椿たちは、夢中で要のところまで、走った。
要の家につくと、椿はピンポーンとベルを鳴らした。こんなときにベルは陽気な音を発した。
中から親が出た。話をきくと、今日は帰って来てないそうだ。
〈椿〉わかりました、ありがとうございます
〈椿〉くそ!あいつどこにいるんだ!!もしかして!
〈一星〉なにか、わかったのか?
〈椿〉ああ、多分あそこだ!いくぞ!
そういうと、椿たちはあの場所へと向かった。
椿と一星の家の近くにある二つの道がある塀を抜け昨日の道を椿たちは走っていた。
〈椿・一星・道久・スカイラー〉はあ、はあ......ついた
〈一星〉はあはあ、本当にここか?
〈スカイラー〉みて!いたわ!
椿たちは公園につき、要を見つけると、そこに近づいた。
すると、要は別の男たちと喧嘩していた。
椿たちは、要たちの間に入って止めようとした。
〈椿〉まて!要!
〈要〉なっ!お前らなんでここに?
と、この瞬間だけ、喧嘩が止まった。
〈ヤンキー1〉なんだ?お前ら?お前らもボコボコにするぞ!?
〈要〉あ?うるせぇな、雑魚が吠えるなや
と、要はヤンキー1を睨んだ。
〈要〉おい!お前らはよにげろや!
〈椿〉やだね!
と、言いつつ、おれは足をガクガクさせていた。
〈要〉は?あほか?さっさといけ!ブルッとるやんけ!
〈椿〉やだね!絶対にげないぞ!怖いけどな!
〈要〉おい!お前らもなんか言えよ、こいつつれて遠くにどっかいけ!あたしに関わるな!
要は椿以外のメンバーに声をかけるが、一つも動かなかった。
〈要〉ちっ!お前らなっ~!あいつにそそのかされやがって
〈一星〉おれたちは、どこも行かんよ、お前を迎えに来たんだからな。ここまできてめそめそ逃げられるかよ
〈スカイラー・道久〉うん!
〈要〉っ!はあ~ 本当にあほやな!
と、そこにヤンキー2が殴りかかってきた。
〈ヤンキー2〉おい!よそ見するなよ!
要は簡単に避け、ヤンキー2を殴り飛ばした。
〈ヤンキー3〉なに??なんてやつだ、このアマァ!?
〈要〉さっさとこい
要はヤンキーたちに挑発した。よほど勝つ自信があるみたいだ。
そこに、ある男が出てきた。
〈緒方〉よう、久しぶりじゃあねえか?フッフフフッ
要さんよぉ!?
〈要〉っ! お前は...... ん? 誰やっけ??
〈緒方〉あああん!?!?てめえ!覚えてねえのか!?バカか?この緒方弘人を!
椿たちは、ガクっく肩がおちた。
〈椿〉いやいや!誰やっけはないだろ!?
椿は思わず、突っ込んでしまった。
〈要〉しらん!何人と喧嘩してんと思ってんの?いちいち覚えてないわ
と、要は耳をほじりながら答えた。
〈緒方〉ッ~~!!!?なめやがって!殺してやる!あの恨みごと、お前を消してやる!
〈椿〉なあ、おまえなんでそこまで要に恨んでんだ?
〈緒方〉あ? なんでだと?こいつをしらないのか?
こいつは伝説のピンクヘッド・エクゼキューターつってな、ピンク髪した処刑人。次々と処刑するかのようにあらゆる武器をつかって倒してった最強の処刑人さ。そして、その昔おれはこいつとおな中だった。
挑んだら、この様だ
〈緒方〉ていうか、お前らこそなんなんだよ
〈椿〉おれらか?おれらは草ww破滅部だ!要はおれたちの仲間だ!
と、椿たちはウルトラマンの変身の時のようなポーズをとった。
〈要〉ださ
と、言うと緒方は笑った。
〈緒方〉ハハハ!!なんだ!それ?だせえな!?ふはは!てか草ww破滅部とか、ありえんわ!ゴミクズみたいな部活だな!入るならもっとましなとこいけよ!
てか、あの伝説のヤンキー様が、部活やってるとはな!あほか!ハハハ!!!!
と、椿たちや部活の事をけなしながら、昔、要にやられた歯を見せた。
椿たちは衝撃的だった。
要がヤンキーだとは知ってたけど、まさか昔伝説のヤンキーだったとは。だが、椿はそんなの関係ない。
こいつは椿、おれたちの友達だ。
そんな事を思ってるうちに要はなにかにイラっときたのか、緒方をぶん殴った。渾身の力で殴った。
すると、要の拳は緒方の顔にクリーンヒット!ホームラン!おれや他のメンバーは驚いて口を開けて、そいつが飛んでいくのを見守っていた。
それに嫌な音も聴こえた。おそらくまたどっかの歯が砕けたようだ。
要はソフトボールやってたら、ピンチヒッターとして、何本もホームランを為し遂げるだろうなと思わせるような素晴らしいパンチだった。
〈要〉ふぅー、終わった
と、そこに警察が。
〈警官A〉お前ら!なにしてるんだ!こっちにこい!
〈椿〉やべ!おい!逃げるぞ!
と、椿たちは警官から逃げた。
すると、要だけ動かなかった。
〈要〉あたしはいい
〈椿〉いいから!こい!
と、無理やり要の手を引っ張りその場から逃亡した。
椿、一星、スカイラー、道久、要の5人は学校近くの川の橋の下に隠れていた。
〈椿〉ハアハアハアハア、まって、もうむり
〈要〉ハアハア...もう息切れとるやん。あ、お前たしかこの前、体力に自信あるとかいってなかったか?
〈一星・スカイラー・道久〉ほんとに、それな!
〈スカイラー〉普通、あそこでこけませんわ
椿は走ってるとき、公園を抜けあの塀のところで一回転んだ。すぐに立ち上がったから、捕まらずよかった。
〈要〉じゃあ、あたし行くから。もう関わらないで
〈椿〉まて!そんなこと言うなよ
〈要〉ちっ!なんだよ!構うなよ!あたしはこういう弱い人間だ!
〈椿〉そんなことないさ、お前は強い人間じゃないか。信じてる、要はおれらの仲間だからな
〈要〉もういいて!強くなんかない!あの時もすぐ逃げて、おまえに助けてもらって、、、それが嫌だった。こんな自分が嫌だった!
〈一星〉要.......
〈椿〉じゃあ!また助けてやる!いったろ?友達っていうのは、おれらの信頼だ。だから、裏切られても信用できる。だろ?
〈要〉っ!なにそれ、ばかじゃないの?あたしはもうあんたらなんかどうも思ってない!部活も意味ない!
〈椿〉じゃあ、なんで、あの緒方ってやつに部活や俺らをバカにされて、怒ったんだ?
〈椿〉なんで、昨日、泣いてたんだ?
なんで、俺らに逃げろって言ったんだ?
おれらに迷惑かけたくねえって思ったんじゃないか?
おまえは俺らも部活のこともそんなちんけな繋がりじゃねえ!って事を知ってるからだろ!
ふざけんな!自分に嘘つくなよ!俺らがいるだろ!おれでも、こいつらでも相談一つぐらいしろよ!
こっちはどれだけ不安で辛いか、お前が一番しってんだろ!要も一緒だろ?辛かったんだろ?迷惑かかるから、相談なんてできない、危ないことはさせたくない、なら自分で解決する。そう思ったんだよな?
〈要〉っ!!!
要は椿の言葉に下を向き、拳をぎゅっと締めた。今でも泣きそうな顔してた。
〈椿〉なあ、もう一度、おれたちを信じて見る気はないか?おれたちは大歓迎だぜ?
いいか、要は一人なんかじゃないぞ?おれや一星や兵藤や倖奈も先生だって!仲間なんだぞ!もっと信じてみてもいいかもよ?
大丈夫!あと一歩じゃないか!要のその暗くて辛い扉から一歩、歩いて開けてみろ、おれたちが要るよ。助けるよ。この手でお前を引っ張り出してやるから。
安心して、開けてみろよ、少しずつでもいいからさ
と、椿は手のひらで軽く叩いた。
〈スカイラー〉うん、そうですわ。安心しな
〈道久〉うん!もう大丈夫
〈一星〉ああ!そうだな!もう少しだ!信用してみろ!
〈要〉みんな......ありがとう。あたし、怖くて、誰も傷つけたくなくて、言えなくて。本当は助けてって何度も心ではいってるのに......
あいつら...なにするかわからないし、怖かったんよ......迷惑かけたくない、心配させたくなかっただけなのに......
要は泣き崩れてしまった。椿たちの想いが要の心の暗い扉を開けたようだ。
すると、なぜか椿は泣いていた。
なぜだろう?安心したからか?要が戻ってきたからか?わからない。いろんな想いの感情が一変入ってきて涙として、零れ落ちてきたようだ。
〈要〉なんで、おまえが泣いてん?あほちゃうか?
と、要は涙を拭きながら、笑っていた。いつものように。その泣き顔は処刑人などといった恐ろしい名よりも、天使のような落ち着くような辛さと悲しみを和らげるような、そんな泣き顔をしていた。
〈椿〉う、うるせー!
椿は、さっと顔をそっぽ向いて、涙を拭った。
〈要〉でも、ありがとうな
〈椿〉おう
一星、スカイラー、道久は安心したような顔をして二人をみていた。
〈椿〉よし!帰るぞ!あの夕日に向かって!走ってるぞ!
〈要〉やだ...もう走りたくない
〈椿〉なに!? なんだと!?
〈要〉てか!お前のいうことさぶいわ!とっととかえるよ!?
と、椿に言った。おれは悄気ていた。
一星たちはそんな二人をみて、笑っていた。
椿たちはあの夕日とともに、帰った。
このことは一生忘れないだろう。
これからも、椿たち、要も強く進むだろう。
ー 4日目 仲間 後編 ー 続く
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