芽果はアゲハに以前あったAf部とPf部との出来事を淡々と話し始めた。

〈芽果〉Af部とPf部、それはなんと言えない悲しいお話よ。それは、去年の話

ここで、芽果は以前の出来事を回想した。

〈柄本会長〉ん？　

〈二神〉どうかしましたか？　会長？

〈柄本会長〉なにかくる......

〈二神〉は？

と、そこに生徒会室の扉が勢いよく開いた。

勢いがよすぎてガラガラガッシャー！！　と、音を立てて、奥で跳ね返った。

〈亜音〉あ......ご、ごめんなさい。まさかそんな音を立てるつもりは......

その女性は扉の件について、謝ってきた。

〈柄本会長〉別にいいけど。で？　どうしたんだ？　えーと…… たしか、鳥羽…… 手羽先亜音！　思い出した！　手羽先亜音！

〈亜音〉全然ちがうわ！　いや！　名前は合ってるけど！　苗字がちがうわ！　なんや！手羽先って！　相変わらずアホね！　私は、鳥羽亜音よ！

〈柄本会長〉はははは！！

〈芽果〉それで、あのんちゃんどうしたの？　生徒会に用事？

〈亜音〉あ、そうだったわ。実はお願いがあるの

〈柄本会長〉お願い？

〈亜音〉そう、お願い。聴いてくれる？

〈亜音〉あのね......

〈柄本会長〉えー、やだよ

柄本会長は嫌そうな顔をした。

〈亜音〉まだなにも言ってないし！！

〈亜音〉あのね、Af部を潰してほしいの！！

大声でなにやら怖いことをいいはじめた亜音。

亜音は柄本会長や芽果と同じく2年で同じクラスの女の子だ。髪は長めで肩まで伸びていて、黒色。あまり言いたいことが言えない子だ。面白い一面もある。Pf部の部長だ。Pfとはプリザーブドフラワーの略。

今回は、勇気を振り絞り、生徒会に相談をしにきたようだ。

〈柄本会長〉は？　Af部を潰せって？　やだよめんどくさい

〈亜音〉え！？　めんどくさいってことは出来るのよね？

〈柄本会長〉まあ......できないこともなくもない

〈坂尾〉あれ？　ひょっとしてこの人たち凄い怖い話してない？

〈二神〉今頃か？

〈芽果〉でもなんで？　あのんちゃん、なんでそんなに仲が悪いの？　あの人と

〈二神〉え？　仲が悪いのですか？

〈芽果〉うん。でも元々はあのんちゃんの部活とりおんちゃんは同じ部活で仲良くやってたけど、途中から喧嘩始めて、部活がAf部とPf部と別れてしまったのよ。あれ？　そういえば、なんで喧嘩したの？

〈亜音〉それは......いいたくない　

〈柄本会長〉どっちにしろ、潰すことはできるが、潰すことはできない

〈亜音〉え！？　なぜですか！？　一つぐらいいいじゃない！？

〈柄本会長〉あぁ？　一つぐらいだと？　アホ抜かせ！　Af部だろうが、なんだろうが、お前の一存で簡単に消せると思うなよ。部活っていうのは......

柄本会長は今座っていた椅子から立ち上がり、狼のような怖い顔で亜音を睨み付けた。そして、先生が、生徒に説教するように亜音を怒った。

すると、それを聴いた亜音はビクッと怖がった。急に背中が寒く凍るような感覚だった。

柄本会長は説教する中、とてもあのだらしないいつもの柄本会長とは裏腹とはちがい真面目な話をしていた。

それを聴いてしばらく亜音は下を向き黙っていた。

　　　　　　　　　◇◇◇

芽果は話の途中で一旦回想を、話を終わらせた。

すると、アゲハが芽果に質問をした。

〈アゲハ〉あの、いいですか？

〈芽果〉なに？　アゲハちゃん

〈アゲハ〉話の途中で、柄本会長が怒ったとき、なんていったんですか？

〈芽果〉そうね......すごくかっこいいことを言ってたわ

〈柄本会長〉おい芽果、それは話さなくてもいいんじゃあないかな？

〈芽果〉いいえ、話すべきだわ。この言葉があとあとのキーワードにもなるのですから

〈アゲハ〉キーワード？

〈芽果〉そうよ、重要なキーワードになるのよ！

〈柄本会長〉恥ずかしいだろ

すると、怖い顔でギギギギギギィィィとカカシのようにゆっくりとカクッカクッと柄本会長のほうを向いた。

〈柄本会長〉うっ、......

〈芽果〉ヒゴロノウラミ......ツケガマワッタワ。ウフフフフ......

まるで魔女のようにわらった。

〈柄本会長〉こわっ！　ごめんなさい！

〈芽果〉ワカレバヨロシイ

〈芽果〉さあ、続きを話すわね！　会長の言葉は後々話すわね

と、さっきまでの怖い芽果ではなくいつもの笑顔で大人しく可愛い芽果に戻っていた。

〈二神・アゲハ・坂尾〉(この温度の差は一体？　なんだろ？　怖いな......)

〈アゲハ〉と、とりあえず、続きをお願いします

〈芽果〉わかったわ......

そういうと、芽果は先ほどの話の続きを話し始める。

このあとの話はどういう話なのだろうか。

先ほど言っていた柄本会長の重要なキーワードとは？

芽果は笑顔で続きを語った。

ー　56 Af部とPf部　前編　ー　続く