●前回のおさらい●
奈緒さんの身嗜みを整える時間を稼いだ眞子だったが。
それでもまだ足りなかったのかして、美意識の高い奈緒さんは洗面所で未だ格闘中(笑)
なので、眞子は気を利かせて紅茶を入れに行こうとするのだが……
「お待たせ」
「おぉ、サンキューな。なんか気ぃ使わせて悪いな」
「あぁ良いよ、良いよ。崇秀には、いつも、いっぱいお世話になってるから、これぐらいはね。……あれ?あぁ、それはそうと奈緒さんは、ひょっとして、まだ帰って来てないの?」
「多分、まだ、洗面所で格闘してるんじゃないか」
凄いなぁ……
結構、紅茶の準備に時間掛かったのに、まだやってるんだ。
あの人は、どんだけ美意識が高いんだろう?
「そう……なんだ。だったら、先に飲んどく?」
「いいや。折角だから、待たせて貰う。オマエも、3人で飲んだ方が良いんだろ?」
「あぁ、うん……まぁね」
もぉ……もてなさなきゃいけない立場なのに、逆に気遣いされちゃたよ。
……ってかね。
ホント、いつも思うんだけど。
なんで、こんなに簡単に、崇秀は人の心理が読めるんだろうなぁ?
不思議なヤッチャな。
……まぁそんな訳なんで。
一旦、テーブルの上に、セットしたいた紅茶のセットをそのまま置いてコタツに入る。
おぉ~~~!!コタツは、ヤッパリ幸せの極みだぁ♪
毎度毎度コタツに入る度に思うんだけど、この瞬間だけは『日本人に生まれて良かった』って思えるよね。
『コタツ』は、まさに、神が日本人にだけ与えた『神の道具』だよね。
うぅ~~~っ、幸せ過ぎる~~~!!
だからって訳じゃないんだけど。
コタツの上の机に顔をペタッとくっ付けて、コタツを満喫する。
「……にしてもオマエ」
「はい?なに?」
「俺にホットって珍しいな」
「あぁ、そこね……まぁ今日は、折角だからさ。偶には崇秀にも、ゆっくり寛いで貰おうと思ってさ」
「ふ~~~ん。意外と気が利くんだな」
「いやいや、崇秀にだけは言われたくないよ」
「そうかぁ?俺は、ありのままの事しか言わねぇんだがな」
そっ、そぉ?
ははっ……照れるなぁ。
「へへぇ~~~、惚れんなよぉ」
「心配すんな『この顔だけの半腐れ』。そう想われたいなら、紀元前からやり直して来い」
「やった!!」
「んあ?なにがだよ?」
「いやいや、ちょっと前と、さっき『ビッグバンからやり直せ』って、過去2回程言われてるから。『紀元前』だったら、私も進歩してるんだなぁって思ってさ」
「オイオイ、どんなポジティブだよ?それ?」
「「果・て・し・な・く」」
「……だろ。この天丼ワンパターン女め。そこで俺の真似をする事ぐらい読め読めなんだよ」
「ぐむ」
……読まれた。
完全な天丼崩しには、二の句が出ない。
そして、異様に恥ずかしい。
……憶えとけよ。
……そんな折。
「ごめんね。遅くなって。あぁっと、仲居間さんも、お待たせしちゃって、すみませんね」
っと、奈緒さんが漸く部屋に現れたんだけど。
あれ?奈緒さん、なんか今日は、いつもにも増して、無駄な程に気合入ってませんか?
服装自体は、普段と、あまり変わらないんだけど、今日の奈緒さんは滅茶苦茶可愛くて、後光が見える程に輝いてますけど。
なんでですかね?
「いや、俺は一向に構わねぇよ。今日の予定は丸々空けて有るから。明日から、またいつも通り、スケジュールに従えば問題なしだ」
「えぇっと、仲居間さん」
「んあ?」
「あの……その言い様だと。ひょっとして仲居間さんって、毎日スケジュールを立ててるんですか?」
そうですよ奈緒さん。
崇秀は、毎日予定を立ててますよ。
しかも、小学校1年の時から……
良い事なだけに……病気です。
「まぁ、そんな口で言う程、大層な物じゃないけどね。1日でやる事のノルマぐらいは決めてるなぁ」
「そうなんですか。……だったら、なんで、今日に限っては1日空けたんですか?」
「んあ?そりゃあ『向井さんが、俺に、なにか用事が有るんじゃないかなぁ?』っと思ってな。……俗に言う『虫の知らせ』って奴だな」
出たよ。
『セブンセンシズ』に完全に目覚めた、メフィスト座の最強裏ゴールドセイントめ!!
あぁ~~たは、世界中で起こってる事は、なんでもお見通しか!!
……ってか、奈緒さんの、崇秀に用事ってなんだろね?
・・・・・・
……あぁ、そうだ、そうだ。
こんな風に話を聞き入ってる場合じゃないや。
折角、紅茶作ったんだから、カップに淹れなきゃね。
でも、気になるから、紅茶を淹れながらでも2人の話は、ちゃんと聞いて置こう。
「あのぉ、なんで、わかったんですか?」
「いや、だから、ただの『虫の知らせ』だって。正に『直感』的なものだな」
「えっ?仲居間さんって、意外とアヤフヤな事も信じてるんですね。……ちょっと意外」
「いやいや、実は、そうでもないんだよな」
「なんでですか?」
「んあ?だって俺、理屈は好きだけど。基本的な部分では、全部『インスピレーション』に従って生きてるからね。意外と適当だったりするんだよな」
「嘘……」
「いや、ホント」
うん、ホント。
……って言いますかね奈緒さん。
この男はですね。
まず『直感的』にモノを考えて、その後『理詰め』する様な男なんですよ。
それでいて、比較的失敗のしない方法を常に考えるんですよ。
……っで、それでも失敗したら、そこで逆に嬉々として喜ぶ様な本物のキチガイなんですよ。
小学校入学と共に渡された『崇秀の取り扱い説明書』には、そう記載されてましたよ。
基本ですよ。
「……っで、向井さん。俺に、なんか用事ある?昨日の件が有るから、俺に出来無い事でも、なんでもするよ」
「あの、出来なくてもするんですか?」
「当然。その為に、各国に優秀なスタッフを鏤めて(ちりばめて)いるんだからね。俺が出来なくても。その誰かが出来れば、なにも問題は無い」
「えぇっと、それって『GUILD関係の人』の話なんですか?」
「まぁ、半分は正解だね。でも、向井さんの解答は、恐らく半分は間違ってる。……いや、正確に言うと『勘違いしてる』ってのが正解かもな」
「えぇっと、それって、どういう意味ですか?」
う~~~わっ。
奈緒さんの横で話を聞いてるだけで、絶対的なイヤな予感が漂ってる。
なんかねぇ。
見様によっては、黒いオーラが崇秀の廻りをグルグル渦巻いてる様に見えるんですけど……
崇秀……今度は、なにをやらかしたんだろ?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
奈緒さん……相変わらず、美意識が高い様で(笑)
っで、そんな奈緒さんも準備が整い。
漸く、部屋に足を踏み入れた訳なのですが……なんだか、崇秀は、この行動を予測していた様な態度。
此処から、一体、何が起こるのか?
そして崇秀の言う『奈緒さんの勘違い』っと言うのは、何なのか?
次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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