ある日の生徒会室でのこと。
〈アゲハ〉あれ?
〈坂尾〉ん?どうしたの?
〈アゲハ〉いえ、パソコンの調子が悪くて...
〈坂尾〉え?ちょっと見せて
〈坂尾〉んー、これは、わからんなー。とりあえずもうすぐ柄本会長来るとおもうから待ってて。ごめんね、おれ機械苦手だから。会長と二神はパソコン得意だから聞いてみる
〈アゲハ〉すみません...
〈坂尾〉いいよ
と、そこに会長と芽果が入ってきた。
〈坂尾〉おっ!ちょうどいいところに!
〈柄本会長〉ん?なにが?
〈坂尾〉実は、さっきパソコンが...
坂尾はパソコンが調子悪いことを伝えた。
〈柄本会長〉んー、どれどれ?おっ!これは!
〈坂尾〉なにか、わかったんですか!?
〈柄本会長〉いや、多分これは、wifiの調子が悪いな、もしかしたら、抜けてるのかもな。ところでさっきまでなんのしごとしてた?
〈アゲハ〉新しくできたズボン部の経費を計算して、算出してました
〈柄本会長〉おおっ!あのズボン部か!よし!わかった!直してやる!
生徒会室のwifiは入り口はいって、大きな白いガラス張りの棚がある。そこの一番上に色々なコードやwifiがひいてある。コンセントもそこにある。柄本会長はその棚の上を靴を脱いで、椅子の上に上り、手を伸ばした。
〈柄本会長〉よし!これでどうだ?アゲハ、ちょっとパソコン動かしてみて
〈アゲハ〉はい
と、アゲハはパソコンを動かした。
〈アゲハ〉あ!直しました!やった!ありがとうございます!
〈柄本会長〉おう!またなにかあったらいってくれ
〈アゲハ〉はい!
と、柄本会長は椅子から降りようとした瞬間芽果がなにかに気づき、猫に引っ掻かれたような声で悲鳴をあげた。
その声に柄本会長はびっくりした。
〈柄本会長〉うわ!びっくりした。なんだよ?急におちるところだった
〈芽果〉ちょっと!篤実くん!その靴下なに!?
〈柄本会長〉は?靴下?
〈芽果〉は?じゃないわよ!その青い靴下!穴めちゃ空いてるじゃない!?しかも!両方とも!
〈柄本会長〉そうだな?それがどうした?
〈芽果〉"んっー!!もう!だらしないわよ!この学校の背中を背負ってる生徒会長がだらしない!なにしてるのよ!いい!こういうところで、性格がでるのよ!なんで!そんなにだらしないの!ねえ!聴いてる!?
〈柄本会長〉あ、いや、その...
〈道久〉すげー...あの会長が圧されてる
〈芽果〉なんで?いつもそうなの!?なんで、そんな一杯穴が空いてる靴下をわざわざ履いてくるの!?せめて、穴あいてないやつ履いてきてよ!お願いだから!それだから、なめられるの!それに、もう3年生なんでしょ!
一番こういうことに気をつけないといけない時期でしょ!あ!思いだした!進学か就職か調査する進路希望調査って、あっちゃんまだたしかだしてないよね!?
どうなってるの!?あっちゃんだけじゃない!?科目だってあんまり考えずに決めるし!
芽果は顔が赤くなるほど怒った。
〈柄本会長〉そ、それは靴下と関係ないんじゃ...
〈芽果〉そんなことありません!大体ね!昔から...
と、そこに二神が入ってくる。
〈二神〉柄本会長、理事長が呼んでましたよ?
〈柄本会長〉おっ!それは大事な用かも!また、こんどな!芽果!
と、行ってしまった。
〈芽果〉あっ!ちょっと!まだ話は終わってないわよ!まったく、もう!
と、怒りながら椅子に座る。
そこに、二神がお茶を入れて芽果に持ってきた。
〈芽果〉あら、ありがとう
〈二神〉少しは落ち着きましたか?
〈芽果〉ええ、だいぶ。会長も二神くんみたいにしっかりしてほしいわ
〈二神〉僕はそんなにしっかりしてないですよ?それに元々は生徒会に入るつもりは無かったんです。けど、あの人の下に居たいって思わせてもらいました。
今頃ここに居なければ、つまらない高校生活になってたのかも
〈芽果〉まあ、あんなのでも生徒会長だもんね。しっかりしてるようでしっかりしてない。そんなところがかわいいところでもある。今回はちょっと怒り過ぎたのかもしれないわ
〈二神〉時には鬼のように厳しいところも
〈芽果〉その裏腹では凄く心配性で優しい一面も
〈二神〉なんか鬼の目にも涙みたいですね
〈二神〉ははは!
〈芽果〉ふふふふ!そうね!
と二人は笑っていた。
柄本会長には人を見る目がある。このメンバーは柄本会長が一番、安心できるメンバーなのだろう。
ー 43 靴下と鬼 ー 続く
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