最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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667 奈緒さんが部屋に戻って来るまでの間

公開日時: 2022年12月5日(月) 00:21
更新日時: 2023年1月20日(金) 14:20
文字数:2,439

●前回のおさらい●


 奈緒さんの身嗜みを整える時間を稼いだ眞子だったが。

それでもまだ足りなかったのかして、美意識の高い奈緒さんは洗面所で未だ格闘中(笑)


なので、眞子は気を利かせて紅茶を入れに行こうとするのだが……

「お待たせ」

「おぉ、サンキューな。なんか気ぃ使わせて悪いな」

「あぁ良いよ、良いよ。崇秀には、いつも、いっぱいお世話になってるから、これぐらいはね。……あれ?あぁ、それはそうと奈緒さんは、ひょっとして、まだ帰って来てないの?」

「多分、まだ、洗面所で格闘してるんじゃないか」


凄いなぁ……


結構、紅茶の準備に時間掛かったのに、まだやってるんだ。

あの人は、どんだけ美意識が高いんだろう?



「そう……なんだ。だったら、先に飲んどく?」

「いいや。折角だから、待たせて貰う。オマエも、3人で飲んだ方が良いんだろ?」

「あぁ、うん……まぁね」


もぉ……もてなさなきゃいけない立場なのに、逆に気遣いされちゃたよ。


……ってかね。

ホント、いつも思うんだけど。

なんで、こんなに簡単に、崇秀は人の心理が読めるんだろうなぁ?


不思議なヤッチャな。


……まぁそんな訳なんで。

一旦、テーブルの上に、セットしたいた紅茶のセットをそのまま置いてコタツに入る。


おぉ~~~!!コタツは、ヤッパリ幸せの極みだぁ♪

毎度毎度コタツに入る度に思うんだけど、この瞬間だけは『日本人に生まれて良かった』って思えるよね。


『コタツ』は、まさに、神が日本人にだけ与えた『神の道具』だよね。


うぅ~~~っ、幸せ過ぎる~~~!!


だからって訳じゃないんだけど。

コタツの上の机に顔をペタッとくっ付けて、コタツを満喫する。



「……にしてもオマエ」

「はい?なに?」

「俺にホットって珍しいな」

「あぁ、そこね……まぁ今日は、折角だからさ。偶には崇秀にも、ゆっくり寛いで貰おうと思ってさ」

「ふ~~~ん。意外と気が利くんだな」

「いやいや、崇秀にだけは言われたくないよ」

「そうかぁ?俺は、ありのままの事しか言わねぇんだがな」


そっ、そぉ?


ははっ……照れるなぁ。



「へへぇ~~~、惚れんなよぉ」

「心配すんな『この顔だけの半腐れ』。そう想われたいなら、紀元前からやり直して来い」

「やった!!」

「んあ?なにがだよ?」

「いやいや、ちょっと前と、さっき『ビッグバンからやり直せ』って、過去2回程言われてるから。『紀元前』だったら、私も進歩してるんだなぁって思ってさ」

「オイオイ、どんなポジティブだよ?それ?」

「「果・て・し・な・く」」

「……だろ。この天丼ワンパターン女め。そこで俺の真似をする事ぐらい読め読めなんだよ」

「ぐむ」


……読まれた。


完全な天丼崩しには、二の句が出ない。


そして、異様に恥ずかしい。


……憶えとけよ。


……そんな折。



「ごめんね。遅くなって。あぁっと、仲居間さんも、お待たせしちゃって、すみませんね」


っと、奈緒さんが漸く部屋に現れたんだけど。


あれ?奈緒さん、なんか今日は、いつもにも増して、無駄な程に気合入ってませんか?

服装自体は、普段と、あまり変わらないんだけど、今日の奈緒さんは滅茶苦茶可愛くて、後光が見える程に輝いてますけど。


なんでですかね?



「いや、俺は一向に構わねぇよ。今日の予定は丸々空けて有るから。明日から、またいつも通り、スケジュールに従えば問題なしだ」

「えぇっと、仲居間さん」

「んあ?」

「あの……その言い様だと。ひょっとして仲居間さんって、毎日スケジュールを立ててるんですか?」


そうですよ奈緒さん。

崇秀は、毎日予定を立ててますよ。


しかも、小学校1年の時から……


良い事なだけに……病気です。



「まぁ、そんな口で言う程、大層な物じゃないけどね。1日でやる事のノルマぐらいは決めてるなぁ」

「そうなんですか。……だったら、なんで、今日に限っては1日空けたんですか?」

「んあ?そりゃあ『向井さんが、俺に、なにか用事が有るんじゃないかなぁ?』っと思ってな。……俗に言う『虫の知らせ』って奴だな」


出たよ。


『セブンセンシズ』に完全に目覚めた、メフィスト座の最強裏ゴールドセイントめ!!

あぁ~~たは、世界中で起こってる事は、なんでもお見通しか!!


……ってか、奈緒さんの、崇秀に用事ってなんだろね?


・・・・・・


……あぁ、そうだ、そうだ。

こんな風に話を聞き入ってる場合じゃないや。

折角、紅茶作ったんだから、カップに淹れなきゃね。


でも、気になるから、紅茶を淹れながらでも2人の話は、ちゃんと聞いて置こう。



「あのぉ、なんで、わかったんですか?」

「いや、だから、ただの『虫の知らせ』だって。正に『直感』的なものだな」

「えっ?仲居間さんって、意外とアヤフヤな事も信じてるんですね。……ちょっと意外」

「いやいや、実は、そうでもないんだよな」

「なんでですか?」

「んあ?だって俺、理屈は好きだけど。基本的な部分では、全部『インスピレーション』に従って生きてるからね。意外と適当だったりするんだよな」

「嘘……」

「いや、ホント」


うん、ホント。


……って言いますかね奈緒さん。

この男はですね。

まず『直感的』にモノを考えて、その後『理詰め』する様な男なんですよ。


それでいて、比較的失敗のしない方法を常に考えるんですよ。

……っで、それでも失敗したら、そこで逆に嬉々として喜ぶ様な本物のキチガイなんですよ。


小学校入学と共に渡された『崇秀の取り扱い説明書』には、そう記載されてましたよ。


基本ですよ。



「……っで、向井さん。俺に、なんか用事ある?昨日の件が有るから、俺に出来無い事でも、なんでもするよ」

「あの、出来なくてもするんですか?」

「当然。その為に、各国に優秀なスタッフを鏤めて(ちりばめて)いるんだからね。俺が出来なくても。その誰かが出来れば、なにも問題は無い」

「えぇっと、それって『GUILD関係の人』の話なんですか?」

「まぁ、半分は正解だね。でも、向井さんの解答は、恐らく半分は間違ってる。……いや、正確に言うと『勘違いしてる』ってのが正解かもな」

「えぇっと、それって、どういう意味ですか?」


う~~~わっ。

奈緒さんの横で話を聞いてるだけで、絶対的なイヤな予感が漂ってる。


なんかねぇ。

見様によっては、黒いオーラが崇秀の廻りをグルグル渦巻いてる様に見えるんですけど……


崇秀……今度は、なにをやらかしたんだろ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


奈緒さん……相変わらず、美意識が高い様で(笑)


っで、そんな奈緒さんも準備が整い。

漸く、部屋に足を踏み入れた訳なのですが……なんだか、崇秀は、この行動を予測していた様な態度。


此処から、一体、何が起こるのか?

そして崇秀の言う『奈緒さんの勘違い』っと言うのは、何なのか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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