1週間経ったのち、大戸先生はサプライズを考えていた。
あれから、気持ちが晴れた様子だ。
真剣に考えている。
久しぶりのデートで、サプライズを考えている。
水族館、カフェでのお茶、その他もろもろ計画していた。不安はあるが、成功すると大戸先生は内心バクバクしながら進めている。
┈♡゙▸▸
千代先生はホワイトのワンピースに、オシャレなサンダルとシンプルでカワイイ系だ。
小さな腕時計をつけている。ふと、時計をみる。
さきに千代先生が居場所に着いている。
少しして、大戸先生がやってきた。
〈大戸先生〉ごめんなさい、待ちましたか?
〈千代先生〉いいえ、大丈夫ですよ
千代先生は微笑む。この笑顔をやられる。
〈千代先生〉行きましょうか!
2人は歩き始める。さきにご飯を食べることにした。パン屋に向かう。
実は2人ともパンが好きでよくパン屋にいく。
大戸先生は2人のパンを注文する。
パンを食べる千代先生はハムスターみたいでかわいい。
そんな顔を見ながら想う。
「紗々さんという人で良かった…」
その後、水族館でイルカのショーをみる。そのあと、水族館の協力でイルミネーションからの大戸先生は千代先生に想いを伝える。
そう考えていた。
心がドキドキする、これが恋愛か、大戸先生も千代先生も初めての恋愛だ。
夜につれて水族館は人が少なくなっていき、灯りだす。
最後のイルカショーからの綺麗な沢山のハートのイルミネーションが空からプールに浮かび上がる。
そのタイミング。
盛り上がり、イルカが飛ぶ。そして大きな水しぶきが観客席にも上がった。
ところが2人がすわっていたのは1番前の席だ。
イルカの水しぶきが2人を襲った。あまりにも近かったため、水を被ったのだ。
この場、隣には大戸先生と千代先生しかいない。
数人いるが、だれも気にも止めてない。
ずぶ濡れになって、静かな冷ややかな空気が漂う……
すぐに大戸先生はタオルを取り出す。その瞬間、終盤のハートが浮かび上がる。
アタフタする大戸先生。
告白どころか、どうしたらいいのかわからない。
その時、千代先生はアタフタする大戸先生の顔を軽く摘む。
〈千代先生〉ほんとうに不器用だね
顔を見ると、笑っていた。怒る様子もなく、ただただ微笑んでいる。天使のようだ。
〈大戸先生〉千代先生……
〈千代先生〉サプライズなんだよね? 薄々気づいていたよ、嬉しくて黙ってた
このサプライズは千代先生は1週間前からなにかあると確信していた。大戸先生は何かを隠すのは苦手だからだ。
〈千代先生〉なにか伝えたくてサプライズしたんでしょ?
その言葉にハッと我に帰る大戸先生。すぐに頭をフル回転させた。なにか小さなボックスを取り出す。
〈大戸先生〉結婚してください! こんな僕です。サプライズもまともにできない、こうやって失敗するかもしれない。でも紗々が好きです
ついに告白をした。ボックスの中身は指輪だ。綺麗なムーンストーン。
〈千代先生〉顔を上げてください。私も航さんがすきです。たしかにあなたは私を困らせます!
〈大戸先生〉ギクッ…
〈千代先生〉不器用だし真面目すぎるし下手だし、ずぶ濡れになるし、まともに指輪も渡せません!
〈大戸先生〉ごめんなさい……
大きく分かりやすく落ち込む大戸先生。
スっと千代先生はニコッとしながらこう話した。
〈千代先生〉でもそんなあなたが好きです。結婚よろしくお願いします♡
その言葉に耳を疑った。
〈大戸先生〉いいんですか?
〈千代先生〉いいんです、それで。あなたはいまのままで。私がいますから。二人で支え合えばいいよ。さっきタオルをくれたね、私は水族館デートなのにタオル持ってきてないんです。几帳面なあなたに救われました。まあサプライズは失敗してますが
〈大戸先生〉面目ない
〈千代先生〉これからです。この先どうなるかなんてわかりません。二人で幸せになりましょう。
いいのでは? これが私たちなんです
〈大戸先生〉ありがとう! 君を幸せにするよ
〈千代先生〉もう帰りましょう、風邪引きますよ
〈大戸先生〉そうですね
〈千代先生〉ありがとう、最高のセカンドバースデーでした♡
綺麗なハートの先、不器用で真面目な大恋愛、二人はどんな家庭を築くのだろうか。
今から楽しみでしかたない。
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