英霊召喚 ~ハズレと呼ばれた召喚魔法で、過去の大賢者を召喚して史上最強~

向原 行人
向原 行人

第321話 ソフィアとラウラが欲しいもの

公開日時: 2021年6月13日(日) 08:08
文字数:2,013

「えっと、今更で申し訳ないんですが、ヘンリー=フォーサイスと申します」

「……ラウラ=フォーサイスになった」

「ソフィア=フォーサイスです」


 ……って、二人まで何を言って……って、あれ? 正しいのか? ん? んんん?


「私はラーヘルよ。ヘンリーさん、ラウラを宜しく頼みますね」

「えーっと、はい。こちらこそ、宜しくお願い致します」

「むっ! 起きておったのか。婿殿、孫を……孫を頼むぅぅぅっ!」


 いつの間にかライマーさんも居て、孫を孫をと繰り返してくる。

 だが、そんな事を言われても……あ、いや。出来るような事をしてしまった訳で。

 ……あれ? よく考えたら、お義父さんって呼ばないといけないのか?

 とゆーか、俺の父さんや母さんに何て言おう。


「ちょっと、アンタ。しっかりしなさいよね。……あと、ウチのパパにも挨拶に来てよね。あと、ウチだって、改めてアンタのご両親に挨拶しないといけないしさ」

「……そ、そうだな」


 ソフィアとラウラ……二人の貧乳少女とあんな事やこんな事をしてしまったが為に、物凄く面倒臭い事になっている気がする。

 けど、あの体験は素晴らしかった訳で……後でもう一回。いや、三回ずつくらいしよう。


『ヘンリーさん、ヘンリーさん! 頭の中をピンク色にしている場合じゃないですよっ!』

(ん? あぁ、そうだな。屋敷にソフィアの部屋を用意しないとな)

『そんな話ではなくて、何の為にここへ来たんですか!?』

(え? 結婚式?)

『ちょっと、腑抜けすぎですよっ! 違うでしょっ! 聖剣ですよ、聖剣! 魔王が復活しても大丈夫なように、武器を手に入れる為に来たんですよね!?』


 あ、そうだった。

 ダメだ。さっきの体験が凄すぎて、もう魔王とか、どうでも良く……


『ヘンリーさん……』


 はいはい。ちゃんとやるべき事をやりますか。


「ライマーさん。話が変わってしまって申し訳ないんだが、前に話した聖銀で武器を作って欲しいんだが」

「そういえば、そんな事を言っておったな。では、孫が出来たら……」

「……あなた。子供が産まれるのは凄く先よ。ヘンリーさんの頼みを聞いてあげなさい」


 ラーヘルさんに言われ、ライマーさんがあっさりと折れる。

 ドワーフの長とはいえ、妻には勝てないようだ。

 ……えーっと、俺も村の領主という身だけど、そのうちソフィアとラウラに……い、いやいや。俺は大丈夫。大丈夫なはずだっ!


「婿殿。聖銀で武器を作って欲しいという話だが、そもそも聖銀はあるのか?」

「もちろん。採掘出来る場所を知っているから、足りなければまた取ってこよう」

「こ、これは……こんなに質の良い聖銀が大量にあるなんて。村の領主と聞いていたが、実はどこかの国王なのか?」

「そんな訳ないって。俺は村の一領主だよ」


 空間魔法で聖銀を取り出すと、ライマーさんに物凄く驚かれてしまった。

 だが、聖銀の質が良いという話なので、武器には期待しておこう。


「ある程度日数はかかるが、最高の武器を作る事を約束しよう。ちなみに、武器はどんなのが良いんだ? 剣か? 槍か?」

「希望は剣だな。今使っている、このクレイモアのような両手剣か、片手剣のどちらかで頼む」

「わかった。最後に、手を見せてくれ……うむ。何度も剣を振るった手だ。必ず、婿殿が満足する武器を作ってみせよう」


 そう言って、他のドワーフたちを呼んだライマーさんが聖銀をどこかへ運んでいき、


「いいかっ! ラウラの夫――つまり、俺の息子が使う武器だ! お前ら、気合い入れてやるぞっ!」

「おぉっ!」


 奥の方から雄たけびが聞こえて来た。

 かなり気合が入っているようだし、きっと良い武器を作ってくれるだろう。


「じゃあ、次はウチの番ね。アンタのご両親に挨拶させてよ」

「……ラウラちゃんも」

「そ、そうだな。とりあえず、皆に話もしないといけないし、一旦屋敷に帰るか」


 ラーヘルさんもシーツの洗濯に行っているのか、周囲に誰も居ないので、先ずはソフィアとラウラの二人をベッドに乗せ、


「ストロング・ブースト……テレポートっ!」


 先ずはベッドをソフィアの部屋に戻す。

 それから、続けてテレポートを使い、屋敷へ。


「さて、じゃあ父さんを呼んでくる……って、ソフィア? 何をしているんだ?」

「待って! お義父さんへのご挨拶も大事だけど、ウチ……大切な事を忘れてた!」

「どうしたんだ? ドワーフの国へ忘れ物か?」

「そうじゃなくて、ウチ……指輪貰ってない! 結婚指輪っ! どうせなら、お義父さんに会う前に、ハッキリと分かり易くしておきたいじゃない」


 ソフィアが何を言っているかはよく分からないが、とりあえず指輪が欲しいという事は分かった。


「えっと、ラウラも要る……よな?」

「……うん。だけど、ラウラちゃんはもっと欲しい物がある」

「何が欲しいんだ?」

「……旦那様の子供」

「……じゃあ、それはまた夜にでも。あ、もちろんソフィアも」


 アオイには浮ついていると言われてしまうかもしれないが、一応新婚だしな。

 これくらいは許してもらおうという事で、先に指輪を買いに行く事にした。

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