最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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613 女子の服選びは大変ですな

公開日時: 2022年10月12日(水) 00:21
更新日時: 2023年9月12日(火) 01:35
文字数:3,334

●前回のおさらい●


 崇秀と検査を行く為に準備をする倉津君。


だが『女性の服選び』っと言うものは。

そんなに簡単に考えて良い様な甘いものではなかった(笑)

 ……ってな訳でござんしてな。

風呂に上がってからは、奈緒さんの眠る部屋で、暖房をガンガンに効かせながら、今日着て行く『服選び』を必至にしてる訳なんですがね。


これがまた、どれも、これも捨て難くて、中々服が決まらない。


……って言うのもな。

この間の1月4日の日。

俺と、奈緒さんと、千尋との3人で、年始恒例のバーゲンセールに行っただろ。


あの時にさぁ。

俺自身が、奈緒さんに、いつも服を借りっ放しになってて悪いなぁって思ったから、奈緒さんや、千尋の薦められるがまま、結構な量の服を買い込んだんだよ。


ほんでまぁ、今日、折角『病院で検査』を受けるだけとは言え。

罷り也にも外出する訳なんだから、せめて、この中から服を選びたいなぁって考えてる訳ですよ。

つぅか、もっと言えば、あの傍若無人な『怪人・身嗜み男』を黙らせてやりたい訳なんですわ。


その上で、出来れば『可愛い』の1言も、言わせてやりたい訳ですよ。


けどな、その2つの目的を果たすのに一番問題になるのは、実は、この『眞子の容姿』なんだよな。


いやまぁ……こう言う事を言うと、ナルシストと思われるかも知らねぇがな。

この眞子の顔って、結構、なにを着ても似合うんだよな。

しかも、プロポーションが抜群で、矢鱈と汎用性が高い。


故に、選んでも、選んでも、もっと上手くコーディネート出来るんじゃないかって思い『服選び』に迷いが消えてくれない訳ですよ。

ホンで風呂から上がって1時間程、下着姿のままで『あれでもない』『これでもない』っと、姿身の鏡を見ながら困り果ててる訳なんですわ。


ホント……美少女って辛いよね♪



「ふぁふぁ……へ~~~くしょん!!アホンダラァほい!!」


・・・・・・


……って、またやっちゃったよ。


前にも、これと同じ事をやっちまったんだが……流石に、今のは無いよな。

自分で恥ずかしげもなく『美少女』とか『自称』してたクセに……クシャミが、おっさんって。


ホント、一番最初に治さないとイケナイ、最低最悪の不味い悪癖だな。



「ふわ~~~。なに、今のぉ?……あれ、クラ、もぉ起きてたんだぁ~~?」


しかも部屋中の木霊した今のBIGなおっさんクシャミのせいで、奈緒さんが起きちゃったよ。


昨日も、散々仕事をして来てるし。

帰宅後には、俺の、崇秀との話も最後まで聞いて貰い、必要以上にスゲェ疲れてる筈なのに。

それを、クシャミ一発で起すなんて、俺が頭おかしいとしか思えないよな。


ちょっとは気を使えつぅのな。


此処は、深く反省だな反省。


ごめんね、奈緒さん。



「すっ、すみません。起しちゃいましたか?」

「うん?うん、起きた。……ふわ~~~……」

「あっ、ごめんなさい。あぁっと、それと、おはようございます、奈緒さん」

「うん、おはよぉクラ……むにゃむにゃ」


うわうわ!!可愛い!!


寝起きで、少しだけ髪に寝癖が付いてて『ぽや~~~んとしたバージョン』の奈緒さん、チョコっとだけ首を傾げて、不思議そうな顔でコッチをジィ~~~っと見てる。

しかも、上半身だけ布団から出て、掛け布団の上に両手を重ねてるよ。


なんッスかね?この萌系の可愛い小動物。


それにしても、この『ぽや~~ん奈緒さん』は、いつ見ても……愛らしいのぉ、癒されるのぉ。

抱っこしたくなるぐらい可愛いのぉ。


……あぁ、イカンイカン。

服選びに悩み過ぎてて、約束の時間まで、あまり時間が無いんだった。


地味にだが1分1秒とタイムリミットは迫って来るからな。


はよ、決めんと。



「ん?それはそうと、どったのぉ?なんで、そんな寒そうな格好してんのぉ?」

「あぁっと、ちょっと、今からお出掛けするんで、服を選んでたんですけど、中々『これ』と言った物が決まらなくて……」

「ふ~~ん、そうなんだぁ~~。……それで、クラは、どこ行くのぉ?」

「あぁっと、病院まで、ちょっと検査をしに行くんですよ」

「そっかぁ、病院かぁ。……あぁ、でも、クラ。『生理中』は、あんまり体を冷やしちゃダメだよぉ」

「そう……なんですか?」

「うん、ダメ。……だから、早く、服を決めなきゃダメだよぉ」


そうなんだな。

只今、絶賛『生理』初挑戦中だから、そう言う具体的な事は、全く解らないんだよな。


実際の所、崇秀には説明して貰ったものの。

生理が自身の体に及ぼす影響ってのが、今だにまだよく解ってなかったりするんだよな。


けど……『生理』の事も大事だけど。

アイツと一緒に病院に行くから『服選び』は出来るだけ細心の注意を払って、慎重にしたいんだけどなぁ。


……困ったなぁ。



「あの、奈緒さん」

「うん?なぁに?」

「あの……寝起きの所、非常に申し訳ないんですが。奈緒さんなら、どれが良いと思いますか?」

「うん?う~~~ん……じゃあねぇ、それと、それを組み合わせてねぇ。それを上に羽織ってみたら良いんじゃないかなぁ。病院に行くぐらいだったら、それで十分だよぉ」


率直な意見を返してくれたので、直ぐに奈緒さんの指示に従い。

指定された服を一斉に集めて、一旦、それに着替えてみる。


・・・・・・


う~~~ん。

奈緒さんのセンスは、全然悪くは無いし。

それに服装自体も、眞子の感じにフィットして、似合ってはいるんだけど……


これだと、少しラフ過ぎる感じが抜けなくて、崇秀が相手だと文句を言われかねないなぁ。


ちょっとだけ、問題有りな感じだな。



「あの、奈緒さん」

「うん?なんだい?」


此処に来て『うん?なに?』の派生系が登場したよ!!


つぅか、この『うん?なんだい?』メチャ可愛いじゃないッスか!!


この人、まだ、こんな隠し技を持ってたのか……ギャフン!!



「あの、あのですね。実を言いますと、病院には、崇秀が付き添いで来るんですよ。だから……」

「あぁ、そうなんだぁ。……じゃあ、その格好じゃあ、ちょっとラフ過ぎるね。それだったら、一旦、それを全部脱いで、それとそれ。後は、スカートを、それで合わしてみ。それだと間違いなく、クラが納得出来るぐらい似合おうと思うよぉ」


再び、奈緒さんの指示した服をかき集めて、素早く着替える。


・・・・・・


あぁっと……これは思った以上に、かなりのフェミニン系の服装だな。

奈緒さんの言葉通り、間違いなく似合ってはいるんだが、なんか、この系統特有の『媚びた』感じが、どうしても消えないなぁ。


あぁけど……これだったら、崇秀の几帳面馬鹿も文句は言いそうにないかな?


・・・・・・


……うんうん!!

このコーディネートは、奈緒さんのお薦めだし、これにしとこ♪



「奈緒さん……似合う?」

「ぬぬ……こりゃあ、思った以上に可愛くなっちゃったねぇ。うんうん、よく似合うよぉクラ」

「本当ですか?……じゃあ、奈緒さんが褒めてくれたから、これに決めちゃいますね」

「うんうん」

「あの……疲れてるのに、本当に、ありがとうございます、奈緒さん。ごめんね」

「うん、良いよぉ。……でも、出掛ける前に、ちゃ~~んと、私に『ちゅ~』してから行くんだよ。クラ、お礼頂戴♪」

「あっ、はい、勿論……よろこんで♪」


可愛いホッペに『チュ』♪



「えへへ……ご褒美に『ちゅ~』して貰っちゃった。えへへ」


あの~~~、この人、鞄に入れて持って行って行って良いかな?

このバージョンの奈緒さん、可愛い過ぎるにも程があるぞ!!


ヤッパ……生粋の女の子は、持っているフェロモンが違うな。


学ぶ所が多いし。


癒されすぎて……妙に照れるな。



「あっ、あの、じゃあ、奈緒さん、ちょっと出掛けて来ますね」

「うん……いってらっしゃ~~い。気を付けて行って来るんだよ。……じゃあ私は、今日、アリーナだから、もぉちょっと寝るね」


奈緒さんは『ポテッ』と電池が切れたみたいに、そのまま布団に寝転がった。


それを見ていた俺は、このままじゃあ、風邪を引いちゃうんじゃないかと思い。

少し捲れたままの掛け布団をキッチリと元に掛け直し、布団の中に風が入らない様に『ポンポン』っと掛け布団を叩く。


後は、髪型をキッチリセットして。

出していた服を全部綺麗に畳んでから、箪笥に直し。

上げていた部屋の暖房を、元の常温に戻してから出かける事にした。



「おやすみ、奈緒さん……良い夢見て下さいね♪」


……にしても『早起きは3文の得』とは、よく言ったもんだな。

あんなプリちぃな奈緒さんが見れるなら、これから毎日、早起きするのも悪くないかも知れないな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


毎朝の女性がしている服選びって、かなり大変な様ですね。


特に今回の様に、新品の服で悩んでいた倉津君の苦労なんて言うのは、その極一部でしかなく。

本来なら、此処で更に『着回しの苦労』っと言うものが付き纏う事になるんですよ。


どう言う事か?と言いますと。

幾ら、今回の様に自分に似合うお気に入りの服が出来たとしても、当然女性であるならば、そればっかり着ている訳にはいきません。

もし、そうやって同じ服ばかり着ような物なら、同性に『あっ、この子、また同じ服を着てる』なんて思われるので。

その服を着るにしても、他のアウターやボトムス、若しくはアクセを選ぶコーディネート力がないと行けなくなるんですよ。


これを考えるのが、また大変な訳ですよ。


さてさて、そんな風に服選びを終えた倉津君。

此処からは病院での検査を受ける為に、自身の地元の駅に向かう訳なのですが。

此処で意外な発見をする事に成りますので……良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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