〈石沢実況〉はーい!では始めちゃってください!
と、最後の戦いファンタジーチェスが始まった。ファンタジーチェスとは、その名のとおりファンタジーの世界観のあるキャラクターが描かれたコマを動かしてチェックメイトし勝つゲームだ。通常のチェスはポーン(兵隊)、ナイト(騎士)、ビショップ(僧侶)、ルーク(戦車)、クイーン(女王)、キング(王様)があるが、ファンタジーチェスの場合は、ゴブリン(ポーン)、ミノタウロス(ナイト)、ゴーレム(ビショップ)、ケルベロス(ルーク)、シヴ(クイーン)、トール神(キング)となっている。動きやルールは一緒だ。このボードゲームの正式な名前は「ファンタジーチェス・雷の書」という名だ。
このBGF最後の試合、ファンタジーチェスに勝つと、この大会の真の勝者となる。
椿vsカルタ部チーム高津さんの試合。この試合は高津さんが不利の試合となった。高津さんは本来チェスをやったことがなく、一度経験のある椿には、いとも簡単にカタがついた。取られたコマは少しあるが、ミノタウロス(ナイト)を使い、高津さんに素早く勝った。
〈高津〉や、やりますわね
〈椿〉いや!お前が弱すぎるだけだ!
〈要〉みて!椿勝ったで!?
〈一星〉まあな、あいつは頭悪いけど、頭いいからな
〈要〉それどっちやねん
〈道久・スカイラー〉それな!
〈椿〉まあ、いざというときには強くなるからな
〈要〉あ~本番でバンッ!はい、できましたってタイプなんやな
〈一星〉ん?いや、よくわからんけど本番に強いってことやな(要も大概バカやな?)
〈要〉おまえ、今あたしの事バカとかおもったろ?
〈一星〉おもってないよ
すると、話している間に、もう1つの試合の柄本会長vsウロボロスチームの吉成さんの試合が終わった。
勝ったのは、やはり柄本会長だった。
しかも、1つしか取られていない。ケルベロス1つで勝ったようだ。こいつは化け物だ。
〈椿〉なんてやつだ、ルーク1つで...ビショップ1つしか取られず、相手に勝つなんて、しかもルーク1つで。いやまてよ、あの角には自分のキングがいた。つまり、キングとルークの組み合わせであっという間にチェックメイトか…… さすがだな!なんかわくわくしてきた!
〈要〉あいつなんかわくわくしてきてない?
〈一星〉そうだな?なんかわくわくしてきたぞ!とか思い始めたのかな?
〈要〉あほやな
〈スカイラー〉けど、好奇心が強いのはいいことね
〈要〉なんかうまい丁寧にいってるけど、椿にそんな丁寧な言葉は似合わんよ
〈道久〉ははは!!
〈一星〉でも、なんか楽しそうやなあの事もどうせ忘れてるのかもな
〈スカイラー〉ああ、たしかに
〈石沢実況〉さあさあ!やはりこの二人が残りましたね!次の試合で全てが決まります!と、いうわけで特別な場所を選びました!それは!ここでーす!
と、指を指す。そこは体育館だ。
〈石沢実況〉ここならだれもじゃますることなく戦える。シューティングソウルのように、このモニターで観戦してください!では次の最後の試合は、草ww破滅部チームキング・椿くん!vs生徒会チームキング・柄本会長だ!!さあ!素晴らしい試合をみせてくれ!!
椿と柄本会長は体育館に移動した。そこにはファンタジーチェスが置かれた机、そして、二人が座る椅子が二つ用意してあった。そこは、体育館のど真ん中。監視カメラが五つ設置してある。角と上だ。二人はそのリングをみて、途轍もなく寒気のするようなオーラを纏ったファンタジーチェスがその机に置かれていた。
今からそのファンタジーチェスを使い、真のキングを決める。この最後の試合に勝つのはどちらだ?
ー 53 BGF編25 雷の書 ー 続く
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