いま!ここに校長教頭チキチキティーバトル開催!いざ尋常に勝負。
昼休み、要は廊下をはしっていた。部室にむかっていた。
すると、廊下を歩いていた配藤先生に会い、「廊下をはしるな」と言われた。
それでも急いでいるのか、はしって部室の扉をガラッと力強く開けた。
〈椿〉ん? 要か、どした? そんな慌てて
〈要〉いま! 校長と教頭が職員室でバトルだって!
〈椿〉なに!? 今度はなんの戦いだよ、また俺たち巻き込まれるのか
〈要〉いや、今回は先生たちだけだって。校長が毎回生徒を巻き込むのはよくないって
〈椿〉よく言えるよな、てかよくそんな情報知ってるよな
〈要〉ま、まあね。それはどうでもいいだろ! 見に行こうぜ!
〈椿〉そうだな、ひまだし
2人は職員室に向かい校長と教頭のバトルを見に行くことにした。
職員室では既に先生たちが集まっている。昼休みなので、職員室で食べる人も多い。そんな中あの先生だけは自分のデスクで寝ていた。
〈校長〉イェイベイビー! 校長教頭チキチキティーバドルの始まりだぜい!!
〈大戸先生〉うわ、すげえテンション高い
〈配藤先生〉おうい!イェイベイビー!
〈辻村先生〉やっべ、今日お弁当にしちゃったな
〈教頭〉お集まり頂きありがとうございます
〈職員室内〉集まってねえよ、偶然だよ
〈校長〉さて、今日の議題は紅茶です。ミルクティーとレモンティーどちらが美味いのか、それを決めるバトルです。このバカはミルクティー、私はレモンティーがすきです。決め方は多数決! イエイ!
〈教頭〉なお、今回は先生だけのバトルとなります
〈安西先生〉かるいなー、ほんと
〈大戸先生〉まあでも俺はミルクティー派だな!
〈千代先生〉あら! 私はレモンティー派よ
〈大戸先生〉まさか、ここで決別するとはな
〈配藤〉私、アップルティー!!
〈教頭〉それリストにないから
椿と要はそれを扉の隙間から見ていた。職員室に入るには扉が3つある。1つは保健室と職員室が繋がっている扉。2つは保健室から徒歩1、2分のところにある手前の扉、そして今椿と要が覗いている靴箱から近い扉がある。
外に出ていた保健師の園部先生が2つめの扉から職員室に入った。
〈要〉あ、そのちゃん先生だ
〈園部〉は!?これは? 逃げよ!
察したのか、すぐさま保健室に入った。自分の檻に帰ってようだ。
〈要〉あらら、そうなるよね
職員室では、何故か盛り上がっていた。
〈安倍先生〉おお!!俺はミルクティーだ!
〈校長〉なんかミルクティー多いな……
〈津島先生〉おれもミルクティーだな、あの濃厚さがいいんだ
〈辻村先生〉何言ってるの!レモンティーはフルーティーで飲みすいのよ
〈渡部先生〉そうだそうだ!
ちなみにこの渡部先生は地理教師のほうの渡部先生です。
〈横山先生〉私ミルクティー!
〈安西先生〉あなたってミルクティーばかり飲んでみるわよね
〈横山先生〉すきだからいいじゃん!
〈校長〉ふふふ、これが世に聞くチキチキバトル、おつですな
〈教頭〉さーて!どちらが勝つのか……
と、そこで寝ていた国分先生が起きた。バンッと机を叩き身体を起こした。顔を上げると何故だが機嫌悪そうな顔をしているのだ。
〈教頭〉ん?
〈国分先生〉うるさい……
と、フクロウが苛立ち鳴いているかのような顔だった。
あたりはシーンとしていた。
すると国分先生は立ちあがり持参したミルクティーとレモンティーを取りだした。
〈校長〉なぬ!
国分先生はミルクティーもレモンティーも一緒に飲んだ。
〈国分先生〉うまい!正直どっちでもいい、どっちもうまいでいいじゃん
職員室はもう誰も騒ぐものはいなくなった。この国分先生の威圧は完璧。これには校長も教頭も口が出せなかった。
今回のバトルは不完全燃焼として終わったが、やはり分かりきった事だった。
国分先生、恐るべし。
ー 40日目 学校の風物詩2 ー つづく。
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