セルヴェは朝目覚めると、次の目的地にレアル・フェリペ要塞に向かう事にした。
とりあえず一服するか。
そう言うとパイプにマックバレン・ヴァージニアの葉っぱを入れて、マッチで火を付ける。
セルヴェは腕時計を見る。朝の8時25分だ。
昨日、寝る前に今日1日の予定を組んでいた。人は旅行や人生に計画を立てる。この1週間はこの場所に行って、ショッピングをして。人生計画はこの大学に行って研究をして、博士号を取ったりと人は計画を練る。1日ではない。何年先の目標ややりたいことを計画するのだ。セルヴェは計画を立てるのが苦手だ。
だが、ここはペルーだ。イタリアではない。ヨーロッパに旅行するのとはわけが違う。なにかが起こる。
セルヴェは最後の目標である太陽の島に行くという計画以外は計画を立てていない。
なので、1日単位でやりたいことを日記とは別に手帳に書いた。
今日のことは今日のことしか書かない。今日は8時に起きる。シャワーを浴びて、ホテルを出る。その後レアル・フェリペ要塞に向かう。その間にレストランでご飯をたべて、パイプを吹かす。
そのあと、1度このホテルに戻る。地図を見る限り、歩いて30分、タクシーで7分なので遠くはない。
この計画で行く。明日のことは明日の自分に丸投げ。
セルヴェは1階のフロントに降りた。
すると、昨日の店主がいた。店主が話す。
もう行くのかね?
ああ、行くところがあってね。ところであと1、2日ほど泊まりたいのだが、いいかな?
大丈夫ですよ。料金は先払いで?
どちらでも。
私もどちらでも大丈夫ですよ。あなたとは何かの運命。本来なら先払いしか出来ませんが特別です。
あなたの行動は素晴らしい。
運命か…… 運命は我々の行動の半分を支配し、残りの半分を我々自身にゆだねている。
イタリアのマキャベリという政治家の名言だ。
あなたがこのホテルという行動をした事で、会うことができた。
その通りですね。我々は運命の半分を支配できる。
素晴らしい名言だ。
そう、支配したからこそ出会えた。
では先払いにしよう。26ソルかな?
ええ、26ソルでございます。
セルヴェは料金を支払った。
今日はどちらへ?
レアル・フェリペ要塞に行こうかと。
ほう、タクシーなら7、8分で行けますよ。大体、10ソルだったかと。
なるほど、ありがとう。また夕方、夜頃に戻るよ。
行ってらっしゃいませ。
外へでると、タクシーに乗るか歩いて向かうかを考えていた。
そこでコインで決めることにした。セルヴェはコインなげで決めることが多々ある。
親指でピンッ! とコインを跳ねる。手の甲にコインが落ちた瞬間に左手で隠す。
よし! 表ならタクシー、裏なら徒歩!
そーっとコインを除くと表でタクシーだった。
タクシーか! なるほど!
すると、運良くタクシーが通る。手を挙げてタクシーを捕まえた。
どちらまで?
レアル・フェリペ要塞まで。
はいよー。
タクシーに乗ってる間、運転手とセルヴェは話す。
あなたはどこから来たんですか?
僕はイタリアからだ。船できた。
船で? 豪華客船ですか?
ああ、コスタの客船だ。
それはすごい! すごいものばかり揃ってそうですね!
いいやそれが、そうでもないんだ。
なにかあるんですか?
新聞がなくてね、僕は新聞が好きなんだ。
あ〜 新聞ですか、それはないですね。
ああ。すまないが、レアル・フェリペの近くにレストランかなにかあるかい?
ありますよ。
ではそこまでにしてくれ。
わかりました。もう着きます。
すると、すぐにレストランの前に着いた。
では10ソルになります。
ありがとう。
と、セルヴェは10ソルを運転手に渡した。
レストランを先にしたのは、お腹が減ったから。朝食をとる。
タクシーを降りると、セルヴェはレストランを入った。
どうやらコーヒー店のようだ。
たべてからレアル・フェリペ要塞に向かうことにした。
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