英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人
向原 行人

第308話 ちっぱい天国!?

公開日時: 2021年5月30日(日) 08:08
文字数:1,860

 胸くらい、見たければどうぞと、美少女マーメイドが水から上がる。

 やったぁぁぁっ!

 ついに俺は、おっぱいを見られても何とも思わない美少女種族を見つけたぞっ!

 肌色の淡い膨らみに、薄ピンク色の……って、


「……小さい。というか、無い」


 普段、お風呂でよく見ている幼女たちの胸――ちっぱいがあった。


「小さいというか、私たちは海で生きていますからね。そこのエルフさんみたいに、大きな胸があると邪魔で速く泳げないので、胸が小さくなるように進化したのですよ」


 いや、胸が小さくなるように進化……って、どう考えても退化だよっ!


「じゃ、じゃあ。あっちに沢山いるお姉さんたちも、皆……」

「えぇ。胸は全員無いですよ?」

「うわぁぁぁっ!」


 な、なんて事だっ!

 俺は一体何の為にここまで来たんだ。

 

「……兄たん。とりあえず、ラウラちゃんの胸で泣いていい」

「あ、あの……ヘンリーさん、そんなに落ち込むなら、水着の上からで良ければ、私の胸……じっくり見ます?」

「えっ!? じゃ、じゃあ……ヘンリー様。い、一回だけなら触っても良いですよ?」


 ラウラはさておき、カティとクレアが傷心の俺を癒してくれる。


「ひ、一揉み! 一揉みだけですから……ひゃぅっ!」


 うむ。水着越しではあるものの、ジェーンの胸とはまた違う趣きがあって良し!

 カティの胸をガン見し、クレアの胸を触ると、


「なるほど。人間の男は胸を触ると元気が出るのですね。落ち込んでいる理由は良く分かりませんが、せっかく来ていただいたのです。元気を出す手伝いをいたしましょう。皆ー、ちょっと来てー!」


 貧乳マーメイドが仲間を呼び、岩の上にちっぱいが沢山並ぶ。

 ちっぱい、ちっぱい、ちっぱい……あはははは! 夢にまで見たおっぱい天国じゃなく、夢に見そうなちっぱい天国だぁー!

 凄く嬉し……くねぇぇぇっ!

 やめてくれっ! 俺の夢を……おっぱい天国の夢を潰さないでくれっ!


「皆ー! こちらの人間の男性は、おっぱいを触ると元気が出るそうなんです。わざわざ、こんな所まで来ていただいた訳ですし、せっかくなので元気になってもらいたいと思います。なので、皆協力してくださーい!」

「え? ちょっと、待ってくれ。俺は、カティとクレアのおかげで元気になったから大丈夫……」

「……兄たん。そこにラウラちゃんの名前が入ってないのは何故?」


 どうしてこうなったのか。

 ちっぱいマーメイド軍団が俺に迫り――その中にラウラも混ざっているが――ちっぱいを押し付けてくる。

 違う! 違うんだ!

 おっぱいは好きだが、ちっぱいに興味は無い!

 おっぱい! 俺はおっぱいが好きなんだ!

 だけど、ちっぱいが……ちっぱいが俺を取り囲み、ちっぱいが攻めて来るっ!


「どうですか? お兄さん、元気になりましたか?」

「……はい。ありがとうございます」

「それは良かったです! ……で、どういう御用件でこんな所まで来られたのでしたっけ?」

「えっと、ちっぱい……ちっぱいを集めに来たんです」

「ちっぱい? それは一体、何なのでしょうか?」


 先ほどのマーメイドさんが、小首を傾げて聞いてくる。

 ちっぱいっていうのは、今も俺の手に押し付けられる、殆ど膨らみは無いけれど、温かくて少しだけ柔らかい、おっぱいですよ。あはははっ!


『ヘンリーさん! ヘンリーさん! 正気に戻ってください! ヘンリーさんってば!』

(アオイ……今までアオイの事を貧乳だとバカにして悪かったな。貧乳は……ちっぱいは良い物だ)

『私は貧乳ではありませんよっ! 見た事もないくせにっ! というか、違いますよね!? ちっぱいを集めに来た……って、意味不明ですよっ!』

(アオイ。笑うなら笑ってくれ。あれだけ巨乳好きだったと思っていたのだが、既にマーメイドさんたちが離れているにも関わらず、今も手の中にちっぱいの感触が残っているんだ。どうやら俺は、父さんと同じ貧乳好きだったらしい)

『……あの、ヘンリーさん。今も手の中に……って、実際今もラウラさんがヘンリーさんの手を取って、自分の胸に押し当てていますよ?』


 アオイの言葉で慌てて視線を下に向けると、言われた通りラウラが俺の手を胸に当てていた。


「って、何をやっているんだよっ!」

「……夫婦の営み?」

「営まねぇよっ! えーっと、マーメイドさん。俺たちがここへ来た理由は、ちっぱい……じゃなくて、大きな魚が居る場所を教えて欲しくて来たんだ」


 アオイのおかげで正気に戻る事が出来たので、ラウラの手を払い、がっかりちっぱいマーメイドたちに尋ねると、


「ネレーア知ってるよー。連れて行ってあげるー!」


 最初に出会った、幼女マーメイドが案内すると名乗り出てくれた。

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