今日は要と椿と二人で帰っていた。

〈椿〉そういえば、思ったんやけど

と、言いながらこんな寒いのにアイスを食べる椿。

〈要〉こんな寒いのによくそんな、アイス食べれるよな？なんやった？ラムレーズンアイス？

ほんで？思ったことって？

〈椿〉ああ、お前の家ってもしかして、花屋？

〈要〉は？

〈椿〉いやこの前、花に詳しかったから

〈要〉いや、ちゃうで？うちは、まあ、花屋っていうか、造花業者みたいな？あと、店もやっとるよ？

〈椿〉え！？そうなの？あれ？奈良県出身とか言ってなかった？

〈要〉それは中学までな。お父さんが会社をこっちで持ちたい！っていうから千葉県に引っ越したんやで？

〈椿〉あー、なるほどな。すごいタイミングだな

〈要〉まあな、あ、家くる？

〈椿〉え？まじで？

〈要〉なんだよ？その顔は？うざいな

椿の顔を見ると、驚きとドキドキした感のある変な顔をしている。例えるならサルみたいな顔をしている。

〈要〉こいよ、まあ、今日とは言わんけど、今度の休みにでも

〈椿〉お、おう。わかった！たけのこの里もってくわ！

〈要〉なんでやねん！てか私はキノコ派ゆうとんねん！まあ、お父さんはたけのこ派やけど！

〈要〉はあ、じゃあ今度の土曜日な

〈椿〉お、おう

〈要〉どうしたん？おまえ

と、椿の顔を見る。

〈要〉やめろ！その顔！キモいねん！

〈椿〉え！？

と、悄気た。

〈要〉あーもうわかったわ、ごめんごめん。あ、私はこっちやから、そろそろ行くわ。おまえ、真っ直ぐ帰れよ

〈椿〉おまえはおれのお母さんか！

〈要〉じゃあ、またあしたー

〈椿〉無視かよ！

〈要〉土曜日、忘れるなー

〈椿〉わかってるって！

と、要と別れ、椿はちょっとウキウキに家に帰った。

この椿という男はバカなので、気にしないでください。

ー　52 サルみたいな顔　ー　続く