今日も僕は、先輩の官能的な攻めに耐えられない

エロい先輩達に迫られる日々
九傷
九傷

第42話 麻沙美先輩のお家で⑥

公開日時: 2021年1月12日(火) 11:49
更新日時: 2021年6月22日(火) 06:22
文字数:1,799



「さてさて、勝敗も決まったことだし、勝者には報酬が与えられます」



「え? そうなんですか?」



「そうなんです」



 そんな話は聞いていないのだけど、麻沙美まさみ先輩が言い出しそうなことなので予測はしていた。

 となるとやはり、敗者に対する罰ゲームも覚悟しなくてはならなそうである……



「といっても、今から賞品は用意できないので、報酬は敗者への命令権だ。さあ、何を望む?」



(やっぱりか……)



 どうせ王様ゲーム的なヤツになるだろうと思っていたが、その通りになってしまった。



(麻沙美先輩が勝たなくて本当に良かった……)



 伊万里いまり先輩であれば、そこまで過激な要求はしてこないハズ。

 これが麻沙美先輩だったらと思うと……、想像するだけで恐ろしい。



「藤馬君に命令、ですか……」



 伊万里先輩は顎に人差し指を当ててうーんと唸る。

 実にあざとい仕草だが、そうだとわかっていても可愛いモノは可愛い。



「やっぱりキスとかはして欲しいですけど、それは二人きりの時の方がいいですし……」



「伊万里、せっかくの命令権なんだ。普段お願いできないようなことがいいと思うぞ」



「麻沙美先輩はいらんフォローを入れないでください!」



 余計な入れ知恵で、伊万里先輩がスゴイことを命令してきたら堪らない。

 先程の戦いで、僕の体はもう限界が近いので勘弁して欲しい。



「……でも、普段お願いできないようなことと言われても、パッとは思いつきませんよ」



「別に深く考える必要はないんだよ。本能に従えばいいんだ。例えば、舐めて欲しいとか」



「ちょっ!? 麻沙美先輩!?」



 何を言い出すんだこの人は!

 なんで本能に従うと舐めて欲しいになるんだよ!



「別に、私は間違ったことを言ったつもりはないよ? 多くの女性は、本能的に男性に舐めて欲しいと思うものなんだよ。どことは言わないでおくがね。男の君にだって、そういう願望があるんじゃないかい?」



「……あ、ありません!」



「今、一瞬考えただろ~」



 確かに、考えてしまった。

 いや、だってそういうプレイもあるみたいだし……



「伊万里もまんざらでもなさそうじゃないか。どうする? 今なら公然的に願望を暴露するチャンスだと思うけどなぁ~」



「ま、麻沙美先輩! そそのかすのは反則ですよ!」



 恥ずかしそうに顔を赤らめる伊万里先輩を、麻沙美先輩が心底楽しそうに煽っている。

 それを阻止しようと僕も割り込んでみたが、残念ながら麻沙美先輩の言う通り、伊万里先輩はまんざらでもなさそうな感じがする。

 これは本当にマズいかもしれない。



「そ、それじゃあ、その、耳にですね……、キスを、して欲しいです」



 っ!?

 意外なことに、僕の想定よりも遥かに軽い内容が口にされる。

 そのくらいであれば、全然OKである。



「おっと伊万里、内容は正確に伝えなきゃ駄目だぞ? キスはキスでも、ディープなやつをお望みなんだろ? いや、より正確に言えば、舐めしゃぶって欲しいということなんじゃないか?」



 麻沙美先輩の発言に、伊万里先輩は顔を真っ赤にして俯いてしまう。

 つまり、図星ということだ。



(マジですか。伊万里先輩……)



「……その、以前藤馬君の耳そうじをしたことがあったじゃないですか? あの時、自分もしてもらえたらなんて思ってたんです。本当に、最初はそれだけだったんですよ?」



 しかし、その後のあれこれで色々と願望が膨らんだということなのだろう。

 あの体験をした僕だからこそ、その気持ちはわからなくはなかった。

 ただ、いざやるとなると……



「ハッハッハ! 決まりだね。さあ藤馬君、お姫様の耳に、優しくねっとりとキスしてあげるんだ!」



 背中を押され、伊万里先輩との距離がグッと近づく。

 伊万里先輩は恥ずかしそうに顔を俯かせつつも、僕をいざなうように髪をたくし上げ、耳をあらわにする。



(ゴクリ)



 目にしているのはただの耳なのに、綺麗に赤らんでいるせいか、妙に蠱惑的に見えてしまう。

 そのせいか、さっきまでの拒否感は一切なく、吸い込まれるように僕の顔は引き寄せられていった。



「ほほ~う! 素晴らしい表情だ! なあ伊万里、これは写真にとってもいいだろ?」



「絶対ダメです!」



 僕からは角度的にちゃんと見えないが、麻沙美先輩の反応から想像すると、めちゃくちゃ可愛い顔をしているに違いない。

 是非とも僕も見たいので、今だけは麻沙美先輩を応援したい気分であった。



「……それじゃあ、いきますよ」



 僕がそう声をかけると、伊万里先輩が弛緩したように固まる。

 そして……、



「はむ」



「☆#$%&wっ!?」




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