昼休み・職員室にて
大戸先生は昼を食べおわり、職員室の自分のデスクで、小説を読んでいた。実は、大戸先生は読者が趣味だ。
〈大戸先生〉やはり面白いな
と、そこに隣のデスクの新任教師の千代先生が話しかけてきた。
〈千代先生〉あの、なにを読んでいるのですか?
〈大戸先生〉ん?あ、これは千代先生。小説です。実は小説が趣味でね
〈千代先生〉そうなんですね!実は私も小説すきです
〈大戸先生〉おっ!では今自分が読んでるこの「1日3時間しか働かない国」とかどうですか?
〈千代先生〉聴いたことないですね
〈大戸先生〉そうですか、面白いですよ。イタリアの小説家・シルヴァーノ・アゴスティさんの作品です
〈千代先生〉へ~、イタリアの小説って初めてです!いいんですか?
〈大戸先生〉いいですよ、何回も読んでるので、時間あるときに読んでみてください
〈千代先生〉あ、ありがとうございます。そういえば、イタリアといえば、最近コルナウイルスで大変ですね
〈大戸先生〉はい。そうですね。ぼくはイタリアが好きで、大学の二外でイタリア語を選びました。
楽しかったです
〈千代先生〉そうなんですか!?では、イタリア語とは珍しいですね。イタリア語ペラペラですか?
〈大戸先生〉いや~、少しだけですよ!挨拶ぐらいです。ははは
〈千代先生〉へ~!私は、ドイツ語を選びました。ドイツが好きだったので
〈大戸先生〉そうなんですね!難しいですよね!?ドイツ語
〈千代先生〉はい、難しいです。あまり覚えられなかったです
〈大戸先生〉イタリアは素晴らしいところですよ。ローマ、ルッカ、ミラノ。面白い街です。世界遺産も世界一ですし、ぼくはベネチア北東部に位置する小さな島のブラーノ島が好きなので、ぜひ一度行ってみたいです
大戸先生は、そう言いながら、窓の差し込む光を少し悲しげな顔で黄昏ていた。
そんな顔を千代先生は、優しく見ていた。
ー 13 イタリア ー 続く
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