇ。



「酷い。なにも、そこまで言わなくても良いじゃない……そりゃあ私はさぁ、奈緒みたいに綺麗じゃないけど……」

「ちょ!!クラッさん!!樫田先輩とは知り合いなのかも知れないけど、幾らなんでも、今のは言いすぎだろ。樫田先輩、泣きそうじゃないか」


あっ……ヤバイ。

カジの言う通り、千尋の奴が本当に泣きそうだ。


イカンな、流石に、これはイカン。


普段から千尋は、俺がなにを言っても怒らねぇから、基本的に俺は、千尋相手だと直ぐに調子に乗っちまう癖があんだよな。


っとは言え、言い過ぎたのは現実だしな……一応、此処は謝るか。


けどコイツの場合、なんかキナ臭いんだよな。



「悪かった、悪かった。オマエ、十分可愛いって!!彼女がいなかったら、オマエに交際申し込んだって。だから、こんな所で泣かんでくれ」

「泣く訳ないでしょ。馬鹿じゃないのアンタ」

「がっ!!」


ほら、やっぱりだ。


どうせ、こんなこったろうと思ったよ。

この電波女が、そんな事ぐらいで泣く筈が無いからな。



「あのねぇ真琴。去年の文化祭のミスコンは、馬鹿ヒデのせいで、女生徒全員参加だったの。その中で選ばれたんだから、自信を持ってるに決まってるじゃない。下手したら奈緒より良い女かもね」

「……厚かましい」

「なんか言った?」

「いや、奈緒さんより良い女ってのは言い過ぎじゃねぇか?」

「あぁだよね。……奈緒より上は言い過ぎた」

「だろ」

「「ぷっ!!アハハハッハッハッハハッハ……」」

「へっ?なんだこれ?」


いやいや、悪いなカジ。

どうやらその様子じゃ、このノリに付いて来られないんだろ。


まぁけどな、俺と千尋は、昔から、こう言う関係なんだよな。


だから、深く考えたら損するぞ。



「ところでよぉ千尋。マジでなにしに来たんだ?」

「あぁそれ。別に、特別な用事なんか無いけど『なんか真琴を手伝える事がないかなぁ』っとか思って来ただけ。一応OBだしね」

「あぁ、そう言う事な。けど、なんもねぇぞ」

「そうなんだ。ちぇ、つまんないの」

「あっ、あの、樫田先輩」


おっ!!なんか知らんけど、カジから千尋に、なにか提案があるらしい。


内容は見えねぇが、面白そうだから聞いてやろ。



「うん?」

「あのですね。不躾な話で申し訳ないんですが、樫田先輩『メイド服』とかに興味が有ったりしませんか?」


そこ?



「『メイド服』って、なに?……あぁ、あの、ひょっとして『ご主人様。お茶が入りましてございますわよ』とか言う、気取った人が着てる奴の事?」

「あぁまぁ……大体、そんな感じですかね」

「それに興味があると、なにかあるの?」

「あぁっと、実はですね。ウチのクラスの出し物で、そのメイドさんが、お茶を運ぶメイド喫茶って言うのをやるんですけど。良かったら、樫田先輩も手伝ってくれませんか?」

「アタシが?……別に良いけど」

「マジですか!!」

「えっ?うっ、うん。別に、良いけど」

「おっしゃあぁ~~~!!キタコレぇ~~~!!」

「えっ?」


なにこの展開?


ってか、カジの奴、なにを、そんなにはしゃいでるんだ?

サッパリ、先の読めない展開だな。



「おっ、おい、カジ、なにをそんなに喜んでるんだよ?」

「なに言ってんだよ、クラッさん。これが喜ばずに居られるかっての!!中学入学以来、ズッと憧れてた樫田先輩がメイド服を着てくれるんだぞ!!しかも、芸能人って要素付きで……こんな事、普通じゃ、絶対有り得ないって!!」

「あれ、あれ?なんか、凄く喜んで貰えてるみたいね」

「みたいだな」

「いや、ホントありがとうございます。マジ感激ですよ」

「そっ、そうなんだ」

「いや、マジ話するとですね。こうやって、樫田先輩に話をして貰えるだけでも、俺、感激なんですよ」

「オイ、オイ、ちょっと冷静になれよカジ。千尋だぞ、それ」

「解ってるつぅの」


解ってるんだ。


じゃあ良いけどよぉ。


もう1回確認するけど……それ『アホの千尋』だぞ。



「って言う事でですね。早速なんですが、衣装合わせとかして貰っちゃって良いですか?」

「えっ?それは別に構わないけど、君、バンドの練習はしなくて良いの?」

「えぇっと、クラッさん!!今日だけは休ませてくれ。頼む!!この通り!!こんな機会2度とないからさぁ。ホント頼む!!お願い!!」


いや……高々そんな事ぐらいで、そんな真剣な顔で頼まれても困るんだがな。


けど、休みにするなら休みにするで、別に俺は一向に構わねぇよ。

今日の練習を休みにするんなら、川崎の真上さん所に行って彼女を手伝うだけだしさ。


別に、これと言った問題はねぇんだけどな。



「まっ、まぁ、好きにしたら良いじゃねぇの」

「マジか?恩に着るぞクラッさん」

「あぁ但し、歌謡コンクールで優勝出来る様に、練習だけはしとけよ」

「あぁ勿論だ。バリバリやっちゃうよ俺」

「あぁそぉ、じゃあ解った。あぁ序に、此処で千尋に『なにか』宣言しとけ」

「えっ?」

「なに動揺してんだよ?憧れの樫田先輩に良い所を見せたいんだろ。だったら千尋に『なにか』宣言かましとけよ。なぁ千尋」


ふふふふふふ……千尋は、良くも悪くも奈緒さんの友達だ。

なのでこう言う場合は空気を読んで、絶対に奈緒さん同様の悪乗りをしてくれる筈だ。


つぅか、樫田の場合、そんな事を言わずとも感じてくれる筈なんだよな。



「カジ君は、あたしに、なにを宣言してくれるのかな?」


ほらな。


良し良し。

なんか知らんが、これはまた、なんか面白い展開に成って来たぞ(笑)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なんかカジ君が豪い勢いで、千尋ちゃんに自己アピールしているみたいですね。


このイケメン……何かあるのでしょうか?


そして倉津君は、そんなカジ君に対して。

『その勢いで、なにかを宣言しろ』っと言い出しました。


一体、倉津君は、カジ君に何を宣言させるつもりなんでしょうか?


その双方が、次回明らかに成りますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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