英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人
向原 行人

第299話 お風呂で仁王立ち

公開日時: 2021年5月21日(金) 08:08
文字数:1,956

「皆……特に、今テーブルの周りではしゃいでいる君たちはよく聞いてくれ。知っている人は知っていると思うが、今日から屋敷に来てくれている三人――エリー、ポピー、ロレッタに、明日から基礎学校の先生をしてもらう事になった。なので、それぞれ一言ずつ挨拶をしてもらおうと思う」


 いつの間にか、かなり大人数となった食堂で、まだ食事途中の者も居るけれど、三人に挨拶をしてもらう事にした。

 というのも、幼い子供の中には食べる量が少なくて、食べ終わってジッとしていられない子も居れば、一方で時間を掛けてゆっくり沢山食べる子も居る。

 全員が食べ終わるのを待っていたら、既に食堂で遊んで居る子供たちが飽きて、走り回ったりしてしまうからね。


「エリーだよー! ちっちゃい子の教室を担当するよー! 皆、よろしくねー!」

「はーい!」

「エリーせんせーあそんでー!」


 子供たちには、エリザベスから既に説明があり、顔合わせなども行っているらしく、可愛らしいエリー先生コールが続いている。

 ……一方、その低年齢教室に参加するユーリヤは、食べるのに夢中で全然気付いていないけど、大丈夫だろうか。


「ポピーです。子供教室の担当をするので、よろしくね!」

「ポピーお姉ちゃんだー!」

「子供って言うなー! 今度は負けないんだからねー!」


 幼女たちからポピーを呼ぶ声や、次こそ勝つって声が聞こえるんだが……一体何の勝負をしたのだろうか。

 まぁ弟や妹の多いポピーなので、既に上手くやってくれているのだろう。


「ロレッタです。十歳から十二歳の生徒を担当します。よろしくお願いいたします」

「……」


 あれ? ロレッタちゃんの時は、何故か静かだけど……だ、大丈夫だよね?

 後でフォローしておかなければと思いつつ、一先ず食事へ戻る。

 食事を終えると、いつもの様にちびっこたちを連れてお風呂へ。


「わーい! お風呂ー!」


 ユーリヤを始めとする幼女たちの服を脱がしていると、


「エリーも一緒に入るー!」

「……ラウラちゃんも」


 幼女の入浴が大変だと理解してくれた二人が手伝いに来てくれた。


「助かる。じゃあ、エリーはその子を頼む」

「うん、わかったー!」


 エリーがユーリヤと同じくらいの背丈の子の服を脱がし始める。


「じゃあ、ラウラは……って、何してるんだ?」

「……兄たんに脱がせてもらおうと思って待ってる」

「いや、そこは自分で脱げよ。ていうか、手伝いに来てくれたんじゃないのか?」

「……ただお風呂へ入りにきただけ。ここまで頑張って歩いたから、後はお願い」

「いやいや、何でだよ」

「……兄たんが生涯面倒みてくれるって約束した」


 生涯面倒を見る……じゃなくて扶養するなんだけど、アオイがやらかしたせいで、究極的に面倒な事になっているじゃないか。


『むー。まぁ私にも責任が無くはないですが……それよりヘンリーさん。最近は見慣れてきたのか、普通にラウラさんを全裸にしますね』

(まぁ毎日幼女たちとお風呂に入っているし、ラウラは幼女みたいな体型だしな)

『で、ヘンリーさんも気にせず全裸になると』

(相手は子供だし、どうせ風呂に入ったら、遊んで遊んでーってなるしな)


 最初は、変なのがあるー! とか、ねぇこれなーに? とか、好奇心が旺盛な子は触ろうとしてくる子も居たけど、今ではもう誰も気にしなくなったしな。

 変に隠そうとするから、気になって触ろうとしてきちゃうんだよ。

 ここ数日で、堂々と普通にしていた方が、幼女たちも気にしないという事に気付いたんだ。


『ですが、ヘンリーさん。全裸で仁王立ちになっていますが、至近距離で物凄く見てる子がいますよ?』

(放っておいて良いよ。性知識が無い幼女たちだし)

『その凝視しているのが、ラウラさんとエリーさんですが』


「……って、何してるの!? ラウラはともかく、エリーはタオルとか身体に巻こうよ。ラウラは触ろうとするなーっ!」

「……ラウラちゃんは、兄たんのお嫁さんだから」

「そういう問題じゃない!」


 子供たちがちゃんと着替えられているかをチェックしていたら、俺の足元でラウラとエリーがしゃがみ込んでいて、大変な事になっていた。

 ラウラは見慣れてるけど、エリーは……タオル。今はタオルをぉぉぉっ!


「エリーも、ここではやめておこうな」

「どうしてー? ハー君。エリーもママだよー?」

「子供たちの教育に悪いからだよっ!」


 エリーは別の場所でなら大歓迎なんだけど、今はマジでダメだ。

 頼むから周りを見てくれ。空気を読んでくれ。

 だが俺の願いは届かず、


「ねぇー、エリーせんせーは、りょーしゅさんと、なにしてるのー?」


 幼女が集まって来たぁぁぁっ!


「何でも無いからねー。はい、全員お風呂へ入るよー」

「えー、なーにー? おしえてよー」

「にーに。ユーリヤにそんなのない」


 ユーリヤまで興味を持ってしまったので、全力で誤魔化し、今日は早めにお風呂を切り上げる事にした。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート