あれから1年半──────────
椿たちが卒業した後、大戸先生と千代先生はまだまだラブラブだ。
すっかり職場恋愛にも慣れていて、気付かれずに2人は会う。
付き合って1年半、そろそろと悩んでいた。
ここまでバレてないのは奇跡としか言いようがない。しかもまだ千代先生と付き合ってるなんて幸せと感じている。不器用なので前の誕生日のサプライズも失敗してしまった。千代先生は優しい。でもどこかでこれでは行けない、そんな事を考える。
付き合った当初はオドオドしていて、男らしくなかった。
いまも男らしいかと言われると疑問だ、不器用だし、肝心な時に手助けが出来ない。
そんな自分は辞めたい。
決意をした。
大戸先生はある決意をした、それはもっと千代先生が幸せになって欲しいと考えた結果。
そして行動に移す。
だが、どうやって行動するのか分からなかった。
こんな事を相談できる人なんていない。まだ他の先生達には隠しているので、話すことはできない。
友達はというと、パソコンオタクばかりで役に立たない。
どうにか対策を練らないといけない。
大戸先生はため息をついた。
そこに千代先生が声を掛ける。
〈千代先生〉大戸さん!
その声に大戸先生はびっくりする。
〈千代先生〉どうかしたのですか?
〈大戸先生〉いえ、大丈夫です
おどおどする大戸先生を見て、不思議そうに感じる千代先生。首を傾げる。
少し見つめたあと、千代先生は難しい顔をしている。そして手を引っ張って、誰もいない書道教室に入る。となりは保健室だ。
2人きりの空間、大戸先生はドキドキが止まらない。
〈大戸先生〉ど、どうしたんですか?
〈千代先生〉あなたが暗い顔をしてるから。なにかあったのか分からないけど、こうしたかった
そういうと、千代先生は大戸先生の頭をヨシヨシと撫でた。恥ずかしがっている。
2人は顔をまっかにする。千代先生とは意外と行動派の人間であると言うこと。
〈千代先生〉もう少しで仕事終わりだね、ファイトですよ! 航くん。 帰ったらご飯沢山作るから
〈大戸先生〉ありがとう
何気ない千代先生の行動に自然と笑顔になる大戸先生。
〈大戸先生〉本当にありがとう、頑張るよ!
その言葉に千代先生も笑顔になる。微笑む2人。
それを1人、密かに偶然見ていた人が居た。
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