草ww破滅部活動日記

草ww破滅部シリーズ
Kay.
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67日目 南天屋

公開日時: 2021年5月11日(火) 16:09
文字数:1,950

椿、要、道久は帰りの電車の待ち時間に東所沢駅で時間を潰すことになった。


3人は駅周辺を徘徊していると、不思議なお店を見つける。


椿たちは、その南天屋というお店に入ることにした。



〈椿〉ん?



〈要〉どした?



〈椿〉開かないぞ?



〈要〉いや......



要は扉を引いて、開けた。



〈椿〉あ、なんだ~! 引くのか~! 押してたわ、えへへ!



〈要〉あほだな~! 



と、二人で笑っていた。



〈道久〉早く入りましょう!



そういうと、3人はお店の中に入った。



店内を見渡すと、みんなが思ってたものとはほど遠いものが店内に置いてあった。



〈要〉え、これって?



〈椿〉ああ



〈道久〉うん



〈椿〉ここは南天屋なんかじゃねえ......



椿は真剣な目で話す。



〈椿〉ここは......ポン菓子を売ってるお店だ!!



〈道久〉ポン菓子!?



〈要〉そう、ポン菓子やぁ



〈椿〉ああ、ポン菓子だ



〈道久〉ポン菓子ってあのお米みたいなお菓子の?



〈椿〉そうだ



〈要〉けど、南天うってないな



〈椿〉そやな、しかもお菓子だし!



そこに、背低い細い華奢な女性が出てきた。



〈天〉おい、あんたたち、お客さんか?



〈椿〉ん? んんん?



〈道久〉なんか要さんみたいな人が出てきた



〈要〉だれがあたしみたいやねん!



〈天〉なにやってんだ? お前ら



〈椿〉スミマセン、ここって南天屋ってあるけど、南天を売ってるお店じゃないの?



〈天〉はあ? 違うよ、ここはポン菓子屋だよ



〈要〉なるほどね、植物の南天を売ってるのかと



〈天〉あ~、よくこの辺知らない人はそう間違えるんよね~



〈天〉いい? ここは南天ポン菓子屋だよ、ポン菓子を売ってんだ、てかポン菓子買ってけ、買わないとひっぱたたく



〈椿〉すげえ店員さんだな、脅迫してきたぞ?



〈要〉しかも、お客さんに



〈道久〉あはは



〈天〉うるせえな、早く品みてきな、損はしないよ



この女性は、南天屋の南天みなみそら。このポン菓子屋の現七代目店主だ。年齢は20歳。見た目はこわ~いギャルだ。耳にピアス、髪はロングで髪色が黒をベースに毛先が赤色となっている。今の服装は、黒の革ジャン。おしゃれなダメージスリムジーンズ。体格的にもその服装は似合っている。肌はめちゃ白い。化粧はほどよいメイクにつけまつ毛は長め、本当にかわいいギャルって感じの女性だ。



〈天〉おい、買うのか? 買わねえのかどっちだ?



〈椿〉んー、どうする? 



〈道久〉そうだな?



〈椿〉んー、まあポン菓子は好きだから買うか



〈道久〉そうですね



〈椿〉要、どうした?



〈要〉なんでもない



要はなぜか少し浮かない顔をしていた。



天そらは店内の椅子に座りずっと椿たちを見ていた。



すると、その店員は椿たちに話しかける。



〈天〉お前らさ、高校生だろ?



〈道久〉え? はい



〈天〉なんでこんな遅くまでいんの? もう20時過ぎてるぞ



〈道久〉あ~、ちょっとしたことがあって、電車の待ち時間潰しに立ち寄ったんです



〈天〉ふーん、お前らこの辺の子じゃないね、どこなんだい?



〈道久〉僕たちは千葉県の柏からここまで来てます



〈天〉へえー、千葉か隣だな、それで?



〈椿〉それでって?



〈天〉なんで埼玉に?



〈椿〉あ、今日浦和にある大善院の夏祭りがあって、3人で遠出してきんです



〈天〉なるほどな、あの夏祭りな~



〈道久〉おねえさんは行かないのですか?



〈天〉店番



〈道久〉そうですか......すみません



〈椿〉まあ、もう時間なんで帰りますけど



〈天〉そっか、まあ、どーでもいいけど



〈椿・道久〉(だったら話かけんなよ!)



〈椿〉とりあえず、これ3つ買います



〈天〉毎度あり! 



椿と道久と要は、ポン菓子を買って、店内を出た。



〈天〉また、来てくれよ



椿たちが出た後、奥の居間から一人の女性が出てきた。



〈空木〉そら、誰かきたの?



〈天〉ん? ああ、変な高校生3人がな



〈空木〉は? 変な高校生? てかこんな時間に?



〈天〉そう



〈空木〉ふーん、まあいいや、お好み焼きできてるよ、そら



この女性は天の同級生の小雀空木[ こすずめ そらき]だ。もちろんギャルでヤンキーである。



〈天〉おう、ありがとう



といいつつ、天はそのまま座っていた。なにか黄昏ていた。



〈空木〉ん? そら? どうした?



〈天〉んー、いや、さっきのあいつら、めちゃ青春してんなーって思ってさ......



〈天〉あたしのときは......



〈空木〉ほほう? 今日はさみしがり屋そらちゃんですか??



と、空木は天にくっついてくる。そして、ほっぺたをツンツンッとさした。



〈天〉うるせえ! 早く食べるぞ! お好み焼き



〈空木〉はいはい



2人は奥の居間に向かった。



一方、椿たちは、やっと電車に乗ることができ、家に帰っていった。



帰りは、22時だったそうだ。



椿たちは月曜日部室でスカイラーと一星に、夏祭りの話とその帰りで出会った不思議で変なお店の南天屋の話をした。



椿はよっぽど話したかったみたいだ。 



知らない町にいくと、面白い発見があるということを知った。


ー 67 南天屋 ー 続く

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